強くなるためのボーイミーツガール!「放課後ソードクラブ・第1巻」



はっ!


放課後ソードクラブ」が
出てる!?






剣士危うきに近寄られる

講談社の三大クラブの一つでもある放課後ソードクラブの1巻が出ています。ちなみに、他のクラブは「ひたぎクラブ」と「松戸苦愛」です(←どうでもいい
現在、別冊少年マガジンで連載中の作品です。作者の永椎晃平先生は、21世紀最大の講談社ヒット作「進撃の巨人」の諫山先生を師匠に持つという経歴の持ち主。そんな師匠に負けじと、少年漫画の王道を走り続けています。別マガというと、ファンタジー作品が多いイメージがあります。そんな中で王道的なスポーツ漫画をやるというのはなかなか勇気がいることだよな〜と思ってるわけですよ。なお、別マガでは初めての本格的スポーツ漫画だったりします*1。テーマは“剣道”!!!




主人公の賀家剣正

主人公の賀家剣正は剣道が大好き!父親が雷神と呼ばれるほどの腕前で、剣道をやっている人間であれば知らない者がいないという存在。そんな最強の男の息子・・・。話の始まりは、高校生となった剣正が剣道部に入るというだけなんですが・・・








主人公がヘッポコです(どっw)

誰しもが憧れた雷神の息子がヘッポコ。そう、ヘッポコなんです。決して動きも筋も悪くないそうですが、どうやら“相手を打つことができない”そうです。剣道で相手を打てない(=攻撃できない)というのは・・・勝負にもなりません。勝負の“しょ”すらたどり着けないわけですよ。
しかし、父親が雷神と称されるほどなのに、息子がヘッポコというのも理解できないんですよねぇ。第1巻で父親が出てきておらず、生きてるのか死んでるのかも作中では描かれていません。仮に死んでるとした場合、剣正が打てない理由と関係するのか気になるところ。


しかし、弱いだけでは物語は動きません。“親の七光り”と剣道部の先輩に罵倒され(練習中に弱いのがバレた)、ブチ切れた剣正は剣道部を飛び出していきます。そこで見かけた謎の美少女の剣技・・・。



美少女の超絶剣技

剣正が出会った少女・芦原直刀。彼女は剣正が放り投げた竹刀がおでこに当たり、ブチ切れていました。強いです。とても強いです。ついでに性格がツンツンしています。そんな剣道に精通した謎の美少女。もちろん剣正は師匠となってもらうように猛アタックを仕掛けます。そんな不思議な(?)ボーイミーツガール・・・。


二人の出会い・・・

剣道は好きだけど弱い主人公・賀家剣正。剣道が嫌いだと言いつつも何故か強い美少女・芦原直刀。こんな二人が出会って、師弟関係にならないわけがありません(なお、一方的な師弟関係の模様)。蜜月な諌山−永椎ラインとは違い、剣正がウザすぎてしょうがないから直刀が教えるという構図なわけです。
ちなみに剣道少年の剣正、かなりウザいと思われます。いや、ウザいは少し言いすぎかな・・・?できないのにできると信じる空回り系男子です。まぁ、剣道ヘッポコなのに、志は高いわけですよ。父親のことを言われるとすぐカーッとなるし。もちろん剣正は剣正なわけです。ただし、弱いだけではどうにもなりません。まぁ、そんな剣正ですけど、直刀との出会いがどう影響するやら・・・。


ところで、作者の永椎先生は剣道を実際にやっていたんでしょうかね?剣道に使用する防具にこだわりを感じます。いや、俺自身剣道をやったことはないので、(俺が思う)剣道らしい描写がいっぱいだな〜と思う程度ですけど。逆に、剣道をやっていた、剣道をやっているという人たちからはどの様に見えてるんでしょう??ちょっと気になります。
さて、剣正は直刀にどういう指導をされるのでしょう。まぁ、指導というにはかなり放置されてたように思いますが・・・。とはいえ、剣正の親の話をせず、剣正自身を見てくれる対等な存在としての直刀。彼女がいてくれるだけでも剣正にとっては良い影響を与えるのでしょうね。なお、第1巻では剣道部を追い出される剣正、直刀との出会い、剣道部への入部をかけた試験等が描かれています。とりあえず直刀との出会いからの成長は必見です。ヘッポコは変わりませんが、高等技術な必殺技(?)を身につけたり、破られたり、でもめげなかったり。とても少年漫画してると思いませんか?(これほど王道なのは別マガでは珍しいと思います。







