交わりたい平行線「flat」

大人と子供の差って何だと思いますか?身体の大きさでしょうか、お金を稼ぐことでしょうか、はたまただらしない格好をしないことでしょうか。
色々と考え方はありますが、俺としては「我慢」があるかないかだと思っています。何か耐えられないことがあった時に我慢できるかどうかが大人と子供の境という考え方はどうでしょう?時々、何でもかんでも怒る大人風の人たちが溢れかえっていますが、理不尽にも怒り出す姿を見て「子供みたいだな・・・」と思うことはありませんか?定義付けなんてキリはありませんけど、こういう考え方もアリかな〜と思います。



かなり前になってしまいますが、flatの3巻が発売されました。そういえばflatといえば「このマンガがすごい!2010」の第9位に選ばれていましたね。実は2009版でも21位に選ばれてたりします。徐々に人気が上がってきてる作品と言えますね。
flatという作品を端的に表現すると「グータラ男が子供に振り回されるお話」です。グータラ男こと平介のマイペースっぷりを見つつ、そんな平介が大好きな秋君を愛でなければいけない作品です。振り回される・・・という表現は多少言い過ぎかもしれませんが、秋君が平介を好きすぎるが故に平介が面倒に感じるわけで。ある意味組み合わせが良いようで悪い関係だったりします。



それにしてもまぁ・・・・平介には我慢が足りませんねぇ。学校の先生泣かせな生徒だと思います。逆に秋君は小さいのに既に我慢の人です。もう少し自分を表現してもいい年齢なのに、わがままは絶対に言いません。



我慢の子 秋君

人間のクズ 平介メンバー

最初に書いた言葉を借りるなら、子供のような大人と大人のような子供です。
ただ、そんな二人だからこそお互いの成長に影響しあいます。本当なら子供の面倒を見ることなんて嫌なはずの平介も、我慢して秋君に付き合います。心を許せる平介にだからこそ、秋君は我慢をちょっと緩めて子供らしさを出せます。何で平介が愛されてるんだよ・・・と嘆く読者は多いと思いますが、俺もその一人だったりします。うひー秋君可愛い!!!!!




労働を知らない人は分からないかもしれませんが、辛ければ辛いほど終わった後の開放感ったら言葉に表せません。秋君も絶っっっっ対に開放しない我慢を解き放つからこそ、その笑顔が超キュート。



スーパーラブリー秋君

この笑顔・・・・本当に天使すなぁ。秋君可愛いよ、ぐへへー。




そんなflatですが、ついに平介を嫌う男が登場します。名前は海藤。作品上では生真面目高校生として紹介されています。



まっすぐ自分の生き方は変えねぇ。それが海藤だ!

先生に言われたことはキッチリ実行。真面目に生きすぎて担任から疲れる人生だと揶揄されるほどであり(さすがにちょっと憤慨した)、先生の言いつけを守らなかった平介に面と向かって「気にくわない」と言い切る男です。この性格は平介とは全く異なるものであり、本来なら交わることのない者同士です。平介は決してDQNではありませんが、DQNと優等生が交わらないようなもののはず!!!?







そ れ な の に 










平介の人間関係が羨ましいと泣き出しやがった!!!最近の若者はどんだけ軟弱者なんだ・・・・と、ちょっと急に泣き出して驚きましたが、でも海藤の想いもちょっと分かる気もします。
生きるためのレールに沿って歩いていることが正解だと思っていたのに、ゆっくり立ち止まってきれいな景色を眺めている姿が羨ましくなったわけです。人間というのはたった一人で生きることは可能ですが、むしろそうしたいって人もたくさんいますが、どこか人と交わりたいと思い続けてるものです。

交わるまいと思っていた平行線でも意外と交わってみたいと思っているのかもしれません。むしろ、まっすぐ引いた2本の線も、実は心の底ではどう考えているのか分かりませんよ?そんな関係性だったのかなぁと平介と海藤を見て思いました。


勝手に自分の過去話ですが、ちょっと海藤の行き方が自分の高校生時代に似ている気がしました。それでも友達に恵まれたのは海藤とは紙一重の環境の違いだったかもしれません。たまたま友人がいたわけですが、もし海藤のように心許せる友人がいなかったとしたら、やはり平介を羨ましく思ったに違いありません。どう生きるかの正解は分かりませんが、それでも交わりあう線がたくさんあった方が楽しいはずです。








俺は秋君と友達になりたいけどね!!
秋君、秋君と我慢もなく言い続ける俺もまだまだ子供みたいなものですな。そんな馴れ合いが大好きな無駄話を今後もよろしくお願いします。



flat(3) (BLADE COMICS)

flat(3) (BLADE COMICS)