生きるために撃つべし!「山賊ダイアリー」



カラス食べたことありますか?

ないよ!!
逆に問いたい。どうしてカラスを食べようという発想になるのかと。あの黒い羽に隠れた肉を食べようとか、ちょっと考えられませんね・・・。でも、この漫画・・・カラスの食べ方が載ってるんだよなぁ。

面白い作品は何でもござれ、そんな素敵雑誌イブニングで絶賛連載中の山賊ダイアリーの1巻が出ました。作者の岡本健太郎先生が自らの猟師生活を描いた作品になっています。もちろんカラスだけではなく、ウサギ、ハト、マムシ、カモ等々。野生の生き物を食べつくす(?)岡本先生の生き様が見れます。



東京で彼女とのお別れ・・・

漫画家として東京で活動していた岡本先生。しかし、子供の頃からの夢でもあった”猟師”に憧れ岡山へと戻ります。その際に、彼女さんから「野蛮だ」と言われて別れているそうですが、そりゃ確かにそうなるだろうと。男の子からすれば、(悪い言い方になりますが)銃を扱う人たちってかっこいいなぁと思う部分もあるわけですよ。しかし、それに加えて生き物を銃で〜となれば女の子なんかは絶対に嫌がるでしょう。特に都会の子であれば・・・。
なお、彼女さんからは”山賊”と言われたそうです。山賊と猟師ってちょっと違うよなぁwと思いつつ、それがこの作品のタイトルにもなっているようで。




銃を前にしてはしゃぐ岡本先生

しかしまぁ・・・岡本先生は全く猟師に見えませんね。雑誌で写真が載っていたこともありましたけど、そこらへんにいるお兄さんって感じで。少なくとも想像している猟師像とは違います。
この作品を読んでいると、「こういう生活もあるんだ」という驚きが真っ先に来ます。もちろんやりたいかどうかは別ですよ?当たり前ですがやりたくはありませんw


生態系の頂点へ・・・

山賊ダイアリーの肝は色んな生き物の生態、食べ方、罠のかけ方などが面白く描かれている点だと思います。もう少し言うと、岡本先生が出会った人たちも味があって面白い!!岡本先生の淡々とした猟師生活を描いているだけでは、この面白さは出ませんね。猟師生活への一歩目を開いてくれた銃屋のおじさん、地元の猟友会の面々、若手のアキ君とマサムネ君(マサムネ君が色々と面白い)。孤独な猟師生活なのかと思いきや、意外と和気藹々としていて楽しそうです。獲物の調理法はもちろん、過去に出会った獲物の話、仕事のお話などを興味深く教えてくれます。


岡本先生が素手で熊を倒す日も近い!?と無茶を言いつつ、このダイアリーがどこまで描かれるのか楽しみです。1巻では2009年からのお話になっているので、2012年までまだまだ楽しめそうです。猟師になりたい人にはオススメ!(←いるんだろうか・・・