やり直し不可能のやり直し「アゲイン!!」

どうやら週マガで連載中している「アゲイン!!」の宇佐美団長が好きらしいです。デコ、マユ、キリッとした目力、そして折れない芯のある性格。それでいて、実はアホっぽい。そんな彼女の心が折れそうになる瞬間とかとても嬉しくなります。



宇佐美団長の応援が好きだったんだよ!!

アゲイン!!という作品は、卒業を迎えた今村金一郎(+1人)が3年前、つまり入学する前にタイムスリップしてしまった物語です。何もなかった3年間の中でたった1つの思い出、入学したときに見た”宇佐美団長の応援”をきっかけに、本来は存在しない出来事が次々と起こっていきます。バラバラになっていた仲間たちが集い、野球部のエース候補が生気を取り戻し、チアの妨害にも負けず、合宿したりと何だと楽しそうに物語は進んでいきました。
金一郎の他人をそこまで信用しない性格も幸いしたのかな?と思いつつ、地味にかき乱しているだけにも見えたり。ただ、本当の3年後には消滅しているはずの応援団を生き残らせるためには、金一郎による「周りが追い詰められてしまう能力」が必要なのかもしれません。そのあたりは是非是非3巻まで読んでみて下さいよ。女の子の可愛らしさと、不思議な青春物語が楽しめる作品です。

さて、4巻では宇佐美が”自分の応援”に自信を無くし、落ち込むところから始まっています。そこで金一郎が慰める&皆に見られるというコンボをかまします。この作品は金一郎のちょっとした恋愛事情も楽しみの一つだったりします。果たして団長が好きなのか、それとも・・・?





3年後に戻ってきた・・・?

宇佐美団長が自分の弱さを見せ、さあこれから!というところで金一郎が3年後に戻ってしまいます。作品途中でずっと思っていましたが、時代を行き来できるのか?という点が気になっていました。えっ、本当に戻ってこれるんだ・・・。3年前に戻って新しい時代を作るんだとばかり思ってましたよ。そうか・・・戻ってこれるんだ。

これで物語終了・・・かと思いきや、あきらめきれない金一郎が3年後を色々と動き回ってくれています。



宇佐美団長・・・?

おお・・・宇佐美団長がショートカットになってる!!学ランじゃないせいか妙に大人っぽいなぁ。ちょっと暗いけど。
金一郎が3年後に見たのは、無くなった応援団の無残な跡地と、アゲイン先でこれから向かえる野球の試合で起きた事件の事実。そして、同い年のレオちゃんが生来持つ男運の悪さでしたw  それはそうと大前提として、この世界の行き来が一体何なのかは非常に不思議です。例えば歴史が変わるのか。何度も行き来できるのか。そもそも何故こんなことに・・・。




団長がキス・・・!?

すごーく不思議だったのが、3年後と呼ばれる世界とアゲインと呼ばれる世界にそれぞれ金一郎が存在するのかどうかです。実はいない世界の方では寝っぱなしだそうで・・・。金一郎がアゲインした場合、3年後の金一郎は眠ったまま。3年後に戻ってきた金一郎がいれば、アゲイン先の金一郎は眠っています。後者は理由がよく分かりませんが。
3年後の金一郎がいる一方で、アゲイン先の金一郎を目覚めさせようと団長さまがキスしています。普通はお姫様を王子様がキスするものなんですけどね。男勝りな団長さまなだけに、王子役も似合っているかも??でも、とても素敵なシーンであり、恋愛っぽさがあるのかないのか不思議なシーンでもありました。少なくとも、応援団を生き延びさせている最大の要因である金一郎に恩義は感じていると思いますが・・・。





戻ってきた金一郎とレオちゃん

色々あって金一郎が再度アゲインしてくるんですが(本当にキスのおかげかは不明)、未来では無くなってしまう応援団をどうにかこうにかしようと奮闘します。
その中で大好きな場面があるんですけど、優等生のレオちゃんが金一郎の悪口を言ってしまうんですよ。アゲイン世界に金一郎がいない場合、どんどん金一郎の記憶が無くなるというトラップがあるんです。それに引っかかった(←?)レオちゃんが、アゲイン金一郎と積み立ててきた思い出を忘れたレオちゃんが、悪口を言うんです。本当は金一郎が好きだったのに。
レオちゃんは賢い女の子です。周りの空気も読める女の子です。そんな女の子が好きな男の子の悪口を”何故か”言ってしまったレオちゃんは、自分の立場をすぐに察するわけです。その時の絶望的な顔といったら・・・。いや、ただ単に賢い女の子の絶望感というのが好きなだけなんですけどね。久しぶりに素敵な場面を見させてもらいました。アゲイン!!はいい作品だなああああ。





金一郎と応援団で築いてきた絆が非常に面白くなってきた4巻。3年後の世界も巻き込んで味のある作品になってきました。とりあえず、俺は団長とレオちゃんのどっちを取るべきか5巻までに決めておきます。非常に難しい問題ですけどね。次巻も目が離せません。