約束を守る男の魔法の言葉”ケーキ1切れ分”「宇宙兄弟」

実はリアルのお仕事で鉄道関係のことをやっています。だからといって鉄道好きなのか?と言わればそれほどでもない人間です。もちろん車掌とかそんな仕事ではない、ただの社畜をやっています。
あくまでも仕事としての対象が鉄道というだけ・・・ではあるんですが、やはりどうしても鉄道の話題には興味はあります。例えばモーニングで連載している「カレチ」なんかは楽しく読んでいますよ。



国鉄っぽい(笑)

国鉄がJRへと移行したのが小さい頃だったので、国鉄としての思い出は全然ありません。ただ、お役所仕事すぎてサービスが悪いというのはよく聞いています。今はいいのかと言われると・・・まぁ、いいんじゃないですかね?色々と言われたりもしていますが、世界を見渡してもこれほどの民間鉄道はないですよ。規模や黒字であることに関しては自慢していいレベルでしょう。
そんな中でもカレチは国鉄時代のいい話が詰まっていますね。本当なのか疑いたくなるレベル。使った画像では、THE国鉄といった雰囲気のある固いお話でしたが、全体を通してみると昔ながらの職人気質な人間だらけです。そしてとても人間くさい。鉄道の人情ある話に興味のある方は是非どうぞ。




さて、その同じモーニングに連載している宇宙兄弟ですが、最新13巻は本当に素晴らしいお話ばかりでした。
大半はムッタとデニール・ヤング(通称:ヤンじい)の飛行機訓練です。ヤンじいといえば、ヒビトが月に行った時にムッタを特等席に連れて行ったパワフルじいさん。かなりのスピード狂であり、それによってムッタもいくらかスピードに慣れていました。ただ、これが飛行機となると・・・とんでもないレベルでスピード狂だったという。



あの人にそっくり

丸いサングラスに赤色の機体と言われれば、どちらかといえばマクロス7熱気バサラを思い出す方です。もちろんヤンじいの体型なら飛べないブーさんですが・・・。
飛行機操縦はスピードが出るだけで大変なのに、細かな操作に加えてヤンじいからのジョークや質問が飛び交います。コロコロムッタもこれには参るほど。ただ、ムッタの場合は集中しようと思って集中するタイプじゃないよなぁと。”いつの間にか”集中していたりすることが多いように思います。
また、ヤンじいのやり方、つまり最初から多くの情報量を与えて慣れさせるやり方は一理あるなと思うんですよ。仕事もそうですが、最初に苦労したほうが後々やりやすくなる気がします。そうしていくうちに周りにも認められ、ますます社畜になるわけです。


この漫画では結構「キーワード」を重要視しているように思います。デニール先生とは「心のノートと頭のノート」が印象付けられました。覚えておいたほうがいい内容は頭のノート。心に刻んでおいたほうがいいのは心のノートといったところでしょうか。



心のノート

頭のノートは誰でもムッタに教えてあげられるけど、心のノートはデニール先生でしか教えてやれない。そんな気がします。何でもいいですが、自分の先生が心のノートに書き込んでくれる先生だったら・・・きっと素敵な人生になるでしょうね。デニール・ヤング&ムッタの話は非常に良かったです。ムッタに対してやってあげられる最上級のことを与え、さらにはムッタで最後の花道を飾り・・・。自分もそうですが、皆さんにもそういった心ノート先生が現れてくれたらと思います。




そして13巻で忘れてはいけない言葉。



”It's a piece of cake”
この作品の台詞の1つ1つにロマンがある。そう思わされる言葉でした。もちろん心のノートという言葉も好きですが、この”1切れのケーキ”ムッタを奮い立たせる魔法の言葉です。


教えてくれたのはシャロン。ヤンじいが飛行機の先生であるとするなら、シャロンはムッタにとって人生の先生でした。



魔法の言葉

直訳だと「ケーキ1切れ分」ですが、実際には「楽勝だよ」という意味になります。ムッタが子供の頃に自分を蔑む言葉を教えてほしいと頼み、教えてもらった言葉です。全然ダメが楽勝になっています。これがシャロンの魔法。やれるのに半ば諦めくせのあるムッタを無理矢理にでも動かす魔法の言葉。魔法の言葉はあいさつだけじゃないんですよ(ぽぽぽーん的に


シャロンが教えたムッタを動かす言葉。それを今度は病気のシャロンに対して、どんな困難でも乗り越えるぞとばかりに気を使った「It's a piece of cake」。・・・熱い。かなり熱い。ここで使わずにいつ使うんだというところでやってくれるのが宇宙兄弟ですよね。この漫画・・・好きすぎる。


多分この本を読んだ後、誰もが「It's a piece of cake」と呟いたのでは?と思っています。少なくとも俺は何回も言いました。もし言ってない人は是非言ってみてください。これできる?と聞かれた時。やってみてと言われた時。辛いことでも苦しいことであっても。そうすればどんどん仕事がやってくるよ・・・社畜的にね(泣)。