強すぎる女性たち(ゝω・)vキャピ「鉄風・第5巻」



屈折した性格の少女・石堂夏央

good!アフタヌーンで連載中の鉄風の5巻が出ました。作者は四季賞出身の漫画家さんの中でも大好きな漫画家さんの1人でもある太田モアレ先生。いまだに過去の四季賞作品を引っ張り出して読みたくなる程の才能です。1つ問題があるとすれば、隔月誌のグフタでしか見ることがなかなかないということでしょうか。もっと見たいんですけどね〜。ぬぬぬぬぬ。
ところで、「鉄風」というタイトルにどんなイメージを持つでしょうか。見た目通り、あまり爽やかな風のイメージではないですよね。鉄の風・・・ですか(←磁石にくっつきそうだなぁとか思った)。女性メインの作品なのに、本来あるべき華やかさが全然ないという。総合格闘技を舞台にした、少し殺伐としたプライドとプライドのぶつかり合いになっています。


主人公は石堂夏央。かなり性格が歪んでいます。頑張る若者が本来持つべき”何か”が足りません。師匠曰く「ポジティブにネガティブ」だそうです。頑張る=対価を得ることが当然であり、頑張っていない、才能だけでなんとかしている自分が対価を得るなんておかしい・・・と思っている少女。それでいてプライドが高い。嬉しそうな笑顔をしているもう一人の主人公・馬渡ゆず子に猛烈な嫉妬をしている。・・・よく分からないと思いますが、色々と複雑なようです。





勝って残念・石堂夏央

とはいえ、実際問題かなり強いんですよ。同門のライバルを蹴散らして参加した女子総合格闘技大会1回戦を圧倒的なセンスで勝利。相手も本当はかなりの実力者なんですよ。どれだけ強いか、そんな相手にどうやって勝ったか、そしてどれだけ夏央が屈折しているかを是非是非読んでもらいたい。夏央の対戦相手もかなり煽って描かれていたんですけど、苦戦するんじゃないかな〜と思っていた相手を・・・。

はっきり言ってしまえば楽勝でした。そんな勝利に素直に喜ばないのが夏央という少女なんですよね。だが、そこがいい!!
「歪んでいる」「素直じゃない」「素直じゃない」「傲慢」・・・etc。これに初戦という舞台でまったく緊張していない「図太さ」。こういったものが夏央を形成しています。これが主人公だというのだから変わった作品ですよ、ホント。





僕っ子・我如古さん

ところで、この作品で一番好きなキャラを聞かれたら、とりあえず我如古さんを挙げています。とりあえずというと失礼ですが、この作品で一番残念な少女です。中途半端に強く、夏央に負けまくっています。夏央さんは彼女の努力と気持ちを一刀両断してくれています。ああ、かわいそう(棒)
重要なのは僕っ子なところでしょうか。本当は僕っ子なのに、それを隠しているのもGOOD。空手部の先輩で、夏央に恨みを持ちつつ大会に出場している沢村早苗のことが大好きな変態さんです。仮に早苗より強ければ、寝込みを襲っているに違いない(←酷い

なお、件の早苗先輩ですが、かなり強いです。伝統派空手を操り、作品が作品なら主人公でもおかしくない強さです。これが小日向なら真っ先に主役だったでしょうね。夏央への私怨が強く、この大会でも面白い存在ですね。正直に言えば、我如古さんを紹介するくらいなら早苗さんを紹介しろよって怒られるレベルです。まぁ、しょうがないじゃない。





ド本命のもう1人の主人公・馬渡ゆず子

そして、夏央が追いかける存在である馬渡ゆず子も登場。現在のところ、「変態→早苗→夏央→ゆず子」の順番で相手を追いかけています。夏央がゆず子を見る目は初恋そのものです。しかし、時折見せる怒りや憎しみに似た目線も気になるところ。そもそも「充実している人間を許さない」「あの子の笑顔潰してあげよう」という本当に主人公なのか分からない言葉からゆず子を追いかけている夏央。よく分からない関係性です。
一方で追いかけられているゆず子自身はあまり気にしていないようで。むしろ楽しんでいるような節すらあります。まじめで努力家。絶対に練習をサボらない熱血主人公のような存在、それが馬渡ゆず子です。友人からは「真っ直ぐすぎて逆に歪んでいる」と言われています。夏央が「歪みながら真っ直ぐ」なのと似ているような気もしますが・・・。
この二人が戦うためにはまだちょっと試合がありますが、今年中に読めるのか。それだけが心配です。




この作品が女子格の大会に入ってから、とても好きな点があります。それは登場人物の女性陣がとてもプライドの高いところ。そして、そのプライドをぶっ潰していく夏央とゆず子という構図。これが絶妙に楽しい?嬉しい?よく分からない部分で爽快感があります。この感想が歪んでいないことを祈りたいところですが・・・。え、皆そうでしょ?




夏央の過去も気になる。ゆず子の性格がずれていて気になる。少女同士の戦いの結末も気になる。そしてそれを見守る大人たちも色んな意味で恐ろしくて気になる。気になることばっかりですが、読んでみてほしい作品です。しかし、一番気になるのは”タイトルに眉毛ネタが多すぎる”ということでしょうか。この作品ほど各話タイトルへの執着がない作品も珍しいです。一味違う作品に出合いたいという方は是非どうぞ。面白いです。