ハイリスクノーリターンの極み「神さまの言うとおり」
「生きる。」
某もののけ姫の時のキャッチコピーが”生きろ。”でしたっけ。別冊少年マガジン(通称:別マガ)で連載中の「神さまの言うとおり」では”生きる。”が使われています。意識したのかしてないのかは分かりませんが、とても作品を表現しきった言葉だと思います。
そもそも”神さまの言うとおり〜”という言葉はどちらにしようかな?と決めかねている時に使う言葉ですよね。地域によって言葉は違うみたいですが、運任せ、神頼みをしたい時に使用します。この漫画はまさに”生きるか死ぬかは神さましか知らないよ”と言わんばかりの作品になっています。
よくいる感じの無気力系主人公・高畑瞬くん
バカ話をする仲の良い友達、可愛いヒロイン、まじめっぽい委員長につまらない授業。そんな退屈な日常の繰り返しに飽き飽きしてました。通常の漫画作品であれば何か衝撃的な出会い、例えばスポーツ、格闘技、もしくは女の子に一目惚れといった人生を変える出来事があるはずです。しかし、この作品ではそんなことが起きません。あえて言うなら”命のやり取り”があります。
少し大げさな言い方だったかもしれませんが、確かにこの作品には”命のやり取り”があります。戦争が起きた?猟奇的な殺人者が現れた?いえいえ・・・ちょっとしたデスゲームが行われただけです。
死亡理由:だるまさんがころんだ
/(^o^)\ナンテコッタイ
だるまさんがころんだと言えば、子供の頃の定番遊びのひとつです。オニが「だるまさんがころんだ〜」と言って振り向いた時に動いていたら負け。そんなほんわかゲームがいつの間にかデスゲームへと変化していました。時代の流れが生んだ恐怖のゲームだるまさんがころんだ。やるときは気をつけましょう(←?
瞬くんのクラスで突如開かれたゲームのオニは謎のダルマ。喋るし動きます。一方的に突きつけられたゲームの中・・・動いたら死が待ちうけます。ただ、何と言うか・・・もうね・・・驚くほど簡単に人が死んでいくんですよ。動いちゃったからオニが交代ね〜なんてことはなく、命を奪われ続けます。ヒロイン?と思わしき女の子も死んでいきます。特攻をかけた友人も死亡。全員が死んでいきます。
そもそも、このデスゲームを開く理由がないんですよ。何でだるまさんがころんだなのか、どうやって人が死ぬのか(動くと頭が破裂してしまう)がもうサッパリ・・・。この作品はそういう作品です。生きるか死ぬか、どんなゲームで生き残れるかは・・・神のみしか知りえません。
ちなみに、だるまさんがころんだで瞬くんは生き残ります。まぁ、主人公ですからね・・・。かなりギリギリの命のやり取りが行われているので、第1話からして必見。
第2ゲームは招き猫??
そして、次のゲームは招き猫との勝負が待ち受けます。首に付いたバスケットリングに鈴を入れたら終了・・・らしいんですけど、本当に意味が分からないよ。しかもこの猫・・・縦横無尽に猫が動き回るんですよ??えっ、招き猫まで生きてるの??
ネズミの格好が重要??
生き残るヒントとして体育館に置かれていたネズミのタイツ。着れば猫に追い掛け回されますが、その代わり何か良いことがあるようです。
だるまさんがころんだでは自ら動いて攻めに行かないと生き残れませんでした。何が起きているかを理解しつつ、適応することが重要だったわけで。第2ゲームの招き猫バスケットはリスクを背負う(ネズミの格好をする)ことで活路を見出しています。つまり、生き残る鍵は何かしらのリスクが必要になります。
「生き残るにはこれくらいの覚悟が必要だ!」と言えばかっこよく聞こえるんですけどね。命があっただけで儲けものというか、見返りが自分の命のみ・・・。こんなリスクの高いノーコンティニューゲームは正直・・・やりたくないです。
不参加だった引きこもりはセーフらしい
作中でも語られていきますが、このデスゲームは瞬のクラス、学校だけに留まらず、全世界の子供たちの目の前で繰り広げられています。何も気にせず、いつも通りの生活を送ろうとしたら死んでしまった・・・なーんて話が信じられますか?まだ1巻なので誰が得するのかも分かりかねる部分が多いです。そもそも、縁起物(ダルマ、招き猫)が変な生き物化しているのも変な話ですけども。
あと、全世界で行われたということは世界中の縁起物が開催しているんでしょうか。さすがにアメリカでダルマや招き猫が現れるというのは考えられませんので・・・。もし全世界でもダルマだったら謎を解く鍵になるかも??ところで世界中の縁起物って何があっただろう??
死ぬことに理由を求めるのもどうかと思いますが、あまりにも・・・な内容が広がっています。読んでて何度「えっ」と言ったことか。別マガはまた怖ろしい作品を送り出したなぁ・・・。出オチにならないことを祈りつつ、次のゲームでどうなるのか楽しみです。まさか瞬たちの同年代で生き残れるのが一人だったりして。
そんな賭けるものが命という謎のデスゲーム漫画。生き残れることが最大の対価です。ただ、命のやり取りを抜きにすれば、この作品のゲームはハイリスクながら完全なるノーリターンであると言っても過言じゃありません。せめて生き残ってからご褒美くらいあげてほしいと思いますけどね。もしかして命を大切に扱うための方法を学ぶ漫画だと思えばいい・・・のかな??それにしては人を簡単に殺しすぎだと思いますが。何でしょうね。もう目的とか理由とかを考えずに驚くだけの方が賢明かもしれません。
良くも悪くも衝撃的な作品です。