夏目友人帳 8 (花とゆめCOMICS)

夏目友人帳 8 (花とゆめCOMICS)

帰りたい場所が出来たんだ

この言葉をとても実感する内容でした。今まで妖怪とナッツの心温まる物語なんだと思っていましたが、実はそれと相対したナッツと人の物語だったんだと再確認しました。もちろん妖怪とどう向き合うかという面は非常に強いのですが、ナッツの周りは決して暗い世界ばかりではないなぁと思わされた8巻ですね。


まず一つにタキと田沼の存在が大きいですね。同年代で、ナッツほど見えるわけではないにしろ妖を認識できる存在。自分達以上に苦労しているナッツのために何か出来ないかと8巻では奔走してます。たったそれだけのことでもナッツにとっては非常に大きな助けになっています。


もう一つに北本&西村という二人の普通の人間。ナッツが奇行をしてても優しい眼で見守っています。(←こう書くと何か嫌だなww わりとこの二人がいることで、ナッツが普通の世界にいることをとても意識させられます。むしろ、つなぎとめているんじゃないかと思うくらいです。8巻冒頭のナッツのアイキャンフライで川に落ちた時の対応とか、販売係を代わってやるという話とかむちゃくちゃ好きです。自分のことを本気で心配してくれる二人がいる世界を幸せだと言うナッツに泣ける。


最後に藤原夫妻。ナッツに素敵な世界を用意してくれた最大の功労者。前に住んでいたつまらない世界からナッツを引き戻した恩人。色々と思わせてくれるところがありますが、特に塔子さんの笑顔がすごい素敵。初めてナッツと出会った時の一言一言が、ナッツの世界を温かくしていくのが分かります。沈んだ世界から藤原夫妻のところに行きたいと願ったナッツの気持ちがよく分かります。


ただ、こういった人たちが集まるのもナッツ自身によるところも多いなぁと思います。いやぁ、面白い。