宇宙人と楽しい人体実験をしよう「午後のグレイ・1巻」



宇宙人の実験台始めました

月刊ヤングマガジンで連載中の一風変わった宇宙人遭遇漫画「午後のグレイ」の1巻が出ました。帯文から分かる通り1人の少年が宇宙人の実験台になっています。実験台・・・といってもXファイル的な“宇宙人って何か怖い”というような印象を持たせる作品ではなく、実験台になってほしいと土下座されるような作品です。
宇宙的な道具を使い一般人に擬態していた宇宙人。本当の姿は銀色の肌をした宇宙人。正直、雑誌で読んでいた時は白黒なせいか宇宙人的なものを感じなかったんですが、改めて表紙に出てくる宇宙人の女の子を見ると、確かに・・・宇宙人だなぁと思ってみたり。


宇宙人親子です

何にもない。本当に何もない普通人の主人公・志村太地。勉強も運動も何もかも中位の平凡人です。だからこそ特徴が欲しいと毎日感じていました。そんな時、偶然知ってしまった宇宙人親子(父と娘・ソル)の存在。彼らに実験台になってほしいと頼み込まれます(主に娘から)。実験内容はいたって簡単。異星人のDNAサンプルを打ち込んでどんな特徴が出るかを見てみるという実験です。そこで太地は考えてしまいます。


「これで自分にも特徴ができるな。」


このちょっとした欲が彼をろくな目に合わせないことを、彼はこの時気付いていませんでした。ろくでもない親子のろくでもない実験に巻き込まれる平凡少年の物語。それが「午後のグレイ」という作品です。





ガディ星人のおかげで空が飛べるね!

この作品の楽しみどころは2つあります。1つは宇宙人家族の宇宙人感。もう1つは実験台としての主人公の悲しさ。特に2つ目の実験台としての悲しさは群を抜いて面白いです。例えば、鳥型ヒューマノイド・ガディ星人のDNAサンプルを打った結果・・・フトモモから羽が生えてきました。仮にどんな異星人であろうと、全く同じような体質になるわけではありません。背中から生えると思っていたら、フトモモから生えてきた。・・・何か悲しいでしょ?
まぁ、羽の動かし方もろくでもないです。もちろん宇宙人親子は扱い方を知らないので、太地が自ら学ぶしかありません。なお、お尻の穴をキュッとすることで羽が動きます。・・・太地は急にお腹が痛くなります。・・・お尻をキュッとします。・・・羽が動いてしまいます。・・・そして・・・そして・・・空を飛びながら・・・脱p(ry




太地くん・・・かわいそう・・・






ええか、ええか、ええのんか

またある時は戦闘種族ギラド星人のDNAサンプルを使用したところ、身体が強くなるのではなく人の性感帯が分かるようになりました。宇宙人パパは足の裏、ソルは乳首、友人は背中や耳・・・等々。どこでこのチカラが役に立つのか非常に不明ですけど、何かそんな能力が身についたりします。
なお、この話にはオチがあり、自分の親の性感帯が丸分かりになってしまいます。まさかあんな状態になるとは思ってもみませんでしたが、親の性感帯が分かるって・・・何か嫌だ!すごい嫌だw!!いやマジで太地の母親の性感帯は尋常じゃなかったです。読んで確認しといてください(←






宇宙人は不思議です

意外とこの作品で面白いな〜と思うのは、宇宙人家族が地味に一般的な部分からズレていることだったりするかもしれません。何か普通の人の感性と違うんですよねぇ。このあたりとても上手いと思います。
例えば部屋に出てきたゴ○ブリにはとても好意的な対応をしていました。あまつさえブラックシャインという名前を付けたりもします。もしかしてアレですか?火星にいた人型のゴキブリとはちょっと違いましたか?あちらさんは凶暴ですからね。地球のゴ○ブリが可愛く見えても・・・仕方ないね。
あぁそうそう。宇宙人の口にあう食べ物を探すお話がかなり面白かったです。お子さんにも大人気のハンバーグとか、ネチョネチョしてダメらしいです。パフェとか冷たすぎてダメらしいです。まさかパフェは味が散らかってるとか言われると思いませんでした。お店の良し悪しじゃなく、食べ物の存在として否定されてました。なお、一番美味しいと言ったのは・・・紅茶でした。しかも自動販売機のアールグレイの紅茶。えっ、それってもしかして午後の・・・?



終盤では太地がソルに恋心的なものが芽生えそうになっていました。異星間での異性関係は成り立つんでしょうか。何かこの作品のことだから、ソルは男でしたとかいうオチを持ってきそうで怖いです。太地の心がこれ以上折れるとどうなるんでしょう・・・。怖い。
まるで花さか天使が才能の種を持ってきそうな作品です。天使じゃなくて宇宙人が来ちゃいましたけどね。なお、背帯文にも書いてありますが、アニメ化希望だそうです。・・・でしょうね!だいたいの作品がそうだと思いますよ>□< ねらったギャグのレベルも高く、シュールなグレイもとても印象的な作品です。午後のティータイムのお供にどうぞ。