二人の幼少期

第1巻を読んでいて少し気になったのは、上の場面。同じ大会、同じ選手(剣正父)を見つめる二人の子供たち。片方は父を尊敬の眼差しで見つめる剣正。もう片方は剣道が面白そう楽しそうと目を輝かせる直刀。同い年で同じ学校。剣道が二人を結んでくれました。力量差がすごいけど・・・。
そんな二人が同じ人物を見ていたというのは面白いなぁと思うわけです。性格が全然違いますし、逆に直刀が剣正父とどんな関係を築いたのか?いや、何も関係ない可能性もありますが・・・。とはいえ、剣正の父親にほっとんど言及していないのは気になりますね。あえてなんだろうか??あと、実は直刀は剣道部に入っていません。入ろうともしてませんし、そもそも剣道が嫌いだとまで言ってました。不思議な二人です・・・。


光ちゃん、お着がえ中

あと、特筆すべきはキャラの可愛さ、カッコよさでしょうか。漫画家さんに言う話でもないですが、絵が上手いですよね。お気に入りは直刀ではなく、剣正の幼馴染の光ちゃん。いちいち可愛いです。剣正と同じ部活に入ろうとする健気さ、それでいて女の子らしくありたいなというアピール。何もかもが可愛い。何で剣正のことが好きなんでしょうねぇ・・・。
その他にも、まだ活躍しきっていないながらも、剣道部の先輩や同級生にも個性的なメンバーが集まっているのが気になりますね。他にも光をバスケにシュバババっと誘っていた女の子や、週マガ出張版の女の子が可愛くて、それだけでも楽しめるかと思います。何はともあれオススメ剣道漫画です。そうそう!剣正のお母さんも素敵なんですよ!!!主人公のお母さんが素敵な作品は(ry





アシハラナオトなんていない

さてさて、1巻では大きな謎が残されて終わってしまいました。それは、同じ学校の制服なのに・・・芦原直刀という生徒がいないということ。ファッ!?と素で言ってしまう展開でした。君は・・・誰なんだ??
で、騙されてるんじゃないか?という可能性があってですね・・・。第1話目から直刀って男なんじゃないの?と思ったわけですよ。そもそも名前が男っぽいですし、たち振る舞いも男らしいな〜と思う点もあったりなかったり。アシハラナオトを調べてくれた先生も女子だけを調べた可能性があります。気になりますなぁ。あと、1巻を読むだけだと幽霊だったりして?と思ったりもするわけですよ。まぁ、仮にそうだったとしても、剣正と同じ剣道大会を見ている描写があるので、昔からの古い幽霊ではないと思いますが・・・。アシハラナオト、一体何者なんだ。




まあああああ面白いですよ。別マガという雑誌が好きだからこそ、一味も二味も楽しめるのかな〜と。別マガに足りない少年漫画らしさをこの作品は持っています。絵が良くて王道がやれるって・・・最強じゃないですか?まぁ、ちょくちょく見られる某ジャンプ的なネタが気になるところですけど・・・。あとは、もっと試合描写が増えると嬉しいですし、部員の掘り下げ、剣正をはやく強くしてあげてほしい等々、まだまだやれることはいっぱいありそうですし先が楽しみなわけですよ。2巻も楽しみ!!




余談。「放課後ソードクラブ」と同日発売の「不死身ラヴァーズ」でちょっとしたプレゼント企画をやっています。



・・・分かりますかね?帯をくっつけると一枚の絵になります。これは永椎晃平先生、高木ユーナ先生の師匠でもある進撃諫山先生が描いたもの。この諫山先生の絵が描かれた図書カードをプレゼントしています。これは欲しい!!ちなみに諫山先生曰く、二人は“犬猿の仲”とのこと。・・・どっちかってーと、トムとジェリーじゃないかと思うんだけどw
二人の新人作家さんの今後が楽しみです。

*1:初のスポーツ漫画はマックミラン