講談社が誇る論理的にも面白い漫画2作品「Q.E.D.証明終了&論理少女」

講談社はまーーーーーーー本当に雑誌の数が多くて困りますね。いい加減、全てを追いきるのは難しいなとちょっと思ってたりします。そもそも本屋に置いてないことだってありますからね・・・。一般の人から見ると、特にマガジンイーノ月刊少年シリウスあたりが謎かもしれません。
どちらの雑誌も別の雑誌が生まれ変わったものです。イーノは色々と混ざってますが母体はマガジンGREATシリウスヤングマガジンアッパーズの終了の流れから生まれています。この中ではアッパーズ休刊は衝撃的な話題になるほどそこそこ有名でした。しかし、他のイーノ、シリウス、マガグレはぶっちゃけ無名ですね。


無名雑誌・・・か。無名ですけど面白い漫画は多いです。講談社押しのブログということもありますが、結構面白いですよ。
例えば最近有名になったホームセンターてんこなんかはイーノで連載しています。さよならフットボールもイーノで・・って連載が終わった作品ばかりで申し訳ない。シリウスではアニメ化もした夜桜四重奏怪物王女まじもじるるもなんかは漫画読みの人気も高い作品です。
読む機会がないというのは非常に大きいですが、たまにでも手にとってみると面白いかもしれませんよ。



なお、俺のオススメですが、シリウス「論理少女」は結構面白いと思います。



いつき可愛いよ、いつき。

その場でゲームを作って出し合う「津隠問答」が全てを決める街に引っ越してきた少年と、天才少女・芝いつきの頭を悩ませるお話です。ちょっとしたクイズ漫画だと思ったら大違いで、結構頭を悩ませてくれます。読んでて自力で解けない部分も多いですが、なるほどねえと唸ること間違いなしです。




全てを決めるデスゲーム「津隠問答」

この津隠問答はかなり効力が大きく、例えば「掃除当番を代わってくれ→津隠問答で勝負な」ということになります。中にはお金を取るために悪用する人間もいますが、生徒会長をやっている論理少女の芝いつきがそれを許しません。もちろん懲らしめるのも津隠問答。ちなみに、タイトルにもなっている論理少女というのは、いつきの口癖「論理的に」というセリフからです。
1巻では悪者退治、2巻では津隠レース(学校主催の赤点救済レース)、3巻ではお宝探し、一番新しい4巻では文化祭をやっています。どれもこれも難問ばかりで面白いです。
子供っぽい絵だと思われますが、逆にこのくらいの絵の方が作品内容的に可愛く見えます。時折、ギャグも混ざって、子供向けながら大人でも楽しめる内容だと思います。メインキャラが10人くらいいるんですが、全員個性があるのも◎。




せっかくなので2つほど問題を紹介。あまり単発で紹介できそうなのがないので、数字系と絵系の問題です。上の方は同じ文字に同じ数字が入るので全て埋めてください。正解は単行本で・・・。




シリウスの頭悩まし系が論理少女だとすると、イーノはQ.E.D.でしょうか。
Q.E.D.という漫画を知らなくても、数学を知っていれば名前の由来は分かりますよね。証明終了という意味になりますが、例えば金田一少年での「犯人はこの中にいる」のようにこれから答えを出すよ!という合図としてこの作品で使用されています。



Q.E.D.は答えの合図

実はドラマ化までしているイーノ(マガグレ)の超出世作です。NHKモー娘。高橋愛がヒロインの水原可奈として出ていました。さらに37巻まで出ているというかなりの長期連載作品です。
この作品の特徴は人がほとんど死なないことです。殺人事件の割合が半分もないのでは?*1と思うくらい。主に数学の知識が出てくる話が俺の好みですが、ちょっとした悪戯のような事件でも論理的に主人公の燈馬想が解決します。なお、この燈馬君ですが・・・MIT帰りの天才少年です。
アメリカの大学を卒業して(実際にはしなかった)、わざわざ日本の高校に入りなおして青春を謳歌中・・・ですが、事件ばかりで謳歌しきれてるかは謎。20巻くらいまではわりと「普通の少年の生活」にスポットが当てられてましたが、最近では安定して推理をやっていますねえ。あと、絵が格段に上手くなってきてます。1巻と最新37巻を比べてみると・・・。


1話完結で、回答への導きも非常に論理的。先にも書きましたが、時折混ぜる数学系統の話は面白いです。




37巻で出てきた話題ですが、「23人いれば同じ誕生日の人が50%を超える」そうです。確率論ですが、知らない人にはビックリな話ですね。


論理少女もそうなんですが、原作が付いていないんですよね。論理少女ではつじ要先生のみ。Q.E.D.では加藤元浩先生のみです。しかも、加藤先生に至っては月マガで同じ世界の別物語C.M.B.を連載中です。どちらも練っている作品なので、考えるのも絵を描くのも大変です。その分、絵を使ってのトリックが作りやすい??と推察してみたり。
ドラマ化よりもアニメ化すればいいのに・・・と思っているんですけど、なかなか実現しませんね。で、そんなことを思っていたら、Q.E.D.でアニメ原画のお話が入っていました。




大事な大事なアニメの原画が水に濡れてダメになるんですが、それをやったのがバリバリ働く有能な作画監督でした。まぁ、実際には責任を取っただけ&自分がやったように見せかけただけ。本当は全てに疲れて事故を自分の落ち度として逃避した・・・という切ないお話でした。
作中にも描かれていますが、業界としても大変らしいです。作業時間、お給料を考えると相当割に合わない仕事です。そういった部分を描いたということは、まるで「そこまでしてQ.E.D.のアニメ化は望まないよ」と言いたかったように思えてきます。まぁ、考えすぎでしょうが・・・。




漫画を読むのに頭を使いたくないという気持ちも多分にありますが、たまーに簡単な頭の体操ができる話を読んでみるのもいいですよ。ドラマの様にゴチャゴチャした物語ではなく、非常にシンプルに物語を作っていてサックリと、且つ、深〜く考えてしまう部分が多い漫画です。もちろん2作品共ね。
途中から入ることも難しくないので、雑誌で一度読んでみるのもいいかなと思います。秋の夜長にゆっくりと、冬の暖かい部屋でぬくぬくと読んでみてはいかがでしょうか。
人知れず本当に面白い作品です。



*1:未確認です