マガスペにスポーツの秋到来!「ねらいうち!&ボックス!&マンブリ!」

週マガはスポーツが多く、マガスペは恋愛が多い・・・という考えはもう古い。最近のマガスペを見ていると、かなりスポーツ漫画が多く、且つ面白い作品だらけになっていると思うわけで。野球で言うとDreamsやおれキャプが有名ですね〜。野球漫画というのはテーマ的にはメジャーなものになりますが、マガスペの場合、わりとマイナージャンルのテーマが多いのも特徴かも。今月発売の作品でいうと、弓道、ボクシング、ゴルフあたりの作品があります。しかも面白いんですよ!!



1.ねらいうち!(弓道



ねらいうち!

弓道をテーマに恋愛も多めな作品となっている「ねらいうち!」。このブログでも何度か紹介している星天高校アイドル部と一時期掲載枠を争った作品です。マガスペ杯と呼ばれる新人レースでアイドル部を破って連載権を獲得した編集部の期待作*1。作者の篠原知宏先生は以前、週マガに「鉄腕ブレイク」というアイスホッケー漫画を描いていましたね。
端的に言えばボーイミーツガールです。主人公の男の子・国村薫が、年上の女性である八代千草に惚れて弓道部に入るお話。もちっと言うと、千草に会うために入学する高校を決めています。ガキンチョのくせに年上に惚れるだなんて、なかなかやりますね。弓道少女を追いかけたものの、弓道自体は成長途中といったところ。一方の千草は全国的な選手・・・。弓道も恋も頑張る物語になっています。


的以外何も見るな

この作品は魅せ方がベラボーに上手い。THE少年漫画といったところでしょうか。弓道描写がもう少し強ければなぁと思う部分はあるものの、薫が弓道に対しても千草に対しても本気であることがよく分かる構成になっています。その上、薫以外はほぼ年上の女性しかいないという部内構成。可愛い女の子がいるというのはマガスペ作品の第1条件ですよね〜。というか、千草先輩がものすごく可愛い!!わりと破天荒ですが、美人、巨乳、それでいて言い寄られると弱い。最高でーす。
ねらいうち!を読んでいると篠原先生は月刊の方がやりやすいのかも?という印象を受けます。絵柄的にはなもしろ塾っぽいので問題なし。それに加え、月刊で話をじっくり作れているのも作品にとっていい方向に行っているのかもしれませんね。


千草先輩以外とも・・・?

基本的には恋愛要素が多めです。1巻では薫が女装させられて大会に出場したりしていましたが、2巻ではその後の薫の頑張りに感化されてか薫に言い寄る先輩も出てきます。お子ちゃまな安藤先輩がその1人なんですけど、2巻前半は概ね薫×安藤先輩の恋愛話でした。まぁ、最終的には千草への想いが上回るわけですが・・・。
元々、団体戦に出場するには1人足りなかったチームに新たなメンバーが加わったり、薫が恋のライバルに宣戦布告したりと次に繋がる2巻でした。余談ですが、アイドル部の面々が1コマ出てきているので探してみてください。











2.ボックス!(ボクシング)



ボックス!
前に書いたやつ→http://d.hatena.ne.jp/toldo13/20120527/p2

5巻目で最終巻となってしまった「ボックス!」。以前も紹介しましたが、なかなかに熱いボクシング漫画です。元々は小説作品であり、市原隼人さん主演で映画化もされています。この前、テレビで映画版を見ましたが・・・、いやまぁ・・・感想はやめておきます。残念ながら小説版は未読ですが、漫画版を読む限りかなりの青春作品じゃないかと思います。
ガリ勉でいじめられっ子だった木樽(ユウちゃん)。子供の頃ユウちゃんを助けていた天才ボクサーの鏑矢(カブ)。この二人の物語です。ユウちゃんはカブに憧れてボクシングを始め、根っからの努力主義とその長身でグングンと力を付けていきます。一方のカブは練習嫌いがたたり、重要な試合でも黒星を重ね、一度はボクシングを辞めることもあったり・・・。途中、カブを一生懸命に応援していた少女が亡くなったりする等の出来事も起きています。あれは・・・辛かったね・・・。


ユウちゃんvs稲村

後に世界チャンピオンになる稲村というモンスターが作品的なラスボスになります。彼と対戦するユウちゃんとカブですが、元々はカブが因縁をつけた相手でした。一度対戦した時は、カブの完敗。カブを目標にしていたユウちゃんにとっても稲村は超えなければいけない壁です。
1巻から徐々に成長してきたユウちゃん。最初の頃を考えると、稲村と対峙していることすら想像できません。しかも、互角の戦いを見せます。残念ながら稲村が見せた闘争本能に敗れてしまうものの、ユウちゃんにとって悔いの残らない試合となりました。


