四季賞感想

アフタヌーン四季賞2008冬
総評的なものですが、今回は珍しく柔らかい絵が無かったのが珍しく思いました。

  • 四季大賞

四季大賞には桜井画門先生の「亜空耳」が受賞。
人には見えないバケモノによって日々魂を食べられている人々。そしてそのバケモノを退治する男のお話です。
どうもそのバケモノによって人の寿命も短くなっており、男はそのバケモノが見えるが故に長生きしています。
長生きといっても多分江戸時代くらいから生きているほど。
それなら全てのバケモノを倒してほしいなぁ・・と思いますが、彼の狙いは自分の母を殺した3匹のみ。
この亜空耳ではその内の1匹を倒しています。
読みきりというには勿体無い作品だと思いました。残りの2匹を含めて、人同士の物語として連載できますよ。
結構四季大賞なんかだと1発ものばかりですが、この作品は違ったように思います。
連載化しても楽しみ。別作品になっても楽しみな作家さんです。

「ヨブケモノ(喚獣)」で小林嵩人先生が受賞。
喚士(別世界から獣を召喚する)見習いのヨミが、最強の獣であるズィガフを連れ出そうとする物語。
最初はずっと断ってきたズィガフもヨミのしつこくも可愛らしいお願いに根負けしていきます。
結局は暴走した異世界獣によってピンチになるヨミを助けにくるズィガフ・・・・。
全てが面白かったです。ヨミの愛らしさ、ズィガフの高貴さ優しさ、物語の起承転結等々。
読み切りでもこういった作品が書ける人は楽しみです。今回の四季賞の中で俺のイチオシです。

  • 特別賞

かわぐちかいじ先生が選ぶ特別賞には「監視員」で竹内ていじ先生が選ばれました。
一人の少女を見守り続ける男・オラフの物語・・・・なんですが、よく意味が分かりませんでした。
かわぐち先生曰く「神とは何かを描こうとした意欲作」とのことです。
何回か読んで色々と分かる作品なのかもしれません。もう一回読もう。