拝啓、娘さま…あなたの彼氏を殺しましたが何とか逃げ切ってみます「マイホームヒーロー・第1巻」
殺しました
ヤンマガで絶賛連載中の「マイホームヒーロー」。タイトルだけを見ると、マイホームを建てることに奔走するヒーローとか、マイホームを物理的に守るニートヒーローみたいなものが想像できるかなあと思います。ところがどっこい、人殺しちゃった漫画です。
原作はテレビCMでもお馴染み?の「100万の命の上に俺は立っている」の山川直輝先生。100万の~とは作風が全く違うのに、引き出しの多さに驚きますね。100万の~は異世界ファンタジー、こちらはリアル殺人もの。
一方、作画は「サイコメトラー」の朝基まさし先生。朝基先生が週マガで大活躍していた世代の出身なので、どうあっても朝基先生の絵柄に抗えません。女の子、可愛いです。でも、可愛い子でも辛い目にあったりするので、何とも言えませんが。←可愛い子ほど幸せになってほしい派
とりあえず、どういう経緯でこの二人を混ぜてみることになったのかが気になります。
父 kill 娘の彼氏
でまぁ、作品的には、出会ってはいけない二人が出会ってしまい、突発的な殺人に発展します。殺人犯は父親。殺されたのは娘の(初めての)彼氏。
娘さんがどういった経緯で付き合ったかは分かりませんが、ろくでもない男に引っかかってしまいました。嘆かわしいですが、意外とそういう女の子・・・・多そうですね。彼氏がどの程度クズなのかなんて言うのも嫌なので割愛。ただし、自分が父親の立場であれば絶対に許したくない相手だと思いますし、一人娘を殴ったりだなんて到底許せるわけがありません。
別れる決意をしてくれましたが・・・・
家族を大切にする娘さんです。父親が、母親が、自分のことを心配してくれていることを感じ取れる娘さんです。そして、別れることを決断できる聡い娘さんです。
まぁ、彼氏はもうこの世にいないんですが。
(ノ∀`)アチャー
家族想いの良い子「すしざんまい」
個人的には娘さんがすげー好きです。何でこんな良い子があんなのと・・・・とわりと本気で思います。まぁ、そんな可愛い女の子がいて、家族愛があって・・・・。いい漫画です。ただ、この作品の本質は、父親の哲雄がいかにその殺人を隠しきるかを描いたところ。
前々から思っていたんですが、金田一とかコナンとか、殺人に計画を立てすぎだと思うんですよ。もちろんそれだからこそ魅力があるなと思います。ただ、カッとなって殺した。そこからどうした。って漫画があっていいとも思うんですよ。
完全犯罪できるかな?
ぶっちゃけると、完全犯罪マニュアルとして本が出てそうなことをやってます。これで殺した相手が普通の人ならアッサリ終了だったでしょうか。しかし、殺された彼氏の立場はちょっとヤベー奴。どこぞの組織に属しており、お金を盗んだり、人を殺したりなんて普通。
組織の中でもわりとやっかい且つ重要なポジションにいたため、死んでしまった彼氏さんを血眼になって探す人たちがいます。不法侵入くらいは当然やってのける人たち。そんな謎の組織に対し、死亡を隠蔽しつつ、家族を守れるかどうか。哲雄の死にもの狂いの行動が・・・・かなり面白いです。
カギは母親か?
悔しいことに(?)、家族漫画としてもしっかりしています。夫婦の愛が見れる・・・・ってこと以上に、母親がすごくいいポジションなんですよねぇ。哲雄(旦那)が人殺しをやってしまいましたが、それを非難するでもなく共謀しようとします。
もちろん一般常識であれば、旦那を警察につきだすべきですけどね。ただ、哲雄の覚悟を一緒に背負う姿は、絵から伝わる以上の家族愛があります。
というわけで、夫婦共犯での犯行となります。単独で娘にも組織にも内緒にするのは難しいでしょう。しかし、共犯者がいれば・・・・?娘の相手を片方がしている間に、もう片方が作業する・・・・なーんてのもできてしまいます。完全犯罪マニュアルを考えるのは哲雄(ミステリー好き)。そして、たまに閃く妻の勘。さて、どうなるやら。
雑誌でも読んでいますが、かなり面白いですね。特に1巻以降の今の展開は予想を裏切ってきて非常に良いです。その上、1巻の表紙もバツグンという。朝基先生に脱帽です。1巻の表紙を見て、これは表紙買いしたくなるなあと思いました。このあたりは流石ですね。
ストーリーのスリル感、証拠隠滅の方法、組織の手口、そして家族愛。全てが良いです。だからこそ言っておきたいですね。
人を殺してはいけませんよ。←今さら