クラブサンデーに見るweb雑誌の可能性

もしかすると昨今の漫画業界は漫画家さんの数が過剰なのかもしれません。上を見れば絶頂を過ぎても引き延ばしされる大御所。下を見れば毎年出てくる新人漫画家。溜まりに溜まる中堅。
雑誌の売り上げを落とさないためにも大御所は切れない。けれども中堅には次世代を担って欲しい。会社としての利益が第一であれば、自ずと次々世代の枠を削らざるを得ません。特に業界自体が不況なのに、そこまでの余裕と情熱が出てくるかと言えば、それはそれで酷ではないでしょうか。


講談社はそんな状況もあって、good!アフタヌーン別冊マガジンを創刊したんじゃないかと思っています。グフタであればくすぶり続ける四季賞作家陣を伸ばすため、別マガも自身の手元にある才能を見極めるため。もちろん雑誌としての成功も必要なので大御所を連れてきてはいますが、そう考えるのも面白いかもしれません。また、本誌から落ちたものの、才能を持つ中堅をさらにもう一段上に昇らせる場所としても的確だと思います。


一方の小学館はそれを紙媒体ではなくweb上でやっています。やはり目的は一緒。サンデー誌で枠をあけたいけど終わらせるには少し勿体無い作品であったり、力を持った中堅、これからを試したくなる新人。そんな人たちがweb上で頑張っています。俺は紙媒体の方が好き・・・というよりは、床でゴロゴロしながら読みたい人間なので、そんな作品であってもあえて単行本で買いますが。あ、最近出た作品は全て買ったので、できればレビュしたいです。作品が気になる方はクラブサンデーでググって下さい。



どちらとも試みや取り組みは面白いと思います。せっかくなのでちょっと両者の長所短所を書いてみます。

講談社
長所:雑誌として大御所も使えるので、雑誌の作者買いがある。話題になる。
短所:ページ数と作者数の頭打ちがある。


小学館
長所:気にするものは何も無い。見てもらうための上限はあるにしろweb上では無限大。
短所:見てもらえるかどうかは別。webに慣れている人ばかりではない。毎号の立ち読みが無い。

やっぱり講談社のやり方が一番スタンダードだと思います。ただ、最初に言った通り、漫画家さんの数が過多であるとすれば、webの利用は面白いような気がします。まぁ、実際にクラブサンデーの作品って面白かったしね。webを使った作品はサンデーに限らず多々あります。ガンガンONLINEコミックハイ!なんかは有名・・・・らしいですね。

「らしい」と書いたのは、実はweb上では全然読んでいません。単行本をたまたま買うことがあっても、買ってから気付くことが多いです。表紙の絵と裏に書いてある説明しか読まないので・・・。全雑誌をチェックするわけでもないので、発行元が書いてあればどっかの作品なんだろ程度でしか気にしませんからね。クラブサンデーはたまたま買った作品が面白かったのでとりあえず全部買ってみただけですよ。


あ、ちなみに集英社、特にジャンプは回転率がいいのでそこまで気にしていないんでしょう。バクマンで言う新妻エイジみたいな漫画家が出てくるまで、入れては出しての繰り返すシステムが出来上がっていますよ。そもそも読み切り&赤マル→連載させてみようって流れが秀逸。あくまで日本一売れている雑誌だから出来るんでしょうがね。



結局何が言いたかったのかというと、webを使おうとする流れは止められないような気がします。数年以内に紙からのシェアをどこまで取るかは分かりませんが、そういった流れに乗る必要もこれから出てくるかもしれません。まずは良作を次々と出すことが重要ですね。まぁ、それで俺が読むかどうかは別ですが。