四季賞感想

月刊アフタヌーン四季賞2009春

  • 四季大賞

四季大賞は丹羽麻里子先生の「NO MAN IS AN ISLAND」でした。
丹羽麻里子先生は過去に準入選があったり佳作があったりな方ですが、四季賞以上は今回が初めてです。
過去の作品タイトルを見ると、いずれも英語だったりします。
今回のタイトルも何かしらの詩からとったそうですが、ボン・ジョヴィの歌の歌詞にもあったそうな。
これまでの作品も詩や洋楽からもらってきたんでしょうか・・・・。
それもあるのかないのかは分かりませんが、今作はとあるロックグループのお話。
アティカという超有名なグループがあり、人気者のギターが死に嫌われ者のボーカルだけが残ります。
そのボーカルのソロで周りがサポートをするわけですが、サポートをしていた主人公とぶつかりながらも・・・。
悩んだり考えたりしている時点で生きているんだよなぁと時々思いますが、そんな感じのお話でした。
読みきりものとして非常によくできていたと思います。何度も佳作以上を取っているだけあって実力あるなぁ。
ここで大絶賛といかないまでも、もう一つ何か作品を読んでみたいと思いました。

四季賞田中雄一先生で「害虫駆除局」でした。
何故だか分からないんですが、四季賞春・・・つまりうえやまとち先生が選ぶ時って四季大賞よりも四季賞の方が
面白く感じてしまうんですよね。3年前からCURE、囚われクローン、アジサイ・・・。不思議です。
基本的にグロイのはダメなんですが、何か読んでしまいましたよ。(←ちなみに可愛い子がアンハッピーな話も苦手)
というか表紙からして敬遠してしまいますわ。
この作品では十二本の脚を持つ虫と人間の争いを描いています。・・・・誰かギンコ連れて来いよ。マジで。
人を襲うまでになった十二脚虫に対し、保護しようとかなりKYな事を言っている主人公。
結局は自らも襲われ(どうなったかは書きたくないね)、何とか助かったものの、奥さんが殺されるという結末。
自分が助かったところまででいいじゃない・・・と思わず呟きたくなる終わり方でした。
虫が嫌いな人は、きっとこの漫画を読んだらより嫌いになることうけあいです。でも面白かったんですよね〜。
先にも書きましたが、主人公のKYっぷりが馬を和ませているような気がします。
虫・・・・とは言いませんが、これだけ描けるならまた何か別のお話を読んでみたいものです。
つーか自画像が・・・。

  • 特別賞

田川ミ先生の「ドッヂ」が受賞。
ミという名前はミと読んでいいのかどうか。まぁ、どうでもいいですが。
ドッヂボール大会に出ることになったクラスで、二人の男の子がそれぞれリーダーとなって仲間をまとめるお話。
子供時代って友人関係をどうやって築くかと同時に、どう振る舞うかも大切ですよね。
特にリーダーというポジションは適性があるように思います。
子供時代に慣れておかないと大人になってからでは遅い。天性の素質だけではなく場慣れも必要です。
1人は熱くまとめるタイプ、もう1人は要領よくなタイプです。
どっちもいいと思うんですが、俺は後者の方が好きです。ただ、引っ張る方が爆発力は大きいかもしれませんが。
また、この作品に対して絵が上手いとうえやま先生は褒めていましたが、確かにその通りでしたね。
話はわりと単純でしたが、その分小学生という純真な物語性がよくまとまっていたように思います。
そして、田川先生の絵がそれをより一層・・・といったところでしょうか。
小学生の物語も良かったですが、中学、高校ではどういったものを描くかをちょっと期待しています。