才能を無駄にしない運命のいたずら「クロックワーク・プラネット・第1巻」



世界は滅亡している

シリウス作品の紹介ではありますが、まずは月マガのお話。月マガ作品は天才が描かれることが多いです。天才漫画とは才能を開花させる面白さ、天才が期待に応えることの面白さ、どこか危なっかしいのに最後は何とかする爽快感がたまらんのです。月マガは今一番面白い雑誌だと思っています。
さて、そんな月マガに追い付きそうなレベルで伸び続けている雑誌がシリウス。そんなシリウスにあって、俺の魂を震えさせる天才漫画があります(シリウスにも天才漫画いっぱいあるけどね)。それがクロックワーク・プラネットです。元は講談社ラノベ文庫で、そのコミカライズ作品となっています。



Yが残した遺作?

地球はもう既に死んでいる。そんな地球を救ったのが「Y」という天才時計技師でした。死んだ地球を、膨大な膨大な“歯車”で動かすという神業を行ったのが1000年前―。そんな世界の物語、「時計仕掛けの惑星(クロックワーク・プラネット)」と呼ばれる地球での物語。
主人公の見浦ナオトは学校でイジメられていました。趣味の機械いじり、耳障りなノイズをキャンセルするためのヘッドホンがトレードマークの少年。ちょっと変わっている。それだけでイジメの対象になるのはよくあるお話。しかし、彼は、彼は、彼は!!天才だったのです。



直してみますかね

落ちてきた機械の少女。後々わかりますが、彼女は天才技師「Y」が作った自動人形でした。名前はリューズ。眠り姫かと思いきや、どうやら故障していたようです。それを偶然直すことになったナオト。20年以上直ることのなかった、起きることのなかったリューズを起こしたのが・・・・ナオトといういじめられっ子だったわけです。





リューズ「人類の愚鈍さこそはまさにノミの水準とお変りない




それとも






知性も気品も感じられない貴方さまが
ノミより上等なお方でしょうか」
これはリューズ復活の場面ですが、かなり口が悪いんですよね。直すのに時間かかりすぎて人類はノミレベルじゃないか?でも、ナオトはノミよりマシなのかも?外見はみすぼらしいけどね、ぷぷぷ。ってわけですよ。
ただ、これでもリューズは褒めているんですよ。リューズの口が悪いとわかって読むと、たまに褒めている場面が散見されて、この毒舌もアリっちゃアリになってくると思います。まぁ、ちょっとバカにされても気にも留めないイジメられ体質のナオトもナオトなんだけど・・・・。


変態です

例えばこれはナオトがリューズ修理に3時間“しか”かかってないとわかった時の反応。多分、3時間で修理するのは不可能なんですよ。それはリューズも理解していた。それなのに外見はパッとしない、人としての魅力がオーラとして出ていない、そんなナオトが3時間で直した・・・・と。ちなみに、3時間という数字を聞き、数秒ほど思考を停止させつつ頭のなかで2000万回ほど再確認をしたそうです。
設計図が無ければどう考えても無理。先述してますが、作ったのは1000年前の超天才技師「Y」です。地球を擬似的に動かすような技師です。そんな「Y」が作った機械式の少女・リューズ。そんなリューズを、リューズの中から聞こえるノイズを頼りに修理したナオト(耳が良すぎるので常時ヘッドホン着用してる)。彼は紛れも無く天才です。
まぁ、普通の人間にその能力の凄さは伝わらないんでしょうけどね。その凄さに感動したリューズのお言葉、「変態です」はもう最上級の褒め言葉でしょう。この場面、めっちゃ好きです。


大切に想われている

今更ですが、リューズが可愛すぎる!!!
気品が溢れ出てるんですよね。高貴で毒舌ってアリだと思いませんか??


クチュクチュ※マスター認証で指を舐めているだけです

しかもエロいというね!!
とにかく、天才が認められるのが大好きです。どんな才能であれ、その才能が埋もれるというのが嫌だし、なにより天才漫画としての“認められる”場面が好きなんです。その点、この作品には“認証”が多々あってかなりしびれます。
あと、ナオトも機械大好きっ子なので、リューズの素晴らしさを本能的にわかっているというのも素敵。かなり相思相愛なのがいい。そのあたりは読んだ時の楽しみになるでしょう!!!






無理ゲー

場面は変わり、現代の天才時計技師として名高いマリーという少女について。
そもそもナオトは耳が良いという話。そんなナオトが、都市の地下から異常に大きなノイズを感知していました(場所まで特定していた)。そのノイズの原因となる都市の修理を行おうとする天才マリー。もちろんこの時点でナオトという才能を知る由もありません。そもそも故障箇所を知るだけで四苦八苦している状態。人を脅してまで見つけた故障箇所。なお・・・・手遅れな模様。
ちなみにですが、この故障箇所を放置すると・・・・都市が崩壊します。崩壊すれば・・・・人が大勢死にます。それを仕方ないとする国と、それに立ち向かおうとするマリーという状況です。


あ、そうそう。リューズの元々の所有者はマリーでした。空輸中にリューズが箱ごと落下し、落ちた場所がナオトの家だったという偶然が発生しています。もちろんリューズを修理しきれなかった天才マリー。きっと何年も修理していたんでしょうけど、ナオトは3時間で直したそうでうすよ。







四人の邂逅

左からナオト、リューズ、マリー、そしてマリーのボディーガードのハルター。彼らが偶然出会います。物語はきっとここから・・・・始まるはず!!というところで1巻終了〜。2巻が楽しみです。
さて、この状況を整理すると、ナオトとリューズは都市が崩壊するなんて知りません。マリーとハルターは崩壊を知りつつも打つ手がない状態。もう一度言いますが、ナオトは故障箇所を音だけで把握しています。そんなナオトとマリーを結びつけたのが稼働しているリューズ。ナオトの隠れた才能が・・・・見つけられるかも!?ワクワクさせてくれますな!!


史上最悪のテロリスト

そして、作中で語られますが、彼ら四人は後々史上最悪のテロリストとして活躍するそうです。言っておきますが、国の方が腐っているのは確定。それをどうにかする四人組・・・・になると予想。うーん楽しみだ。






この作品は講談社ラノベ文庫のコミカライズになります。講談社ラノベ側の原作者が実は二人組とのこと。それにキャラデザで一人。そして漫画を描くクロ先生。彼ら四人組が漫画を作り上げています。作中の四人組も期待してますが、作者陣四人組も世間を騒がせるような活躍を見せてくれるといいですね。期待している・・・・んですが、原作が追いつかれたらどうすんだろねw(わりと怪しい