カブvs稲村

ユウちゃんが一歩ずつの成長を見せたのに対し、カブは全5巻の中で浮き沈みの激しいボクシング人生を送っています。ボックス!は、そんな二人の対比とその友情が重要な作品となっています。そして、最後の最後にユウちゃんのカタキを取るためにカブが試合に臨みます。どういう結果になったかは是非是非確認してもらいたいところ(結果は分かると思いますがw)。もちろんそのカブと稲村の試合というのも重要ですが、その後の彼らの人生と、高校時代に戦ったカブ、ユウちゃん、稲村という3人の絆がね〜、もうとにかく素敵なんですよ!
はじめの一歩みたいなプロボクシングではない、高校のスポーツボクシングを描いた物語。人生の途中で出合ったボクシングというスポーツと、先の3人の青春がなかなかに熱い!!実はこの作品の後日談が今月号のマガスペに載っているんですよね〜。作品上、どうしても描かれていなかった部分。まぁ、彼と彼の対戦ですが・・・。とても素晴らしかった・・・んですが、残念ながら最終巻が発売されてしまっているのでどこにも収録されないのがもったいない。読む機会があればどうぞ。











3.マンブリ!(ゴルフ)



マンブリ!

いい加減気付いたかもしれませんが、3作品ともに「!」が付いています。流行っているのでしょうか・・・?さて、最後はゴルフ漫画「マンブリ!」です。これがもう〜、めちゃくちゃ面白い!!!意外と言っては失礼ですが、自分の中ではかなりアタリのゴルフ漫画です。*2


空手とゴルフ!?

この作品の肝は何といっても主人公の天野翔が全国的な空手の選手であるということ。父親に鍛えられた空手ではありますが、元々はそれほどノリ気ではなかったりします。ノリ気じゃないのに強い(中学空手全国三連覇)というのももったいない話ですが・・・。そんな翔が、高校に入学した頃から幼馴染がやっているゴルフに興味を示し、徐々にではありますが上達していきます。
そもそも本気にならなくても空手の大会で優勝する人間なだけあって、武道の心得(精神は別として)はある人間です。ゴルフの方もコツを掴んでは周囲を驚かせます。空手をゴルフに応用できるのかは甚だ疑問の残るところですが、某ヤング雑誌でも野球に応用している漫画もあるので何でもいけるんじゃないでしょうか?空手万能説ですわー。


恥をかかないで上手くなれるわけがない

マンブリ!で一番好きなのは、主人公・翔の性格です。上達するという点、好きな事に熱中する点で、大切なことを知っています。自分の才能に溺れず、頑張ること、努力すること、そして恥をかいてでも挑戦することの大切さを知っています。大人でも失敗を恐れるのに、自分から飛び込んでチャレンジするというのは素直にすごいです。いや、成功している多くの人が、このガムシャラさを持っているのかもしれません。
というわけで、ゴルフ歴3ヶ月で大会に出ることになります。いや、本当に・・・。しかも、一緒に回る相手は同年代のトップクラス。優勝候補と素人がゴルフ。そんな状況でも、翔は望んで彼らに挑んでいきます。まぁ、すぐに翔の実力と運に驚かされるわけですが・・・。


結構飛ばします

何度も言いますが、空手万能説があるわけですよ。普通は飛ばせないであろう飛距離も、翔の空手パワーで余裕です。池越えとかも余裕です。実は某サンデー漫画の王様的ゴルフ漫画も好きなんですよね。あの作品は努力もラウンド中の集中力も細かく描いているんですけど、マンブリ!では色々と過程を飛ばしている感はあります。ただ、テンポの良さは際立ちますね。
空手からゴルフに移るまでの過程。父親の言葉。幼馴染が“できない”と言う場面をことごとく覆す才能。そして、ゴルフが好きになる情熱。わりとベタな作品ではありますが、なかなかに熱血してて面白いです。


・・・と思ってたら、原作が七三太郎先生でした。あぁ・・・これは好きになってしまうわ。ぶっちゃけ、話の展開的な部分はいつもと一緒です。逆に言えば、変に小細工しなくても昔ながらの話の作り方というのも重要ってことなんでしょうなぁ。あと、単行本の帯文はちばてつや先生。七三先生のお兄さんですね。家族ぐるみで何をやっているんだろう・・・。



*1:アイドル部はその後、連載しましたが・・・。

*2:ベタな成長ものが大好きです