モンタージュ写真の無機質さが一番不気味に見えるよね・・・「モンタージュ」




・・・・・・・怖っ。
昭和史に残る事件の中でも有名な三億円事件にスポットを当てた漫画が週刊ヤングマガジンでやっています。作者は渡辺潤先生で、タイトルはその名も「モンタージュ」
三億円事件といえばテレビスペシャルでたまーに取り上げられる程度の知識しかないんですが、それはもちろん生まれる前の事件だからというのが大きいです。だって1968年ですよ?40代でも覚えている人って限られると思います。俺の記憶(1983年生まれ)でもオウムの事件が強く印象に残っている程度です。
しかし、そんな俺でも三億円事件はとてもインパクトのある事件です。もちろん盗られた金額の大きさもそうなんですけど、むしろモンタージュ写真のインパクトが強いです。いや、もう・・・怖いわ。


このモンタージュという作品は三億円事件の犯人が主人公・大和の父だと告げられるところから始まります。




父親が犯人だったと聞かされる、しかも血みどろのおっさんに衝撃的なことを言われる主人公の大和。そして一緒にいた幼馴染の未来。
何故死にそうなのか、誰にやられたのか。それすらも分からない状態でこのおっさんは息を引き取ります。そして大和の父親三億円事件の犯人―もその日に・・・死んでしまいます。子供ながらに衝撃的な出来事ばかりで天涯孤独となった大和。この後、父親が残したメモが発端となってとんでもない出来事に巻き込まれていきます。


サスペンスものとして現実の事件を取り扱っている点、犯人を中心とした物語の展開、誰も信じれない状況・・・。まだ1巻ではあるんですが、先がすっげー楽しみな漫画です。
父親がまるで大和のために残したようなメモ・証拠の数々。そしてそれを未来の父親が発見してから、全ての歯車が狂ってしまいます。軍艦島に消えた未来の両親とそれを探しに行くことになった大和たちが、指名手配されるまでを1巻では描いています・・・。




現在気になる点ですが・・・
・最初のおっさんを殺したのは誰なのか。
・大和の父親が本当に三億円事件の犯人なのか。また、誰が殺したのか。
・大和の父親が残したメモを見た未来の両親たちはどうしたのか。
・泰成さんは敵か味方か。
・どうしてお金を軍艦島に隠したのか。
・見つけたお金についていた血痕は一体・・。
ぶっちゃけ大和の父親とモンタージュ写真がそれほど似ていない気がするんですけど、何か理由はあるのでしょうかね。まだまだ伏線を探したら出てきそうな気がしますが、それは2巻以降ということで・・・。



こういった伏線の回収は漫画の醍醐味だと思いますが、あまり広げすぎて困るのは作者および読者なわけで。さらに、まるで本当に三億円事件に迫るような流れになるともう大変でしょうね。俺としては、三億円事件に本格的に迫るのはボチボチにして、新しく起こっている事件で読ませてほしいなぁ・・と思っています。列島縦断クライムサスペンスと呼ぶに相応しい展開を期待しています。
謎が謎を呼ぶ展開に、本当に誰も信じれない展開に・・・。そんなサスペンス漫画になってほしいなぁと思いますが、何にせよ一番怖いのはモンタージュ写真ということだけは気まりです。