文化祭は楽しいの宝箱だと思う「水面座高校文化祭」

学生時代の思い出を聞かれた時に出てくる答えって、部活や勉強はもちろんですが文化祭が多く挙がるように思います。1年に1度しかない学校に認められたお祭りにワクワクしなかったわけがありません(ただし一部除く)。当日までの準備が大変であれば大変なほど、当日の楽しさはハンパないです。仲のよい友達と学校中を周って、いつもの学校じゃない雰囲気がより一層の楽しさを与えてくれます。
文化祭は特別な日です。
漫画でも色んな学校ものの作品があります。そんな作品の中でも文化祭(学園祭)はちょっと特別な日としてイベントだらけのお話になることが多いように思います。そんな文化祭のみを集めた作品がこれ。

水面座高校文化祭 1 (アフタヌーンKC)

水面座高校文化祭 1 (アフタヌーンKC)

ちょっと不思議な「水面座高校」を舞台に、文化祭前日(1話目)から文化祭当日(2話目〜)のちょっとした、だけど一大事なお話を詰め込んでいます。


そんな水面座高校の中心人物が文化祭実行委員長の花屋敷都。



委員長・花屋敷都

元々女子高だった水面座高校が3年前から共学になり、そこから始まった水面座高校文化祭。今年3年生で最後の文化祭を迎えることになった都にとっては集大成だったりします。生徒、先生、食堂のおばちゃんから街の人までに信頼され愛される都を中心として様々な物語が展開していきます。

作者の釣巻先生の絵が可愛いのはもちろんなんですが、作風としてどちらかといえば奇奇怪怪な要素も取り入れています。そのため学校の生徒たち以外、つまり人間じゃないものまでよく出てくる作品です。お化けの見える少年、宇宙人、透明人間、幽霊なんでもござれ。あまりにも突拍子もなく出てくるので、普通の学園モノだと思うとちょっと違うかもしれません。あ、もちろん普通の人間の話だってあります。
ただ、この漫画の場合、人が出ようが何が出ようが関係ありません。
重要なのは「楽しい」ってことです。



文化祭の楽しさは何ものにも変えがたい

水面座高校文化祭のいいところは、登場人物全員が主役だってことです。もちろん主人公の都が中心であり、まだ出てこない謎の生徒会長も作品に彩りを与えています。ただ、自分たちの文化祭でもそうだったと思いますが、楽しんだ人間は全員主役なんです。今では味わえなくなったあの高揚感がこの漫画を読んで蘇ってきました。
この漫画は面白い漫画ではなく、「楽しい漫画」なのだと思います。決して面白くないと言いたいのではなく、真っ先に「楽しい」が出てくる漫画なんです。当時楽しんだ人間もノリきれなかった人たちも、水面座高校文化祭で「楽しい」を取り戻してはいかがでしょうか。