人付き合いの苦手な人は大丈夫なのか心配です「友達100人できるかな」

友達100人できるかな〜♪と歌いながら小学校に入学して、皆さんは本当に100人の友達ができましたか?そんな半分冗談みたいな、まるでおまじないのような言葉を地球のために本気で実行する漫画「友達100人できるかな」が最高に面白いのです。

友達100人できるかな(3) (アフタヌーンKC)

友達100人できるかな(3) (アフタヌーンKC)

・・1巻レビュー

宇宙人が「地球人の愛」を確かめるべく、主人公の直行を小学生の頃に連れて行きます。とよ田先生の作品の良さは「まっすぐな気持ち」にあると思うんですけど、直行も本当にまっすぐな奴で昔の友達、ガキ大将、宇宙人、幽霊、動物・・・etcとザクザク友達になっていきます。
元々が36歳の(もうすぐ)子持ちなので、子供の中で一人冷静なんですよね。しかも教師という職業柄、子供たちのちょっとした悪ふざけも見逃さない熱血教師風小学生になってます。ただ、それでもいい大人が子供に戻ってドタバタするのはなかなか面白いです。
しかし、最近特に面白いなと感じさせるのは「昔の良さ」だと思うんですよ。
ガンコな先生、ブルマ、駄菓子屋さん、泥だらけの運動会、ブルマ、流行もののおもちゃや遊び、給食、ブルマ、そして・・・ブルマ。物でも出来事でも大好きだったものがいっぱいでした。
はっきり言って今の方が便利ですし、今の生活が断然いいです。昔に戻れと言われれば躊躇するはずです。でも、大好きなもの、大切なものがたくさんあったと思いませんか?それこそ道端の石ころですら遊び道具になるわけですからね。思わずともだちと秘密基地を作って予言の書を作りたくもなりますよ。



大好きなものがいっぱいあった時代

3巻では井森君という直行と同じ境遇の少年(おっさん?)が出てくるんですが、現代で壊された自分の家(銭湯)にしみじみとしてます。思わずホロリときてしまいました。いや、何度読んでも泣いてしまうんですよ。それだけ年をとったということでしょうかね・・・。


3巻以前から出てきている椎名さんも直行や井森君と同じ境遇で、宇宙人さんが一緒にいます。




この宇宙人が結構な変人(?)というか性格というか・・・。直行は真っ先に自分担当の宇宙人を友達にしているんですが、椎名さんの方は一筋縄ではいきませんでした。好きなものをプレゼントしてみたり、食べ物を作ったりと色々手を打ってはみたものの効果はゼロ。本当にゼロ。むしろ無碍にされるレベルでした。


しかし、たった一言「友達になって」と言っただけで・・・・



はい喜んで

ずーーーっと友達になってほしいと言わなかったことが原因だったようです。言葉でしかつながらない種族だからこその結果でした。
よくよく考えたら友達になろうぜ!と言って友達になるパターンってそんなに多くないですよね?むしろ漫画でもよくある「俺たちもう友達じゃん!」のパターンの方がよくあるというか・・・。この漫画でもそうですが、人って言わずに伝わっている事に慣れすぎていますよね。言葉という最も単純なコミュニケーションツールを使わないことが日常にあるというのは実は結構凄いのかも。

無いことを言われて初めてそのありがたさ・凄さに気付くわけですが、それはそれとして今のままがいいことも多かったりするんですけどね。全部言葉で伝えなきゃいけない世界って大変ですよ。今さらコンビニや携帯電話がない生活も難しいですからね。


この漫画で「昔のよさ」に触れてしんみりさせられはしますが、やはりこの漫画のいいところは最初にも言った「まっすぐな気持ち」だと思うわけで。そういう意味ではこの漫画の魅力を1/10も伝えられずにガッカリしてます。・・・・まぁ、言葉にしなくても分かるよね(おい