今一番熱い野球漫画!「グラゼニ・10巻」



この男、大胆不敵につき

球漫画なのに野球漫画らしくない。試合自体に面白さを見出すのではなく、それ以外の部分、例えば“お金”、例えば“人間関係”、例えば・・・な物語。それがグラゼニ。年俸が3000万に届かない左腕であり、高卒27歳という上過ぎず下過ぎないという・・・なんとも微妙な主人公・凡田夏之介。彼を取り巻く環境を描いた一風変わったお話です。




祝!講談社漫画賞受賞!!!

ついに10巻突破したな〜と思いきや、帯文が「講談社漫画賞受賞」と来たもんだ。受賞作が決定したのって5月前半でしたっけ?あの時点で決定したとして、23日に帯文が間に合うものなんですね〜。余談ですけど、「監獄学園」も同時受賞しています。一般部門だとモーニ、アフタ、イブ系が受賞して当然の流れだったのでちょっと驚きでした。というわけで、今年はモーニとヤンマガが勝ち取ってます。ここ5年以内だとジャイキリ、宇宙兄弟も受賞しているので・・・モーニング黄金時代到来か?と思ったり。
またまた余談ですけど、モーニングが携帯アプリ(iPhone系列のみ)で読めます。最新号が月額500円で読めます。こちらはただのステマ的な宣伝です。



シーズン優勝はできませんでしたが・・・

作中、日本シリーズが開催されています。夏之介が所属するチームは神宮スパイダーズ。シーズン3位。しかも首位と・・・25.5ゲーム差。それなのにCSで勝ち上がって日本シリーズに進んでいます。現実世界ではロッテが2010年にシーズン3位でCSを勝ち抜いて日本一になったりしていますね。その時ですら2.5ゲーム差。もちろんそんな20ゲーム差以上も開いたチームに権利があるのか等の批判が出ています。いや、これについては現実世界でもあり得る話題なので、興味あるお話だったりします。
なお、CS勝ち抜きの立役者となったのが・・・夏之介。批判いっぱいですww


批判の的です

CSで一躍有名になった凡田夏之介。年俸500万円の4番打者、丸金千太郎。ネットでは大炎上・・・なんですけど、現実世界でも色々と書かれるでしょうねぇ(なんJとかで)。
というわけで、10巻は日本シリーズ編になっています。夏之介の話をしておくと、先発に回されたり中継ぎになったり、2軍にも行きましたね。シーズンでは1勝5敗、防御率5.24という微妙な結果。きっとオフシーズンでの契約交渉が面白いことになってるはずですが・・・それは11巻のお話。そちらも楽しみです。でまぁ、話題になると一転活躍できないというのはお約束でしょうか。日本シリーズではどこか活躍できない夏之介&千太郎がいます(千太郎も夏之介と似たような状況)。


試合はあれよあれよと3勝3敗。ちなみに相手はパ・リーグ2位の幕張サベージ。2位対3位・・・。あぁ、現実世界だったら盛り上がらないだろうなぁ・・・。







丸金家は大騒ぎ

冒頭でも書きましたが、グラゼニは試合の盛り上がり自体はあまり重要ではありません。例えば日本シリーズ第7戦の試合を不安そうに見つめる丸金家の人々。日本シリーズ、決勝点を多少上げているものの、打率は超低空飛行の千太郎を見つめています。負ければ日本一を逃す状況。
ただでさえ盛り上がらないカード。そして微妙な試合の数々。あわせて息子が4番打者でイマイチな成績。そんな中で家族はどんな気持ちになるでしょう。丸金母は頭を抱えています。終戦に負けたら・・・戦犯と言われる可能性も。日本シリーズ終戦はその年の総決算です。つまらない試合にした、息子のせいで負けた〜なんて言われたら・・・表を歩けないと悩む気持ちも分からないではないですな。親なら尚更でしょう。実際の選手の家族も同じ気持ちで見ているかもしれませんね。


皆の気持ちを知ってか知らずか・・・

連日連夜、飲み歩く2人・・・。
日本シリーズ、夏之介と千太郎にとって身近な人が集まってきてます。千太郎は家族が見守る。夏之介については、ナッツストーカーのニッシー、トクさん、ユキオ、育ての親?の南蛮監督まで集合してます。周囲からの謎の期待を受けつつ、飲み歩いていた夏之介。もちろん、気を紛らわせるため・・・ではなく、開き直っただけ!!やばい、やばいよ!!
優勝の決まる第7戦は、先発の椎名が不調。1回から降板させられ、なんと夏之介が登場してます。しかもピンポイントリリーフではなく、あくまでも第2先発としての起用。スパイダーズ監督の田辺監督、見た目からしてノムさんがモデルのはずですが、わりとカンピュータでやっているという面白い人です。ただ、その勘が冴え渡り・・・という結果を導きます。野球は何が起きるか分かりません(ニッコリ






・・・えっと、優勝しちゃいました。



MVPは誰か??

で、微妙な組み合わせによる微妙な試合の数々だったわけですよ。コイツがヒーローだ!と言える人間のいない状況により、シリーズMVPを選ぶのに戸惑っています。MVPは優勝チームの誰かからしかいません。さあ、誰がMVPをゲットするのでしょう。まぁ、ここはお楽しみということで。もちろん候補は夏之介と千太郎です。






過去編も収録されてます

あと、10巻では契約交渉の収録はありませんでしたが、その代わりに夏之介の過去物語が描かれています。ええ、いつものやつです。
今の夏之介をサポートしてくれる(?)、いやむしろストーカーと化しているニッシーも登場。ニッシーは高校で1年先輩でした。まさにお山の大将という姿が似合うニッシーでしたが、日に日に成長していく夏之介を見て、(勝手に)落ち込んでいきます。挙げ句の果てには・・・。
ただ、そんなニッシーを見て、夏之介は本性たる無造作ピッチングを高校野球で見せてます。ニッシーの態度に暴走した結果の無造作ピッチング。ええっと、その投球スタイルはプロ編でもよく見られたような気が・・・?これが夏之介のルーツなのでしょうね。夏之介が時折見せる鼻水垂らしながらの投球は・・・ニッシーが作ったと言っても過言ではありませんな。うーん、やはりプロ編の夏之介を解体するには過去編は重要です。というか、面白い。ニッシーがちょっとホモい気がしなくもないけど(←






10巻が異様に分厚かったと思うんですけども。やはり日本シリーズを全収録+夏之介の日本シリーズでのルーツを収録したのは大きかったかもしれません。まぁ、兎にも角にも日本シリーズは面白かったですね!別の意味でハラハラしながら見ていました。現実世界でもあり得そうなのが俺は好きでした。その確率は0%ではありませんから。さて、次は契約交渉シリーズ!!シーズン微妙、CS大活躍、日本シリーズでも重要な役割を担った夏之介。どんな契約になるのでしょう。楽しみですね!次巻にも期待〜。