英雄の代わりとなる覚悟はあるか「ミッドガルドの守護者・1巻」



ミッドガルドの守護者

月刊少年ライバルで連載中の「ミッドガルドの守護者」の1巻が出ました。パッと見ですが、アポカリプスの1巻にソックリですよね。多分、何も関係はないと思いますけどw。
とてもライバルらしい作品だと思います。非常に少年的ファンタジーな作品であり、「亡国のジークフリートと合わせて男の子の冒険心をくすぐる作品じゃないかと思います。さすがにジークフリートほど冒険してはいませんけど、いや冒険という意味ではラガッツィの方が冒険してますけど、これからやってやるぞ!という勢いが非常に強い作品です。別マガを引き合いに出す必要もありませんが、あちらが何かに挑む少年少女たちを描いているとすれば、冒険するのがライバルの伝統でしょう。とっても大好きです。


神と少年の物語

作品の基本は北欧神話に基づいたお話になっており、ヨトゥンヘイムとアースガルドに挟まれたミッドガルド(人間の国)にあるとある町でお話は始まります。その町に住み、ヨトゥンヘイムを倒したいと考えている人間の少年ソア。そして、そんなソアを頼もしく見つめる雷神トートールはヨトゥンヘイムの侵攻を防ぐべく、アースガルドからミッドガルドへとやって来ていました。彼がいるおかげでヨトゥンヘイムは無理な手出しができなかった。あの日までは・・・。



雷神トール死亡

作品のタイトルでもある“ミッドガルドの守護者”。それは雷神トールのことでした。しかし、彼は死んでしまいます。本来であれば戦いの中で死ぬなんてことあり得ません。それだけの戦力でした。ただ、ソアを盾にしたヨトゥンヘイムの刺客により命を落としてしまいます。いや、実際には盾にされたソアが死に、彼を救うべく自身の命を与えてしまいます。
もう一度言いますが、雷神トールはミッドガルドの守護者です。彼がいるからこそ、何万?何十万?何億?という人類は救われていたんです。そんな彼が、たった一人の少年のために命を与えて死ぬわけです。


受け継がれる力

しかし、ミッドガルドの守護者は受け継がれます。神の力を本来は持つことのできない人間のソアが、トールによって授けられた力を使い人々を守る(と誓います)。もちろんトールのように上手くはいきません。普通であれば、少年が使うには重すぎる力です。もちろん修行をして扱うことが可能にはなっています。しかし、それもまだまだトール全盛には及びません。言い換えれば、ソアが徐々にトールに近づくことができることが、主人公として、作品としての成長なんでしょうね。


新しいトールとして・・・

ソアには力がありません。トールのような経験も、体躯も。トールが残してくれた神の力、神武具も本来の力を出せているわけではありません。ただ、彼には“覚悟”があります。トールが自分を生き返らせてくれた代わりに、トールの役目を自分が果たす。例え命を落とす可能性があっても・・・。
あぁっ!!実に少年の冒険心をくすぐってくるじゃありませんか。英雄に救ってもらい、その英雄を追いかけるように成長する物語。例え神の力があったとしても、相手は相当に強大です。気になってるのは、ソアをアースガルド側が認めるのかどうかも怪しいってところ。このままヨトゥンヘイム対アースガルドとなるのは確実でしょう。ただし、どこまで行っても、ソアは人間でしかありません。味方してくれるんだろうか。ちょっと分かりませんねぇ。アースガルド側の先頭に立てると面白いですが・・・。まぁ、雑誌の方の展開はそもそもアレが・・・なんですけどね〜。



ラグナロクの予言とは・・・

さて、実はこの作品における肝心な部分があるんです。それはラグナロクの予言”。その予言ではトールはソアを助けるために死ぬとは記されていません。神々の大戦争の中で死にゆくことが決まっていました。それが予言ですから。ただ、予言は外れました。もしくは変わった・・・という方が近いかもしれません。ソアという少年がいなければ、そのままの大戦争になっていたでしょう。しかし、そうはならなかった。この事実を神々がどう受け止めるか。そして作品はどんな方向へと進むのか。とても楽しみな1巻となっています。
きっと大冒険になるだろうなぁというのは想像に難くないですけど、さすがに何十巻も続くとは思えません。まぁ、ライバルだしねぇ。いって10巻。頑張って20巻といったところでしょうか。まぁ、ライバルだしねぇ(2回目)。あ、ライバルで20巻まで行ったら伝説級だと思います。さすがにそこまで行くかはこれから次第ですけど、その分、作者の灘谷先生の腕の見せ所だと思います。頑張って欲しいですねぇ。




30手前になってでも、少年の心を大切にしたいなと思いながら読みました。楽しい面白いというよりは、ワクワクさせる作品になっていると思います。もちろんそれがライバルという雑誌の作品として大切な事項ですからね〜。あと、北欧神話には疎いので、どんな展開が待っているのか、どんな神が出てくるのかは気になるところ。そのあたりも期待しながら読んでいきたいと思います。まずは最後の最後に出てきたヨルムンガンドが何をしでかすか。ソアは立ち向かい倒せるのか。2巻以降の活躍も楽しみですな!!
・・・俺も神の力とか使えんだろうか。あ、そういや1個だけ不満があるので書いておきます。ヒロインはとっても大切ですよ!!出すなら早めが良いと思います。というか、1巻時点で欲しかったですねぇ。それだけが不満です。ま、出てくるかどうかは2巻からのお楽しみというこで(雑誌は読んでるので・・・)。