このデブは奇跡「でぶせん・第2巻」



サイコメトラースピンオフ

気がつけば、ヤンマガ「でぶせん」GTOが連載しているわけです。「でぶせん」は「サイコメトラー」のスピンオフになります。まぁ、サイコメトラー自体が連載してたんですけど、現在は「でぶせん」をやっています。
なんというか、週刊少年マガジンの一時代を築いた2作品が別の雑誌にいるのって、結構不思議な気分です。まぁ、週マガ時代を知っている人が年齢的に読む雑誌がヤンマガだと思えばそう変な話でもないかもしれませんね。なんにせよ、さすがとしか言う他ないです。面白いです。


みっちゃん

サイコメトラー(正式にはEIJI)内でも準レギュラー状態だった福島満というキャラがいました。どこかカンニング竹山さんを思い出させるような顔をし、下品な男性の醜悪な部分を集めたような行動・性格・容姿をしていました。そんな彼の趣味が女装を含めたコスプレだったわけですよ。サイコメトラーでも福島満が女装をした姿、通称みっちゃんが大活躍するお話が多々ありました。
このスピンオフでは、そのみっちゃんを中心に、かなり凶暴な学校での先生生活を描いています。
で、そんなみっちゃんの特徴といえば、何故かラッキーが頻発するところ。某ジャンプのラッキーマン?もしくは、カメレオンのエーちゃん?と言いたくなるほど、危険が迫るとラッキーが起きるんですよ。本人は逃げるつもりでも、何故か問題を解決してしまっている・・・・。
1巻では凶暴なクマみたいな生徒を改心させてますし、2巻ではこれまた凶暴なイケメンを助けてます。まさか火事になった旧校舎に、“あんなこと”が理由で飛び込むなんて思うわけないじゃないですか。しかも、生徒が“みっちゃんが助けにきてくれた”とまさか勘違いするとは思わないじゃないですか。


とある女子生徒

2巻では他にも左手が義手の少女に介入しています。なお、義手の中にはナイフがついてます。・・・・・ナイフがついてます。
あれ、ここって日本・・・・だよね???←多分、日本


どうして義手になったか、そんな彼女をみっちゃんは助けることができたのか?そのあたりは3巻で描かれますが、とにかくこの学校・・・・おかしいですよ。まぁ、みっちゃんの初日ホームルームでは斧トラップとかありましたし、旧校舎の火事も持ち込みガソリンが影響してますし、校門でカバンチェックしてたら凶器が大量に見つかったりしてますし。個人的には、部活動の新人勧誘で毎年レ○プあるって話がすげーなと思いましたけど。学校側は合意かどうか、コンドーさんを配布するって対処法もぶっ飛んでいるなと思いました。




そもそもの話

そもそもの話ですけど、どうしてみっちゃんは学校の先生をやっているのか。ぶっちゃけた話、そっくりさんがいたんですよ。いや、そっくりどころか、瓜二つな人がいたんです。しかし、本物のみっちゃんは・・・・何者かによって殺され、樹海にポイされてたんですよ。それを見つけた福島満が、なんとなーくお金とか貴金属を拝借していたら・・・・・。
指にはめた指輪の呪いにより、福島満はみっちゃんとして動くことになります。しかも、かなり呪いめいてます。時折記憶をなくすみっちゃんの代わりに死んだほうが出てきたりします。オカルトめいてるなぁと思いつつ、そもそもの作品がサイコメトラーEIJIであると思うと何でもありだなと思ってみたり。


本当に先生?

ほとんどの生徒たちは、みっちゃんに迎合していきますが、中には一筋縄ではいかない人間もいます。現状、みっちゃんの正体を気にしているのは二人くらいですかね?彼らを納得させるのはなかなか難しいかもしれません。というか、福島満自身がかなり頭悪い(本人も自覚済み)ので、先生としての部分でバレるのじゃないかと思われ。芥川龍之介を“ちゃがわ”と読んでしまうくらいですからねぇ・・・・。まぁ、福島満が教科書を全てイジメっこに燃やされてたので仕方ないような気もしますが・・・・。


腕っぷしさえあればいい

ただ、みっちゃんのいる学校は、基本的に武力があればなんとかなる学校です。そこに指輪の呪いなのか、みっちゃんがそもそも持っているラッキーパワーなのかはわかりませんが、謎の説得力ある行動力によってクラスがまとまっていくわけです。解決方法と結果がGTOとカメレオンのハイブリッドな感じのする作品かな〜と思います。その中に、サイコメトラーEIJIで培ったギャグパートの力強さが光ります。



まぁ・・・・・笑っちゃうよね。





個人的には、もうちょいエロティックな部分があっても・・・・とは思ってます(願望)。あとはドラマ化でもしてもらって、カンニング竹山さんにでも主演してもらったら面白いのにとかも思ってます。そもそも、作中の学校を再現できるかは大いに謎ですが。
あと、某極道の先生をリスペクトしたのかな?と思う作品タイトルなんですけど、デブで先生だから「でぶせん」なんですよね。単行本にも煽りで入ってますが、変態で女装をしてて、二頭身なデブ。そんなキャラクターが主人公です。さすがにここまで卑屈な容姿をした主人公は思い出せませんよね。でも、そんなキャラクターだからこそ、不思議な奇跡たちで解決していく学校もの作品というのが面白いです。
そうそう。作中でもチラチラ描かれてますが、そもそも本物の方のみっちゃんは殺されているんですよ。誰に殺されたのかまでは明らかになっていません。個人的な予想はありますけどね。クラス内のいざこざ、クラス外からは殺される可能性もありつつ、女装がバレたら(人生的に)終了。綱渡りしまくりな作品ですけど、みっちゃんだし何とかするんだろうなぁとか楽観視してます。3巻以降も楽しみです。オススメ〜。