食欲の秋に悪魔の誘い「ヘルズキッチン」

今年の週刊少年マガジンの安定感はハンパないなと思うわけですが、特にジャンルの豊富さが目を引きました。ギャグ、恋愛、スポーツ、冒険・・・。似たり寄ったりな漫画ばかりな某雑誌には出せない味です。週マガの黄金期は何度かありましたが、ぶっちゃけ今の週刊少年ジャンプが若干落ち目なところを考えると、週マガ黄金期なう・・・もしくはそれに近い状態かもしれません。
まぁ、やはり昔の黄金期に比べて何か1つ物足りないなぁと思うのも事実なわけで。で、今回はその答えの1つとして「料理漫画」を挙げたいなと思います。

翔太の寿司とか中華一番が好きだったんですよねぇ・・・。





格闘料理人ムサシ・・・は黄金期に関係なかったな。
そんなわけでこれからの新連載に1つくらい料理漫画が出てきたら面白いのにと思ってます。むろみさんもある意味、料理(の材料)漫画かもしれませんが(違
もちろん講談社系の雑誌の中にもいくつか料理漫画があり、例えば月刊ヤングマガジンネイチャージモン、モーニングのきのう何食べた?などはかなりのお気に入り漫画だったりします。食欲をそそられる、作ってみたくなるのって料理漫画ならではですよね。ちなみに最近気になっている料理漫画は月刊ライバルのヘルズキッチンです。



原作が西村ミツル先生という本格派の料理漫画。西村先生とえいば元々が料理人という経歴の持ち主であり、大使閣下の料理人の原作者としても有名です。そんな方がライバルという少年向けの雑誌で実力を揮っているのです。



悪魔のドグマさん

これは地獄で悪食伯爵と呼ばれる悪魔・ドグマが、何の特徴もない少年の守屋悟に料理を学ばせる物語です。ドグマの食事は極上の料理人の魂のみであり、悟を極上の料理人に育て、自らの食欲を満たそうという魂胆です。
いや、まぁ実際のところ、悪魔が高校生に自分の食欲を満たすために色々と行動させる、ましてや時々拷問まがいの行為がある・・・なんていったら以前にジャンプで連載していたあの漫画を思い出したり出さなかったり。そういうのを気にする人であれば、きっとそう思うに違いありません。ただ、俺自身はそういった部分は気にならないので楽しく読ませてもらっています。雑誌や出版社さえ違えばアリですよ。


悟はほぼドグマに身体を乗っ取られており、周囲の人間からは悟がなめた口を聞いている状況にしか見えません。あくまで悟は控えめな少年でしかなく、極上の料理人にはほど遠い悟をどうしてドグマは選んだのかが気になります。料理が格別得意というわけでもなく、神の舌を持っているわけでもなく、ただただ普通の少年でしかありません。
それでもドグマは凝り固まった頭からは生まれない料理人こそが本物だと確信し、悟に料理を学ばせます。その中で、対決あり恋物語ありな作品になっています。


美味しそうな料理の描写は料理漫画にとって最高の魅力です。多種多様な料理がこの漫画では描かれ、さすがにネイチャージモンの肉描写にはかないませんがとても美味しそうです。収録されている話の中では大盛り炒飯やスフレなんかがお気に入りです。



極上スフレ


人間の3大欲求でもある「食」については日本人はかなりうるさいです。テレビを付ければ料理番組ばかり。画面の中にある料理に涎をたらしては、ご飯をかきこむわけです。




料理は時に人を狂わせます。






こんな美少女も・・・・








こうなります

恋は盲目、料理も盲目です。どんな展開なのかは読んでください。かなり狂ってます・・・が、この子は結構好きだったりします。かなりいかれてる。あ、ちなみにこの漫画の女の子は可愛いけど、たいてい変です。変な女の子が好きならそれはそれでオススメかもしれません。



月刊少年ライバルという雑誌は実にシンプルな漫画、直球な漫画を揃えている印象があります。まさに少年向けというに相応しい雑誌に仕上がっているなぁと思うのですが、前身があれなだけに当然といえば当然かもしれません・・・。
もちろんヘルズキッチンもそんなライバルに載っていることもあり、まっすぐな少年向けの漫画だと思うわけです。むしろ料理漫画としてより、少年の成長漫画、人とのつながりを料理で表現する作品になっています。
高級なフランス料理よりも腹減り時にしょうが焼き定食をがっつり食べた方が何か嬉しいじゃないですか。この漫画もそういった感覚に近いです。崇高な料理の薀蓄よりも、ただただ料理に対して一番必要なものが何なのかを描いているわけです。笑顔で腹が膨れるという事実が最も重要なんです。ヘルズキッチンはTHE少年漫画with料理です。少年漫画が大好きだって人はきっと気に入ってくれると思います。面白いです。


成長することって大切ですよね。料理に自信がない女性がいればいつでも言ってください。あなたの料理の腕向上のためにお腹を空かせておきます。