オトコでも読める少女物語「からん&王狩」

サッカーブログでおなじみ(?)の無駄話ですが、実は昔、柔道をやっていたという事実は知られていません。・・・・当たり前ですが。
痛いのが大っっっ嫌いなのによくもまあ続けたなと思います。ちなみに小学校でやめました。さすがに続けていたらどうなったていたか・・・とは思いませんね。だって痛かったんだもん(´;ω;`)

もちろん漫画としては色々読んでます。最近のオススメはアフタヌーンで連載中の「からん」ですね。




京都を舞台にした柔道少女たちの物語です。いまだに神戸在住巨娘→からんという木村紺作品の流れに驚きを隠せません。絵柄や作風が成長しているというよりも、違った面をどんどん出している気がします。3作品とも面白いのでそれもそれで不思議です。

望月女学院高校という女子高に入学した主人公の高瀬雅からの視点で物語が進みますが、主人公からしてなかなかの曲者です。柔道部で何かをやろうとしていますが、全容は明らかにしていません。そもそも理事長からの頼まれごとのようで、その理事長が目をかけている九条京大石萌のお目付け役っぽいということだけは分かります。
九条京は舞妓の修行中の身であり高瀬と同じく1年生。小さいけど身体能力が高く、頭もよく、だけど頑固者。京としては最近始めた柔道に興味津々のようですが、周囲が舞妓としての役目を期待しており、高校1年という年頃ながら難しい環境に置かれています。学校での描写は、高瀬のアシストもありとても楽しそうにしていますが、それ以外はちょっと不憫に見える時もあります。

一方の大石萌は・・・・実に豪快。三国志の時代なら呂布との一騎打ちでも勝てるんじゃないかというくらいの豪傑。全国でもトップクラスの選手で完全なパワータイプ。ちなみに萌という名前はめぐみと読みます。これもある種の萌えの形ですよ(違



ブッ飛べ!!

萌ぃぃぃぃ!!!
ちなみに分かりづらいかもしれませんが、左の背負いにいく左足を出す⇒左足を軸にして逆時計回り⇒無理矢理、袖釣り込み腰という大技でした。理屈では分かるんですけど、やる方もすごすぎです。袖釣りを仕込んだ後の「ブッ飛べ」がマジでかっこいい。からんは大石を見て楽しむ漫画です。
5巻ではそんな大石ですら全国大会で負けたという話が出てきました。バケモノが全国にはまだまだいるんですねぇ。そういえば政治家になった某女性柔道家も大石と同じく48kgでしたっけ。彼女は引退しましたが、日本の48kgは大石のおかげでまだまだ安泰です。*1

アフタ最新号では、スール制度のように手取り足取りな物語が展開され、百合百合だったり、好きな人をめぐっての争いが繰り広げられてます。*2柔道に興味がなくても面白いと思いますよー。


女子の闘いって男が読んでても(見ても)面白いですよね。逆に恋愛が重要視(?)される少女漫画と違って、少年漫画や青年漫画で描かれる少女の物語というところに趣があります。からんや、同じくアフタ連載の武士道16のようにスポーツ漫画もいいですが、それ以外でも面白い漫画はたくさんあります。頭脳勝負という意味では、イブニング連載の「王狩」がお気に入りです。




王を狩る・・・というのはまさに将棋ですね。狩るというよりは追い詰めるというイメージですが、将棋を大きな草原と捉え、相手の王を狩るのが将棋だというのがこの漫画のテーマです。
将棋というのは、確かに小さな盤上では数多くの指し手が存在しどこまでも先が見えません。多くの人はその草原で遊び楽しむわけですが、一部の人間が本気になり遠くに見える山を目指します。目指すとその草原は泥沼となっていき、それでもその本気の人間が遠い遠い頂を目指します。
冒頭からそんな説明が入るんですが、要は棋士を目指す奨励会の少年少女のお話です。主人公はそんな少年少女の中の1人・久世杏。絶対記憶という特殊能力を持ち、一度何気なく見た景色をまるで写真のように思い出します。記憶力がすごい!とも言えますが、これが将棋の強さに直結しないのがこの競技の面白いところでしょうか。先を読む能力がものを言うだけに、杏最強!とまではいきません。もちろん記憶力のよさも強みになるので、同年代ではトップクラスです。

ただ遊ぶだけの将棋ならいいですが、本気で相手の王を狩る将棋に身を置くとなれば話は別です。小さい頃から自分の進路が決まるわけですから。
奨励会には年齢制限があり、26歳までにプロにならないと退会するという規定があります。ほんの一握りしかなれないプロになるため、子供の頃から相手を倒していかなければなりません。というか、そもそも女性で上まで行った人っていないんですよね・・・。*3




しおんの王でもそうでしたが、この漫画でも女性を使って将棋界を盛り上げようとする部分が垣間見えます。しおんではプロアマ・男女不問のトーナメントを開催しましたけど、この作品では奨励会の突破までをも目論んでます。
ちょっと性格の悪いライバルの綿貫や未登場の石川といった女の子たちを杏に当てて・・・という感じなんですけど、それでも「将棋界を盛り上げる」という目的は嫌いではないです。特に名勝負に見られる「美しい一手」を知らしめたいというのがいいですね。将棋は本当に見る人を選ぶと思います。これはすごい!と全員が思えるわけではないですから・・・。ちなみに俺も全然分かりませんw 
そのために将棋を有名にしたい⇒女の子を使おうという発想なんですけど、わりと結果が伴うのに時間がかかりそうな気がします。現実世界でも、羽生さんの時ですら一過性でしたしね。某碁の漫画のように、この漫画から将棋をやる人が増えたら!?とか思ったんですが、もっと遠いことに気付きました。


このまま奨励会突破までを描くのか、もしくは数年後・・という流れもできるな〜と読んでて思いましたが、何にせよ女の子が活躍するのっていいですよね。



*1:実際に人材が豊富です。

*2:だいたい嘘ですが

*3:女流棋士とは違います