読むと子供がほしくなる?「プロチチ」



赤ん坊withお父さん

芦田愛菜ちゃんを育てたプロも読んだ!との帯文が目立つ「プロチチ」の1巻が出ました。この帯文はこれでいいんだろうか・・・。
さて、主人公の徳田直は専業主夫として一家を支えることになりました。家計は妻の徳田花歩が働くことで支えることになり、直のメインの仕事は・・・子育て!!ただ、直はどこかおかしい?どこか変わってる?


不安だ・・・

直はアスペルガー症候群らしいです。相手と視線をあわせることができない、予定外のことに対応できない、複数のことができない等々。そんな人が子育てに取り組む。常にイレギュラーな子育てに取り組む。これ・・・結構面白いですよ。
いい大学を出ている直ですが、きっと勉強もコツコツとできたのかと思います。しかし、勉強ができる=仕事ができるというわけではありません。色々と仕事をクビになったりしているらしく、結果的に主夫に落ち着いた徳田家。方程式を解くのとは違い、正解がない子育てなだけに、果たして適材適所かどうかは分かりませんが、一生懸命頑張る直にちょっと好感が持てます。


無職じゃなくプロのお父さんなんです

頭が混乱すると髪の毛をブチブチ抜くような直。本当は自分が働いて稼がなきゃいけないことを悩んでいました。まぁ、昼間っから散歩で出歩いていますからね。周りからも痛い目線を受けます。そんな中、一人の女性からかけてもらった言葉「プロのお父さん」が彼を大きく変えます。どんな仕事にあっても必要とされなかった自分に対し、唯一と言っていいほどに”彼を必要とする赤ん坊”がいるという事実を教えてもらいます。


「この子を育てる使命を帯びた父親なのだ」


自分の目標や目的が決まった時点で直の自信が徐々に増え続けます。彼は立派な父親です。
ちょっと面白かったのが、別の父親に「父親としての愛情って必要か?」との問われた時です。なんと直は「愛情は必要ない」と言い切ります。確かに愛情はあった方がいいけれども、「愛があって子育てしないのよりも、愛がなくても子育てする」方がいいと言いました。愛はコントロールできないいけど、世話は努力でどうにでもなると言いました。目から鱗というか、実に直らしいなぁと思える展開でした。




ただ、雨に濡れないようにと赤ん坊をしっかりと守る直からは愛情がたっぷり感じられました。直の性格上、これが愛情なんだという指標がない限り愛情を持っていますと言わなさそうなので・・・。


そしてそして、この作品の中である意味重要なのが妻の花歩さんだったり。



花歩さん無双

仕事仕事という女性ではありますが、決して家庭をおろそかにする人ではありません。直が人とちょっと違うな〜と思いつつも、彼の本当にいい部分を理解し愛しています。それが分かるエピソードが散りばめられていて・・・すごくいい!いや〜、この嫁ほしい!!


直という不確定なものが苦手な人間が子育てをする。赤ん坊を通してこれまでにはなかった人との繋がりができる。徳田家夫妻の関係。そして、子育てものとしての完成度。これはいい漫画だ。オススメです。