ライバルの傑作少年漫画「エンマ」・・・ついに最終回へ

講談社の中で1番好きな雑誌は?」と聞かれて困ることはありません。断言します。それは月刊少年ライバルです。

小さい頃からコミックボンボンにお世話になりここまで大きくなりました。そのボンボンの流れを汲むライバルはとてもとても大事な雑誌です。さすがに一度は離れましたが、この自分を育てた雑誌が大好きです。いや、もう実際のところジャンプとかで育ってないっす。ボンボン・ライバル一択っす。

もちろん好きなだけで推すわけもなく、面白い漫画も当然あります。一番、本当の本当にライバルで一番好きな漫画が「エンマ」です。



エンマ

冥界に溢れて裁ききれなくなった死者を減らすべく、閻魔王が人間界に遣わした少女エンマ。彼女が毎回ターゲットとなる人間の命を奪い、後々に増大するであろう死者を減らします。しかし、よほどの快楽殺人者ではない限り何らかの理由があります。もちろんこの漫画ではそういった人間は扱いません。


例えば誰かのため、誰かを守るためにやってしまったことという人がほとんどです。

自分の好きな人を守るために戦争になっても、自分の尊厳を守るため、国を村を子供を守るため・・・。どの話を取っても複雑な気持ちになってしまいます。
自分の大切な人間を見殺しにしないと他の多くの人が死ぬとしたら?自分が死なないとより多くの人が死ななければなくなったら?あなたならどうしますか?確かにその人間が死なないと、多くの人が死ぬかもしれません。だけど、例えばよくある熱血漫画のように全部を救うことって本当に難しいことだと思います。

今のように平和な世の中ではそこまでの話はないでしょうが、過去にはきっとたくさんあったのだろうと思います。このエンマという作品では時代、場所、人間を選びません。それこそ未来にだって行きます。もし本当にエンマがいたらあの大きな戦争もなかったかもしれない??と思ってみたりしますが、全ては結果論なのかもしれません。




ちなみに、エンマは骨を抜いて人を殺めます。元々が紙人形ということもあり、めったなことでは死にません。よっぽど水に濡れたり、ボロボロにされることがなければ完璧に任務を遂行します。狙った獲物はけっして逃がしません。
なお、エンマが人の命を奪う場合閻魔王のお情け」というものがあります。


閻魔王のお情け

閻魔王のお情けとはエンマが骨を引き抜く時にどうしても残ってしまう骨のことを言い、「その人を想っていてくれた人間の数」だけ残ります。
この閻魔王のお情けが切ないんだあ。
死ななければいけない・・・という時点でグッとくるのに、その人を想っていてくれた人間がいるというのが本当に切ない。誰だって死にたくないし、死ななければいけないのは辛いんですが、その中でも想っていてくれる人がいるなんて・・・。あーもう、俺が骨を抜かれる立場になったらいくつ残るんだろうね。


全部で現在のところ7巻まで出ているんですが、前半は上述の通りの内容。後半はちょっと変わってきます。人が死ぬ理由を自問自答するようになるエンマが、最初の頃の人形から人間のような感情を持ち始めるようになります。
閻魔王からの命令で各地を周り、大勢の人を救うべく人を殺めるエンマ。自分がやったことは正しかったのか?本当にそれでよかったのか?そんな様々なテーマが描かれています。人々の物語からエンマの物語へ―。



そしてそして、今月のライバルでついにエンマが最終回を迎えました。



エンマ・・・感動の最終回

最終回だけ知って何が面白いんだ!!ということで、内容は伏せますね。最初から最後まで読んでの「エンマ」です。
自分としては「これでよかったのか?」という感想がないわけでもありません。悪い意味ではなくて、こういう結末になったか・・・という少し寂しいものですね。ただ、最後にエンマが笑顔だったというだけでも、いい終わり方だったなと思うわけです。
多分、巷で可愛いと言われているどのキャラよりも俺はエンマが可愛いと思うのです。親バカな発言で申し訳ないですが、エンマが一番可愛い!!


最終回はどの漫画にも来ますが、ヘタな引き伸ばしをせず、とても素直に終わってくれた傑作でした。ライバルで読めなくなるのが寂しいですが、まずは最終巻を待ってから色々と噛み締めたいと思います。くっそー、目から汗が・・・。

本当にいい作品なので、最終巻が出るまでに集めて読まれることをオススメします!




この作品が俺にとってのこの漫画がすごいです。