これは恋愛ですか?「たりんたらん・第1巻」



これでも二人は恋人です

月刊シリウスで連載中の「たりんたらん」。(俺の中で)シリウス内最強の恋愛漫画だと思ってます。ラブコメではありません。恋愛ギャグ漫画だと思います。とにかく、仁野くん、留辺蘂さんという二人の恋愛模様がとにかく面白い、不思議、不気味。


好きだ

男の子は仁野くん。女の子は留辺蘂さん。留辺蘂は「るべしべ」と読むらしいです。なんと漢字変換で一発でした。この物語は、二人の不思議な恋愛模様を描いた作品です。何が不思議かというと、二人の間の空気感というか。本当に付き合ってるの??と言いたくなる話ばかりなところでしょうか。
先に言っておきますが、二人は似たもの同士。仁野くんが女性になったのが留辺蘂さん、留辺蘂さんが男性になったのが仁野くんじゃないかというレベル。行動等々が全く一緒。それらを“偶然”で片付ける二人ですが、問題はそこではありません。そんな似たもの同士でありながら、その性格が“超ドライ”なんです。


時代がお揃い

クラスメートから何かお揃いのものを持ってないの?と促されますが、留辺蘂さん「時代がお揃い」と一蹴。世代、身分、生物種がお揃いだと言うんですよ。ジョークとかではありません。彼女は本気で言ってます。多分、仁野くんも同じことを思ってるはずです。
普通、似たもの同士カップルってもっと盛り上がるじゃないですか。この二人はとにかくもう盛り上がらない。だって超ドライだから。
ただ、好きなのは本当らしいです。デート前日に眠れないとか、理由をつけて手を握らないというちょっと“人間らしい”部分も垣間見えるところもありますけど、基本的にツッコミどころが多すぎます。


桜木町と中野

例えばデートの話。どこでデートするかという話題になり、留辺蘂さんは桜木町を指定。仁野くんは中野を指定。普通ならここからどちらに行くかという話題になるんですが、彼らは結局別行動をして、それぞれ桜木町と中野を一人デートしています。意味わかりませんが、これが彼らの愛の形なのです・・・・。えぇ・・・・。
なお、その前の週に留辺蘂さんは中野に行き、仁野くんは桜木町に行ってました。同じ所に2周連続はちょっと・・・・ということで別行動としていますが、そもそも提案する街がほぼ一緒という、行動する街が一緒じゃねーかという。


2ショット

例えば写真の話。留辺蘂さん曰く、2ショット写真を持っているとのこと。で、持ってきたのが↑コレ。ええ、入学式の時の写真です。撮ったというより写ったという方が正しい気がしますね。ちなみに、仁野くんも逆方向から同じタイミングの写真を持っていました。なんせ似たもの同士ですから。
似たもの同士ということですが、本当に、本当に、似すぎていて怖いレベルです。


縦列

2人で歩くとき、距離を取って横にいるか、縦列になる彼ら。テニスのダブルスでもやっているのでしょうか?カップルといえば手を繋いだり、腕を組んだり、ゼロ距離がデフォルトでしょ?しかも付き合いたてほやほやのカップルですよ?でも、それが彼らの普通なわけですよ。どちらか片方が異を唱えればまた別なんでしょうけど、似たもの同士ですからね。しょうがないね。



恋愛漫画で似たもの同士?、素敵!とならないのがよくわかりました。場合によりけりなんですね。もっと化学反応があっていいと思いますが、超ドライな相方の意見を超ドライな自分が肯定しすぎる作品。でも、ちょっと面白いですよね。彼らはキスとかする日が来るんでしょうかね?結婚とかまでしそうだな〜とか思いつつ、超ドライが量産されるのか?というのは・・・・。いや、逆に普通の子供が生まれて、超ドライな両親にツッコミをいれる子供というのも面白いかも。
いつもの恋愛漫画とはちょっと違う刺激がほしい人にオススメ〜。