マガスペの秘蔵っ子登場「星天高校アイドル部!」



マガスペの秘蔵っ子、星天高校アイドル部!

マガスペが危機だなと思ったのはつい数ヶ月前。週マガに比べて恋愛要素が多い雑誌にあって、「くろのロワイヤル」の終了、「我妻さんは俺のヨメ」の移籍は痛い。非常に痛い。雑誌のカラーとして大御所陣が頑張るのはいいんですが、やはり雑誌の勢いを作るのは若手ですから!!そんなわけで、「星天高校アイドル部!」にはとても期待していました。
元々は「ヤンキー女は歌えない」という読みきりでマガスペ杯(新人の読み切りを載せて投票数1位に連載権)に挑んでいた同作品。残念ながらマガスペ杯では敗れてしまったらしいのですが、何と連載されることに!!*1編集部の期待を感じさせる出来事です。なお、その時のマガスペ杯に俺が投票した作品は・・・想像つきますよね?


ヤンキー鬼咲悠

目つきが悪く、腕っ節も強い。正真正銘のヤンキーが実はアイドルが好きだった。アイドルになりたかった。そんな転校生・鬼咲悠を主人公の桃川明がプロデュースする物語、それが星天高校アイドル部!です。


ホントは可愛い鬼咲悠ちゃん

木刀を持っていないと不安だという根っからヤンキーの鬼咲ですが、実際は非常に可愛い女の子なんです。素直じゃないところ、巨乳なところ、良いところ悪いところありますが、アイドルなんて何百通りあってもいいんです。特につり目(目つきの悪さ)なところを気にしているようですが、それだって個性ですからね。今時のアイドルは個性あってナンボですよ。
なお、星天高校のアイドル部には、可愛いけど致命的に歌ヘタな狗井安姫、緊張しいなメガネっ子の雉間葵が在籍しています。果たして高校の部活でアイドルをどこまで成長させることができるのかと疑問に思いますが、そのあたりは主人公の桃川が何とかしてくれる・・・はず。人間的にクズだけど、アイドル道に関してはまだマシ・・・のはず。


不器用な子の方がアイドルに向いていると思う

昨今のアイドルは大人数が主流ですよね。特定の子というよりは、グループを売り出して、その中の特定の数人を売り出す。どちらかというと、この作品では特定の子ありきでアイドル物語を描こうとしています。まぁ、アイドル作品となるとそれが当然だと思います。ただ学園ものありきでアイドルものという設定はちょっと好きですね。マガスペらしいというか・・・。
主人公がアイドルをプロデュースするというのはどこかアイマスっぽく感じますね。この作品に少し文句があるとすれば、もちっとアイドル部じゃない側の描写にリアルっぽさがほしいかな〜というくらいでしょうか。現場でのファンの描写(1話目のオタ芸は無理があった)とか、出てくるアイドルがどんなレベルなのか。せっかくの部活としてのアイドルなので、対比される側がビシッとなってたらとてもいいなぁと思います。まぁ、あくまで末端のドルオタの意見ですが。
とはいえ、アイドル部側の描写は完璧ですね。イベントの数々、鬼咲のアイドルへの目覚め、ヤンキーとしての存在とのギャップの魅せ方。素晴らしいっす!!



星天高校・・・・






アイドル部は・・・・






マジで素晴らしいっす!!


この作品は基本的にあざといです。そういう作品です。あざとい作品の多いマガスペにあっても、このあざとさは目立ちます。むしろ、それを望まれています。
ただ、勘違いしてほしくないのは、この作品の肝は鬼咲の笑顔だと思うのです。アイドルになれないと思っていた(本人の生活態度もアレだけど)女の子の頑張る姿が眩しい。アホな主人公も、頼りない部員も、皆楽しそうにしている。学園部活ものとしてそれが一番大切だと思います。この作品はその大切な部分が圧倒的に素敵だと思います。
あと、1巻の最後の方に出てきたライバルアイドルとの対決が今後も楽しみですねぇ。いくつか気になってる点を書いておきます。主人公の名前に桃という文字がついています。アイドル鬼咲はかなりの乱暴者。アイドル部のメンバーには狗(犬)と雉(キジ)がいます。そうなるともう一匹いてもいいよね?と思うんですが・・・。長く続いてほしいので、学年上がった後の後輩にサルがいてもいいですよね〜。それともう1つ。鬼咲が右頬につけている絆創膏も意味ありげだなと思ってます。意外と思い出の品なのかもしれません。

兎にも角にも女の子が可愛いです。新人さんとしてはかなりGOODですね。今後の期待としては、ガチのラブコメルート、鬼咲のアイドルとしての成長話が楽しみです。2巻は冬らしいので待ち遠しいです。オススメ〜。




作者金田陽介先生のインタビュー:http://magalabo.kodansha.co.jp/view.html?id=10
金田先生のブログ:http://napaou.blog.fc2.com/
どうでもいい話ですが、金田先生はガチのオタクですね。あと、作中モブに高本ヨネコ先生が描いたっぽい絵がありました。色々と繋がりがあるんですねぇ。

*1:その時の1位「ねらいうち!」もとてもいい作品です。