泣ける一歩物語に心臓が止まりそう「はじめの一歩・特別総集編第2集」



新連載始めます

「はじめの一歩」の総集編を読んでいたら森川ジョージ先生の新連載が始まるというではありませんか!!!タイトルは「会いにくよ」。原作「上を向いて歩こう」という作品を森川先生が絵を描きます。どうも7/4の週マガから2本連載でやるようで。
テーマは震災。もう・・・泣いてしまうイメージしか出てきません。全5話ということは、月刊誌レベルじゃないと1冊出せないかも???ちょっと気になるところですが・・・。

沢山の方から新連載への応援メッセージいただきました。ありがとうございます。昨年、福島県を中心に被災地に何度か行ってみて痛感したことがあります。再興まで何年かかるかわからない、自分達の問題でもあるぞ、と。自分に何かできることはないものかと模索していた今年の年始、この原作に出会いました。素晴らしい内容と体験者だけの本物の迫力がそこにはありました。デジキスなどでも素晴らしい作家さん達が伝える努力をしています。少年マガジンの作家、編集部一同も同じ想いです。全力を尽くさせていただきます。
一本連載を持ちながら同誌でもう一本という厚かましいことになってしまい少年マガジンで連載をしたい新人作家さん達にはとても申し訳なく思っています。短期連載です、少しだけ我慢して下さいね。読者の方々、どうかよろしくお願いします。

twitterでの森川先生のお言葉です。森川先生は知り合いの漫画家さんに声を掛けては、よく被災地に行っていました。そういう人だからこそ描けるものがあるのかな・・・と。そんな人だからこそ、むしろ描いてほしいな・・・と思います。非常に楽しみ。



で、それはそうと、総集編の方ですが”泣ける「はじめの一歩」”と題している通りの内容でした。母子、父子、親友、そして・・・。もうすぐ100巻を迎える長編作品の中から珠玉の物語を選んでいます。



一歩がボクシングをやめる・・・?

過去に一歩はボクシングをやめようとしています。ちょうど冴木と戦う前の話になりますね。一歩が千堂に勝ち、伊達に出会い、ボクシング選手としてこれからという時期でした。たった一人で一歩を育て、そこそこの年齢になりながらも重労働に耐えていた一歩の母。一歩も片手間ながら手伝っていましたが、ついに過労で倒れてしまいました。
どこぞのお笑い芸人ではありませんが、親の面倒って見なきゃいけないと思うんですよ。特に一歩なんて優しさの塊じゃないですか。大好きな、自分を変えてくれたボクシングをやめるか否かを悩む一歩の姿が非常に泣かせます。それを助けてくれたのが、元イジメっ子の梅沢。


ボク達は親友だ

一歩の窮地に一歩の家を手助けしてくれた梅沢。そんな梅沢が漫画家を本格的に目指して釣り船屋を離れるところも描かれています。一歩が母親のためにボクシングを諦めようとした母子の物語と、一歩と梅沢という親友の物語。幕の内家を救い、一歩のボクシングを守った親友の物語。これもいい話なんですよねぇ。
心の中で何度も梅沢に「ありがとう」と言う一歩と、ケジメをつけるために一歩の母親にイジメていた事実を伝えようとする梅沢。昔はイジメる側とイジメられる側だった二人がボクシングを通して素敵な友情を築いています。とにかく梅沢話はかなりいい。





メインは伊達話

泣ける話〜ということで、まさかのメイン話が伊達でした。確かに伊達のリカルド・マルチネス戦はいいですよね。悲哀に満ちたこの世界戦は一歩史に残る名勝負でした。
伊達がメキシコに置いてきたままになっていた魂を取り戻し、最強の王者に血まみれになりながら挑む姿に目を逸らさない家族。アゴが砕けて血だらけのマウスピースを両手で持ってくる奥さんの姿は泣ける。伊達という男がリカルドに勝てなかった象徴となる二発のハートブレイクショットも泣ける。一歩が伊達に負けた試合を見て読者は壁の大きさに驚かされました。そして、その壁ですら簡単に負けてしまうというのは、はじめの一歩の根幹を揺るがす出来事だったと思います。この試合には色んなものが詰まってましたね・・・。


今のボクじゃ勝てない・・・

そして今の一歩に至ります。伊達からもらったバトンを持って世界に挑む・・・んでしょうけ。なお、物語的にもそろそろのようですが、宮田との因縁もありますからどうやって描くかは期待したいところ。というか、一歩以外まで描いてたらあと何巻必要になるんでしょう。森川先生の無理のない範囲で頑張ってほしいものです。




最近は週マガの軸となる多くの作品が終了し、森川先生にかかる期待は大きくなります。まずは一歩。そして、来月からの短期連載も期待したいですね。どちらも珠玉の泣ける物語となるのを楽しみにしています。