感想

○コミック

げんしけん (9) 限定版

げんしけん (9) 限定版

ついに、げんしけんも最終回となってしまいました。最初の頃はちょっとしつこい絵柄でアフタヌーンらしいなぁと思って読んでいた漫画もついにオタク漫画としてのある種の地位を築いてしまいました。長かったですが、その分読み応えもあり、酔い終わり方をした良作だと思います。


さて、9巻は何と言っても3話の書き下ろし、ドラマCD、同人誌の3点が気になるところ。

まず、書き下ろしですがオギー&スージーの話と年末年始のお話、オギーとササヤンのお話がありました(多分)。
まずはオギー&スージーなんですが、実はスージーが日本語を理解していたというのは驚きましたね。しかも、地味にオギーを慰めたり、ぱんつpleaseなことになったりと面白かったです。意外と仲いいんだよなぁ〜この二人。マスコットっぽいんですが、かなり裏がありそうな感じがスージーのいいとこです。メソみたいだな・・・。


それと、年末年始のお話は久しぶりに全員でのお話。何だかんだでいいキャラがたくさんいたんだなぁ〜としみじみ。咲や大野さんが飲むとかなりはじけるのは分かっていましたが、クッチーをあそこまでいじりきるのはさすが。女は強しとはこのことでしょう。そして、斑目の恋も実らず・・・。


もう一つの書下ろしが実は重要。オギーがついに雑誌に漫画を投稿するというところまできました。作中でササヤンがメジャー作家になると言い切っていますが、多分そうなるんでしょうねぇ。二人、二人三脚で・・。しかも、登校先がアフタヌーンというのもミソですよ。とはいえ、二人のやり取りが実に生々しかったのは木尾先生もってことか?


最後の最後には追い出しコンパのお話がありました。咲が萌えキャラになるかという討論であったんですが、そういうことより斑目の気持ちを咲が気付いていたかどうかがポイント。僕としては気付いていたと思っているんですが、二人のやり取りがかなり曖昧でして・・。どっちとも取れるような気もするんですよねぇ・・・。



最終話の感想の時も書いたんですが、げんしけんはそのまま日常が流れていくんですよ。数あるオタクの人たちのストーリーのほんの一部を切り取ったような漫画というスタンスを忘れない終わり方が絶妙でした。ハッピーでもバッドでもないノーマルな最終回が逆に良さを引き立てたと思います。
・・・せっかくのカラーなのにクッチーが写らず初代会長が写っているというのは恐ろしいなぁ・・・。





もう一つの特典であるドラマCDもなかなか良かったです。元々、いい声優陣を使っていたこともあって聞いててすんなりでした。そういや、オギーの声って気付かなかったです。最初っからでてくるのに誰?って感じでしたよ。ちなみに以下は豪華声優陣。
笹原完士:大山鎬則
斑目晴信:檜山修之
春日部咲:雪野五月
大野加奈子川澄綾子
荻上千佳:水橋かおり
高坂真琴斎賀みつき
田中総市郎:関智一
久我山光紀:乃村健次
朽木学:石田彰

・・・クッチーが石田さんなの!!?ちょいとビックリ。最後にはおまけで全員が色々(学生時代の思い出等)話してくれたのもあり、お得だと思われ。面白かったしね。







最後に同人誌の方ですが以下はリスト
みつみ美里
鳴子ハナハル
畑健二郎
森山大輔
鈴木次郎
沙村広明
石田敦子
瀬口たかひろ
藤木俊
犬上すくね
小梅けいと
安彦良和
きづきあきら+サトウナンキ
竹下けんじろう
安永航一郎
有馬啓太郎
篠房六郎
水橋かおり

もう読んでみるしかないね。絶対に面白い。げんしけん好きでこれらの作家陣を知っていればかなり楽しめると思います。というかみつみ美里さんのイラストがむちゃくちゃ可愛いんだが・・・。キャラの設定を完璧に上手く使っていたのは畑先生でした。あと、やはり設定づくりが全体的に上手くできてましたよ。ちなみに篠房六郎先生の話は納得もの。





・・・というわけで、ついにげんしけんともお別れですねぇ〜。非常に寂しいです。ここ最近はオタクの無茶な設定ばかりが目立つ漫画も多く、げんしけんのようなオタクらしさを出した漫画が消えてしまうのは残念。今後、こういった漫画がでてくるかは分かりませんが、いい意味での前例を作ったと思います。書下ろしを含めて木尾士目先生お疲れ様でした。次は「ツヴァイ」か「セカンドシーズン」か「トロイメント」かは分かりませんが、また読めるかもしれないことを期待しておきます。

まだ、読んだことない人も、そこそこのオタク知識あれば絶対に面白いから読んでもらいたいねぇ。