最近のスマッシュ!に思う恋愛とスポーツの境目

最近のスマッシュ!が面白い!!という声が各所からちらほらと聞かれます。それは奇しくも優飛の登場回数が減った時からだと俺は確信してます。優飛というのはスマッシュ!の中ではメインヒロインであり、絶対的な象徴です。



「優飛なくしてスマッシュ!なし。」



そんな優飛がいなくなってから面白くなったというのはどういうことか??
今回はそこについて色々と書きたいと思います。



スマッシュ!の連載当初は恋愛パートとスポーツパートのバランスが悪いと言われていました。それについては否定する気もありませんし、確かにやまとの羽根と比べてみてもその傾向は明らかでした。週刊少年マガジンという雑誌での連載ということを考えて、咲先生が恋愛要素を多めにしたんだと思います。そういった背景を考えれば、「優飛がいない→スポーツパートが増える」の流れは必然であり、やまと時代よろしくバドの熱さを伝える漫画になりつつあるわけです。



これで話が終了・・・というわけではありません。



実はこの「優飛をいなくする」という手法に咲先生のほどこした巧妙なトリックがあります。スポーツ漫画に必要なものといえば越えなければいけない壁です。壁とはいってもライバル個人であったり、チームであったり、タイトル・・等々あります。1人であっても、仲間と一緒であったとしても、乗り越える目標があってこそのスポーツ漫画です。追いつくのが難しければ難しいほど展開は燃え上がり・・・・、面白くなっていきます。



翔太がバドを頑張る理由は何か??それは優飛のため。そして、一緒にバドをしたかったというのが最初の動機。しかし、優飛がいなくなった今では優飛に追いつくことが翔太の力になっています。で、俺はこれこそが恋愛とスポーツを両立させた咲トリックの正体だと思うわけで。



実は強いチームに行かせることで優飛を「越えられない壁」に設定したわけです。しかし、翔太と優飛は対戦することができないどころか、恋人同士で戦う展開をスポーツ漫画で生み出すのは難しいわけで。そんな翔太はどうやれば優飛を越えられるか???
答えは簡単。優飛にいるポジションまで駆け上がるしかないわけですよ!!!そうすることによって、優飛のために勝ち続けなきゃいけないスポーツ的要素と、愛する人のためという恋愛要素がうまく絡み合うわけです。そう考えると、決してスポーツパートだけじゃなくなるわけです。読者にはスポーツパートの方が多いと見せかけといて、実のところ咲先生的には優飛との恋愛部分は消滅してないということになっています。


ちなみに、やまとの羽根では沢本という壁を設けることによってスポーツパートを魅せていました。スマッシュ!では上記の方法で読者も咲先生も満足させています。スポーツパートを重要視している俺としても今のような内容の方が楽しく読めて嬉しいです。というか万々歳??



こうやって書くと、エビーや亜南&美羽は恋愛じゃないか!!と言われかねませんが、俺の中であれは青春漫画の類だと思っています。翔太にとっての恋愛対象はいないし、強くなるための理由がありません。学生生活の一環です。というか、やはり主人公を中心にして話は回っていくべきであって、(優飛←{翔太)⇔エビー、美羽&亜南}の状況で( )は翔太の中の恋愛とバドの中での目標であり、{  }は翔太の中での学園生活を彩る内容です。常に優飛にベクトルが向かっているからこそできる芸当だと思います。



あくまで「強くなる理由」としての優飛であり、「愛する対象」としての優飛。そんな翔太を見て憧れる仲間達。恋する女子部。こうなってくると青春パートとのバランスが難しそうですが、俺は咲先生なら面白くしてくれると期待してます。



今週のマガジンの2話掲載を楽しみにしています。
小さな王国ながらエースとして認められた美和。翔太との擬似デートができると舞い上がるエビー。
今回のマクロ的な観点ではなく、ミクロ的に面白くなってきたスマッシュ!を是非是非よろしくお願いしマッシュ!
小学女児の気持ちになって待ちましょう。