大人も子供も宇宙人も「友達100人できるかな」

実は講談社以外の作品も読んでいます。いやまぁ、当たり前なんですけども・・・。
読んでいてよく思いますが、講談社には出せない味があれば、講談社にしか出せない味がやっぱりありますよね。ここ数日読んだ漫画の中ではダントツで惑星のさみだれ最終巻がよかったです。
最終巻の帯で「少年から大人になるってのはこういう事だ!」と石黒正数先生が書いていましたが、まさにその通りだったな・・・と。読んでいると1巻から10巻まで積み重ねてきたものが次から次へと思い出されるというか、波状になってドッと来るんですよね。雑誌を読んでいた時も泣いたのに、単行本で続けて読むとより一層泣ける。
惑星のさみだれを思い出すと「出会いと別れ」がとても印象強く残りました。細かいところは他のサイトさんに譲りますが、別れがとてもとても印象に残っていきます。しかし、実は出会いの中に「未来がある」という部分を伝えています。このバランスが素晴らしかったと思います。


・・・このマンガはすごい!



さて、そんな出会いと別れの中でも「出会い」に特化した漫画があります。それは月刊アフタヌーンで連載中の「友達100人できるかな」です。



私と友達になりませんか?

作者のとよ田みのる先生はラブロマ」「FLIP-FLAPといった恋愛を軸にした作品を手がけていましたが、この「友達100人できるかな」では友情をテーマにしています。
宇宙人がいきなりやってきて「地球人とのコミュニケーションが取れるかテストをします」と言ってきます。そして、その方法として子供時代に戻って100人の友達を作るというテストを受けさせられたのが、主人公の柏直行。子供が生まれるかもしれないという時に宇宙人に言い渡されたテストですが、失敗したら人類滅亡というオマケ付きでした。

宇宙人たちが見たいのは「地球人に愛があるか」ということのみであり、友達を100人つくる=愛が存在するというわけです。そして・・・地球の命運を賭けた友達づくりが始まります。


子供の頃は何でもできる。友達だってたくさんできる。・・・なんて根拠もなく思ってたように思います。今ではそれがどれだけすごかったかが身にしみます。
この作品では30半ばの男性が、小学校時代に戻っています。もし、子供の頃に戻れたら・・・そんなことをよく思いましたが、改めて考えるとそれはそれで難しい気はします。人生で最も尊い”経験”がそのまま活かせますが、それが邪魔をしかねません。子供扱いされても平気でいられますか?子供同士の付き合いができますか?ほんのちょっとしたことで無邪気にはしゃげますか?

そんな中で、主人公の柏直行が友達をつくろうとせっせと頑張ります。
とよ田先生の作品の一番いいところは「まっすぐな気持ち」だと思います。ギャグもいい。泣かされたり、恋愛にグッときたりもする、とよ田先生の作品ですが、全ての作品を通して「まっすぐな気持ち」を大切にしています。俺はそこが本当に好きなんです。この作品ではそんな部分を「愛」として描いています。



直行の愛は宇宙人に通じます

最新刊は駄菓子屋の婆ちゃん、ポートボールでの複数人攻略、女の子の仲良し2人組や未来のお兄さんが登場します。どれもこれも見た光景ばかり。そんな懐かしさが漂う漫画なわけですが、自分を含めた大人にとっては面白いのですが、子供達からはどう映るんだろうなぁと思います。意味不明なものなのか共感されるのか・・・。そもそも「友達100人できるかな」ってタイトルの漫画を小学生が読んでいたら複雑な気分になるなw というか親が心配するわwww


とりあえず友達になったかどうかが分かる方法が俺も欲しいなぁ。ある意味、直行にとっては子供と友達になるのって不利な状況なんですけど、それを救済しているのが友達カウンターだと思っています。感覚よりも数値でしか見れなくなった大人への手助けになっていますよね。メリデメも友達関係に重要な要素になっているだけに、あの装置があれば・・・と本当に思いますよ。


さて、4巻で友達が27人ですか・・・。先はまだまだ長いですねぇ。ただ、直行はきっとやってくれます!10巻もあれば終わるんじゃないかなwww
まぁ、ぶっちゃけ直行が100人の友達をつくるのと、俺が100人の友達を無くすのはどっちが早いかってレベルですよ。それを食い止めるためにも、一緒にこの漫画を語り合えるような友人を大切にしたいものです。俺も頑張って直行に負けないくらい友達を作るぞー!!(ただし女の子限定で)