女の子がいっぱい「四季賞2012春」



四季賞2012春

春を象徴するかのような桜色をした四季賞ポータブルになっています。しかも、各所に女の子ばかり!!春や。これは春や・・・。おっと。実は受賞者3人が全て女性作家さんだというのも見逃せませんね。男性読者の多い雑誌・アフタヌーン四季賞に女性受賞者ばかり。これはこれでアリです・・・ね。本誌でも女性漫画家さんも多く活躍されているので、”アフタらしい”作品をこれからも送り出してほしいです。




○四季大賞
四季大賞は岩見樹代子先生の「千代のくちびる」。



先生と生徒がチュウ

アトピーにニキビにと自分にコンプレックスを持つ女の子・ちよちゃん。そんなちよちゃんが恋焦がれる中村先生と大人びた少女・椎名さんがキスをしていた。衝撃の場面を見たと思ったら、椎名さんから「私とキスすれば関節キスできるよ」とさらなる衝撃へ。椎名さん&中村先生の秘密物語かと思いきや、ちよちゃんと椎名さんの秘密の××へ。
・・・なっ、なんかすごい作品だったなぁ。最終的には中村先生への憧れとか全然無くなって、ちよちゃんは椎名さんのことを想うのでした〜というお話になっています。中村先生、いや中村はクソだ、クソ。自分の生徒(小学生)に手を出しているとかデンジャラスすぎる。それに加えて、絶対にちよちゃんの気持ちを分かってたはず。それを無視するような態度とりやがって。ガッデム。
受賞歴があるとのことで、調べてみたら2011年秋に特別賞を受賞していますね。タイトルは「絶交」。とんだSM作品でしたね。割とライトに落としてきたような気もしますが、きっとそういう作風なのでしょう。ただ、色々とレベル高いので期待大です。特に中村と椎名さんのキスシーンはエロくて素敵でした。次回作も楽しみにしてます。





四季賞
須藤由華先生の「宇宙のハルモニア」が四季賞を受賞。



吹奏楽漫画

吹奏楽の指揮者依頼を、経験者の相模君ではなく素人の加賀美君と間違えた主人公のチカちゃん。しかし、意外や意外、頑張る加賀美君が面白い。相模君に至っては下心満載でチカちゃんを手助けしようと・・・。変なトリオながらも上手くやる関係性が楽しめました。問題はチカちゃんが痛いことでしょうか。なんやアレクサンドル(空想世界の勇者)て。
コメントで音楽、恋愛、友情、青春、変人を詰め込んだ・・・とのことでしたが、まさにその通りだなぁという感想です。ちょっとイジワルを言えば、須藤先生自身の独創的なものがもっとほしかったかなぁと思いました。しかし、1話読み切りのための1作品というよりも、物語を1つ詰め込んだ感じがすごく好きでした。そうか、詰め込んだ割にこのサクッと楽しめる感が雰囲気いいのか。是非、連載持ってほしいですねえ。
しかし、アレクサンドルてなんや・・・。





○特別賞
佑来那津先生の「夜に彩雲」が受賞。



姉妹と青年のお話

昔なじみの姉妹がお隣さんに引っ越してきた。姉とは恋愛モード、妹からはかなり懐かれる小説家の主人公。主人公が過労で倒れて姉妹がお見舞いに来たり、妹が母親から暴力を受けてた〜という話を聞いたりで・・・・・・・・一緒に暮らせよ!!と言ってしまいたくなるお話でした。最後のページを見る限り、幸せそうな未来が見えているのが好印象です。まぁ、彼が売れるかどうかは別問題ですけども。というかラヴすぎる。
今回の受賞作では一番好きだったかもしれません。あれ、BE・LOVEか?と思ってしまう内容でしたけど、佑来先生・・・19歳ですってよ。これは期待できますなぁ。編集さんの言葉から察するに、今回の様なテーマをよく描かれているようです。せっかくなので連載を持ってもらいたいと思っているので、どうやって話を広げるかを期待したいものです。




今回はSFっぽい作品はなく、日常系の作品が多かったですね。まぁ春だしね。最近は一時期よりも本誌で連載、もしくは読み切りを描く四季賞作家さんもよく見かけるようになってきたので、今回のお三方にも期待したいなぁと思います。