思い出してほしいたった1つのこと・・・君は僕が好きだった「不死身ラヴァーズ・第1巻」



不思議の国の長谷部

この恋はどこまでも・・・止まらない。
ブコメは壁があるほど面白い。すれ違うほど面白い。これは万人に共通の事項かと思います。また、恋愛を描く中で、お互いが好きであることを認識できる“まで”と“それから”をどう描くかでも全然違います。ただし、別冊少年マガジン不死身ラヴァーズは、そんなこれまでの恋愛漫画感をぶっ壊すべく連載を続けております。
甘酸っぱいだけの恋愛漫画、周りくどい展開が続く恋愛漫画、彼女とのエ○チシーンばかりの君のいる町、その他もろもろの普通の恋愛漫画・ラブコメだけでは物足りない人にオススメです。




NOドキドキ!NOライフ!

主人公の甲野じゅん。彼は恋をしている。一途に恋をしている。誰かが誰かを好きになるのって素敵です・・・が、そんなことどうでもいいくらいに変な奴だとも思います。本筋の話も重要ですけど、甲野の動きが面白いです。
さて、彼はとある美少女・長谷部りのが好きです。小学生の時から大学生になる頃まで、ずーーーーーーーーーーーっと長谷部のことが好きです。





なお、












両思いになると消える模様。




何故かは分かりませんが、甲野じゅんが愛する長谷部りのは、甲野じゅんのことを好きになると世界から存在が消えます。それはもうキレイに消えていきます。そして、長谷部がいたという記憶は・・・甲野しか持ち合わせていません。消えてしまうと、周囲の人間は長谷部りのという存在を忘れます。
甲野の長谷部に対する愛は本物です。気持ち悪いくらいには本物です。長谷部が優しすぎるのかもしれませんが、一歩間違えばストーカーじゃね?と思うほどに愛しているようです。そんな甲野に対して、自分を好きだと言ってくれる甲野に対して、長谷部が好きになってしまったら・・・即終了。お疲れ様でした!!!





なお、












新しい長谷部が現れる模様。




あ・・・ありのまま、今起こったことを(ry
あまり深く考えるべきではないのかもしれませんが、長谷部が消えたら、また新たな長谷部が登場します。そういう作品です。ちなみに全く同じ長谷部ではなく、年齢がそもそも違いますし、甲野じゅんという記憶がありません。また新たな気持で長谷部が好きになれるね!・・・という問題ではない!!!!
面白いことに、甲野じゅんは色々な長谷部りのを愛し、両思いになれた途端に失恋します。しかも、誰も覚えていないので甲野を慰める人もいません。ちなみに、↑の長谷部は中学生です。第1巻では小学生、高校生、大学生、中学生といった長谷部が出てきています。中学生長谷部編は残念ながら2巻に収録となりますが、1巻でもそれ以外の長谷部たちだけですごい恋愛模様が描かれます。もちろん甲野は普通に成長するため、必ずしも同い年で登場するとは限りません。
好きになってもらう過程を楽しむのが恋愛漫画の醍醐味だとは思いますが、延々と繰り返す様、それでいてへこたれない甲野には頭が下がります。読者側としては、常に読み切りのような気持ちで読めて面白いですしね。




お願い消えないで!

甲野の悲痛の叫びも届きません。無情にも長谷部は消えます。残るのは長谷部が甲野を好きになってくれたという思い出だけ。いや、普通なら諦めますけどねぇ・・・。それでも諦めない甲野の真っ直ぐな気持ちがとても気持ちのいい作品ですよ(棒)。あと、作者の高木ユーナ先生の作風が某JOJOゲーの無限コンボみたいな作風(延々とすごい勢いで攻めてくる)なので、圧倒されまくりです。オススメでござんす。



それと、色んな長谷部が出てきますが、個人的には中学生長谷部がお気に入り・・・なんですけど2巻収録なので、次点で好きな大学生長谷部のお話でも。ちなみに、高校生長谷部は青春活劇を繰り広げていて超面白いです。ちなみにその時の感想→http://d.hatena.ne.jp/toldo13/20130412/p3



今度の長谷部は寝たら記憶が消えちゃうよ!

大学生となった甲野は、早速、大学生となった長谷部を見つけます。当然のことながら長谷部は甲野のことを知りません。ただし、それも分かりきっている甲野は猛烈アタック。そんな甲野に徐々に惹かれていく長谷部。ある種のルーチンだなと思いきや、大学生長谷部は病気で記憶を維持することができません。
ただでさえ消えるのに、寝たら記憶も消えちゃう!!好きになられたら即終了ですが、好きになってもらうための思い出を彼女は維持できない!!この積み重ねようのない状況に、やっぱりへこたれない甲野。



安静ありがとう

大学生長谷部は、朝起きたら記憶が消える不思議な人。そして、そんな不思議な人を愛する超変な人・甲野。長谷部が甲野を好きになったら、記憶もすらもまた消えてしまうというのに・・・。
甲野には不思議な愛の説得力があります。常時“好き”と言ってるんですけど、軽薄さではなく必死さが伝わります。そもそも、軽い気持ちで言っているようならどの長谷部も甲野のことなんて相手にしませんよ。だからこそ記憶が消える長谷部にも・・・。まぁ、どんな失恋となるのかは是非是非確認してください。





さて・・・次はどんな別れを迎えるのか―。





しかしまぁ、消える時のあっという間感には毎回驚かされます。この“ページをめくる楽しさ”があるあたりは師匠の諌山先生譲りですね。また、設定もさることながら、失恋表現の面白さにも目を見張るものがあります。失恋した時のぐちゃぐちゃ感、好きな人を失うという喪失感、その表現がなかなかに面白いです。心臓を切り刻むというのはさすがにビックリしましたけど、そういった失恋感情はもちろんのこと、好きだという感情すらも言葉だけでなく絵で表現しようとするあたり面白いです。
まるでジェットコースターに乗っているかのような、ネズミーランドにいるかのような丁寧な勢いの良さは必見です。
一つ気になるとすれば、何で長谷部が消えるのかってとこでしょうか。確かに長谷部は甲野を好きになったわけです。好きになったからいなくなる。何ともまぁ不思議な話です。ただ、逆に甲野が色んな世界を飛び回っているという可能性も否定できませんけども・・・。
これはもう講談社恋愛漫画の歴史が変わってしまいますね。とても面白いです!!冒頭にも書いてますが、一味も二味も違う恋愛模様が描かれていますので。永遠に愛し続ける男・甲野と、何度も何度も愛に応える女の子・長谷部の物語を是非読んでみてください。オススメー。




余談。「不死身ラヴァーズ」と同日発売の「放課後ソードクラブ」でちょっとしたプレゼント企画をやっています。



・・・分かりますかね?帯をくっつけると一枚の絵になります。これは高木ユーナ先生、永椎晃平先生の師匠でもある進撃諫山先生が描いたもの。この諫山先生の絵が描かれた図書カードをプレゼントしています。これは欲しい!!ちなみに諫山先生曰く、二人は“犬猿の仲”とのこと。・・・どっちかってーと、トムとジェリーじゃないかと思うんだけどw
さてさて、二人の新人作家さんの今後が楽しみです。