バターもとろける恋物語「BUTTER!!!・5巻」



男三人、表紙を飾る

1巻〜3巻は各ペアが表紙、4巻は女子メンバーで表紙、そして5巻は男子メンバーで表紙を飾ったBUTTER!!!。・・・華やかさが足りませんなぁ。そうなると6巻目は全員登場とかでしょうか??もしくは京介&理佐ペアとか?できれば青春を謳歌しているメンバーで表紙を飾ってもらいたいですが。
内容の話をすると、1巻〜4巻では1年生メンバー4人のお話がそれぞれ描かれていたように思います。そして、5巻では部長と副部長、つまり高岡くん&二宮さんペアの物語が急加速していました。刺々しいのかと思いきや、とてもとても胸焼けしそうな甘々な物語になっていました。何がいいって、高岡くんが二宮さんの奴隷ではなく、実は白馬の王子様だったこと。これはもう驚きというか、感動でしたわ。“お似合いのカップル”ってこういうことを言うんだろうなぁ・・・。



二宮さんは気まぐれ

5巻の主役は二宮さん。ダンスは上手いけど、ものすごく気まぐれな性格をしています。「ダメかもしれないことに尽くすことは不毛」だと言い切るあたり、性格がよく分かりますね。今更ながらよくダンス部って存続しているなぁと感心してしまいます。それもこれも高岡くんが尽力して、彼女が楽しめる場を維持しているからでしょう。
まぁ、そんな高岡くんにダンスを本気でやることを強要され大会に出ることに。頑張ることを頑張りたくない二宮さんからすれば、それはも〜イヤイヤやってたわけです。学園祭でも相当もめましたねぇ。というか、大会前の練習でもかなり・・・喧嘩してたりします。でも、良いコンビなんですよね。


「きみがスキなモノだもん」

大切なのは尽くすこと。高岡くんの二宮さんへの愛情はハンパないっす。二宮さんのご機嫌を伺いつつ、物事を決めてきた手腕には惚れ惚れしてしまいますな。確かにダンス歴でいえば二宮さんに劣るものの、二宮さんと始めたダンスにハマってしまい、リード役として成長しました。
そして、尽くすだけではなく、二宮さんを引っ張っていきます。二宮さんが苦手としていた父親に対し、背中を押してくれます。本当にちょっとしたことだったり、彼女が頑張ろうと思うことを支えてくれたり。色んなものが積み重なってニュー二宮さんを形作っていきます。というか、二宮さんが高岡くんの言うことだけはしっかりと聞いてくれるという事実。自由人に見えて高岡くんとのためにはあきらめていない事実。これってすごいことじゃないですか。
謝りたいけど謝れない件とかキュンとします。友達との会話の中で「高岡くんが付き合いたいと言ってきたら?」に対する回答とか、ニヤニヤしてしまいました。なんだかんだで乙女だから・・・って、あぁ、これが青春か。


二宮さん、生まれ変わる

何度でも言いたいんですけど、二宮さんという頑張らない人間(父親の言いなりが嫌だった)を変えたのは周囲の人間なんですよね。特に、高岡くんとの愛が二宮さんを変えました。自分の好きなダンスというジャンルを決してあきらめない。頑張って後悔することになっても、それはそれでOKという考えへ・・・。高岡くんに促されて勉強を始めた場面なんて、特徴的に二宮さんが変わったところでしょう。
その上で、決して一方的な愛情ではなく、お互いがお互いを想いあった結果があるというのが・・・ね。おじさん、妬けてしまうわけですよ。



ダンスが結んだ不思議な縁?

「一緒にいてくれて、ずっと楽しかった。」
高岡くんは、二宮さんが好きだと言ったダンスを選びました。当たり前ですが、もちろん二宮さんが好きだったから。そして、そんな高岡くんを二宮さんは好きになっていた・・・。ずっと尽くしてくれた高岡くんに対し、自分も好きだ・・・とまで言わなかったものの、ダンスホールの上で感謝の意を述べる二宮さん。ぶっちゃけ、あまりにもロマンティックなので、鼻血が出そうでしたよ。最上の言葉をもらえた高岡くんも大満足でしょう。


しかしまぁ、大会に出てからの二人がラヴラヴすぎてウザいかもww 一緒にいない時に、今までは言いたいことも言い合えなかった二宮さんの欲求が大暴走しているんですよねぇ・・・。電話でなんでもないことをお喋りしようって約束していました。・・・うん、とりあえず携帯会社に行って割引とか適用してきたほうがいいよ(アドバイス)。





一方の後輩たちは・・・

ちょっと目立っていませんでしたが、後輩4人も地味〜に頑張っていました。先輩二人を支えることを大前提として確認しあっています。本当は高岡くんたちに並んで大会の練習とかできればいいんですけどねぇ・・・。ただ、自分たちの実力を理解しつつ、サポートしようと決めあったのは立派だったかと。
仮に次の世代になった時、そこには高岡くんも二宮さんもいないわけで。彼らが次に“頑張る”ことを見せないと、部活が成り立たなくなってしまいます。場合によっては新入生が入部する可能性もあります。新入生が上手いか下手かは不明ですけど、立派に先輩をこなせるでしょうか。というか、そこまで描かれるかが謎だったりしますけど。




なんにせよ、全員が青春している5巻目となりました。何でしょうね・・・。こう・・・若い時期に持っているモヤモヤっとするエネルギーに、ベクトル(向く方向)を与えることができるだけですごいと想うんですよ。向かった矢印が何かにぶつかっても方向を変えてでも先へ先へと進む感覚。これが青春ですよ。まさかそのモヤモヤしたエネルギーを一番抱えていたのが二宮さんだったというのが驚きですが。ダンスに使ってたエネルギーがいつの間にか恋愛モードになっているというのも衝撃的ですけど。
ある程度、この巻でダンス部という存在に対する回答(創設した高岡&二宮ペアの問題解決)ができたのかな〜と思います。そうなると、次に何を見せてくれるのか楽しみではありますなぁ。できれば夏たちも大会に出れるくらいになると面白いんですけど。高岡くんたちみたいにカップルになるかは微妙かな???まぁ、青春なんていつ始まってるのか、いつ終わるのかもよく分かりませんから〜。何が起きるか誰にも分かりません(作者除く)。まだまだ楽しめそうですなぁ。次の巻も期待。




男子部員の謎プロフィール、童貞。高岡くんの童貞という項目が消える日は近いな・・・。