ちはやふるのブレない姿勢はやっぱり素晴らしい

2010年もあと少しになってきましたが、きっと今年のこのマンガがすごいもちはやふるは上位に来るんだろうなぁと勝手に予想しています。面白くない回がない、感動させられない話がない、それでいてガチ泣きさせられる・・・。まさに最強です。
ちはやふるの感想を書くときには毎回言っていますが、本当に漫画の神様というのがいるのならこの出会いに感謝したい。ちはやふるという作品を読ませてくれてありがとうと言いたい。




しかし、ついに10巻ですよ。1巻での新というかるた少年の出会いからここまで来ましたよ。正直、あっという間でしたね。
さて、今回は新人と部長・太一が大活躍でした。特に新人・・・・嵐を呼ぶ新人の2人が初めての試合に臨みました。一人は筑波くん。もう一人は菫ちゃん。筑波くんは下の句かるたをやっていたんですが、少しプライドが高く見栄を張ってしまう少年で、菫ちゃんは太一が大好きだという理由でかるた部に残った少女です。やる気がありすぎるのも問題。やる気がなさすぎるのも問題。この2人に他のかるた部員は少し引き気味でした・・・。
それでも、強くなりたいという気持ち、かるたをやってみようという気持ちが2人をかるた部に残しました。若い時期に真剣に取り組んだものがあるってのは大切ですよ。結果的には実力不足ではありましたが、まだ初めたばかりなところもあるので本当にこれからです。


そして、10巻の主人公だったと言っても過言ではない太一。



苦悩する部長

俺は本当に真島太一というキャラクターを尊敬しています。
かるたを本気で始めたのは千早が目的でした・・・が、今では瑞沢高校を率いる部長です。しかもとびっきりの部長肌。部で困ったことがあれば、まず太一に相談、そして決定。試合でも周囲に常に目を配り、声をかける。場合によっては自らの勝利でチームを引っ張ります。しかし、今回はそんな太一の真面目な部分をつけこまれてしまい、ピンチに陥ります。
個人戦団体戦団体戦個人戦
その言葉に周囲に気を配るだけではなく皆も勝つと信じて自分の勝利に突き進むことを学び、試合にも勝利しました。


太一の強みはその努力にあります。しかも全ての札を暗記しているのは当然ながら、試合中に読まれた札を覚えきっているという・・・。チームのメンバーからも、相手チームからもさすがにそこまで覚えているのは・・・と呆れられつつも尊敬されている存在です。(実際にかるたをしている人の中に似たタイプはいるんでしょうが、大変そうですよね。)
また、その努力が故に自分が勝ちきれないという部分に納得できていないところもあったりします。かるたという才能を千早や新に見せ付けられ、A級になれない自分を歯がゆく思う日々・・・。


無駄な努力なんてない。結果がついてこない努力なんてあってほしくない。


太一もきっとこう思っていたと思います。ちなみに俺も同じように思っています。ガンバリスト駿で内田が「努力した人間が金メダルを取って、その3倍努力した奴が次に金メダルを取るんだ。」という旨の言葉を残しています。こういう気持ちって本当に大切ですよね。



太一は皆を支える存在です。じゃあその太一を支えてあげられる人は?


・・・それもやっぱり太一の周りにいる皆しかいません。太一が試合中一人一人に励ましの言葉をかけるシーンが好きです。ただ、そんな太一のために心配し、暑そうな太一のために皆がタオルを投げ入れるシーンはもっと好きです。



この漫画の面白さは千早の凄みにあると思います。しかし、最も重要な部分って「皆でかるたをやる」ってところなんですよね。それは1巻から変わっていません。千早、新、太一の3人で頑張って戦った団体戦が最初であり、この漫画の全てなんだと思います。
千早は3人でやって楽しかったと言いました。そこから高校で太一と部を立ち上げました。団体戦に出られるだけの人数を集めました。新人が入って全員にかるたの楽しさを教えようとしました。下手な子も一緒に頑張ろうとさせました。自らの練習が疎かになってでも皆を意識してました。これがちはやふるの原点なんだと思わされます。


遠くに行ってしまった新。独特すぎる存在の千早。オリジナルの3人の中でやっぱりまとめられるのは太一かなぁと最近は思います。そういう意味で、皆でという千早の想いを叶えられるのは太一だけでしょう。そんな太一には新や千早と肩を並べてほしいわけです。残りの時間を全てかけて追いついてほしいわけです。そして・・・皆で勝ってほしいのです。