私のお家を探してください「アポロにさよなら・他」

当方、お部屋を探しております。

東京に引っ越ししてきてはや1年半。ようやく東京人らしくなれた?とか思うわけですが、仕事の関係で勤務地が変わりそうな雰囲気です。とはいえ、半年〜1年半後というまだまだ先のようなお話です。それでも住宅情報を見るのが好きです。次の勤務地がほぼUENOっぽいので、何線にしようかな?何県にしようかな?とか思う感じです。
個人的には、漫画の本を整理しやすいように広い所がいいな〜とか思ってます。今のところ常磐線あたりかなとか思ってますが、なにかアドバイスがあればください。昔は講談社に行きやすいところにしよう!とか思ってたのですが、全く意味ないことに気付きました。だって俺、講談社に行くことないし。




ちょっとお話は変わりますが、「東のくるめと隣のめぐる」という作品(※非講談社)があります。作者の我孫子祐先生が惚れ込んだ東久留米を舞台にしたラブコメです。我孫子先生、ラブやれるんだなぁとか思いながら読んでたのですが、そもそも舞台である東久留米への愛がすごい作品です。
家を探す時に、内装だけでなく、利便性だけでなく、その町が好きになれるといいな〜と思います。



というわけで、今回は“不動産漫画”のご紹介。





○吉祥寺だけが住みたい街ですか?



看板娘!?

ヤングマガジンサードで連載が始まったばかりの作品です。「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」という攻めに攻めたタイトルですが、吉祥寺の不動産屋で働く二人の女性社員(二人とも似てるということは?)が部屋や街をオススメするお話になってます。
これがまあ面白い。東京の街なんて〜と思ってた非都民時代。でも東京で住むようになったからこそ、興味の出る話題になったのかな〜と思ってます。


吉祥寺だけじゃないのよ、お部屋は〜ハッハーン

吉祥寺にずーっと住んでいた女性のために、お部屋を探した第1話。吉祥寺は良い街だということを紹介しつつ、住む場所は吉祥寺だけじゃないことを諭してくれてます。ちなみに、吉祥寺以外の街ということで、雑司が谷をオススメしています。
・・・・すみません。雑司が谷とか知りませんでした。←住んでる人ごめんなさい>□<
部屋探ししている女性が、在宅なお仕事だったり、古本屋が好きだったり〜という情報を元に雑司が谷をオススメすることに。お話のところどころに風景絵が出てきますが、確かにいい感じ!とか思いました。俺が住むかはまた別のお話ですが。


ノスタルジー

こんなお部屋がいい。こんな街並みがいい。それはもう人それぞれだと思います。
そんな“その人のため”の部屋探しを、不動産屋さんが会話をしながら選んでくれます。個人的に好きなところは、「この街のここがいい」というのを伝えてくれるところ。来月以降、どんな場所を紹介してくれるんだろう?と既に楽しみになっているわけですが、吉祥寺の不動産屋がどこまで足を伸ばせるのだろう?とも思ってみたり。
というか、二人の不動産屋さんの飄々とした会話、行動が面白い作品だと思います。飄々としているからこそ街の紹介を第三者的に見れるというか・・・・。少なくとも俺はこの不動産屋さんに行ってみたいと思いました。あと、例えば俺が今住んでいる街とか紹介されたらちょっと嬉しいかもしれません。これから東京で暮らそうと思っている人の参考にもなるかもしれませんね。もちろん、その街が〜という話題だけでなく、部屋選びに重要なポイントもあるので引っ越しを考えている人にも読んでもらいたいな〜と思います。
まぁ、何が一番驚いたかといえば、ヤンマガサードってこういう作品もアリなんだ?ということですが。前々から言っていますが、サードは何気に相当面白いです。







○アポロにさよなら・第1巻



きっと君が泣く。

こちらは別冊少年マガジン「アポロにさよなら」。今月に第1巻が出ました。連載開始時からすごく好きだった作品です。どちらかといえば、シリウスっぽいな〜と思ってた(設定的にも絵柄的にも)のですが、逆にそれがいい!というパターンです。


帰る家を探してこその不動産屋

この作品は2350年のお話で、2050年に地球へ隕石が衝突したという設定です。というわけで宇宙的な不動産屋物語となっています(いわゆる不動産SF)。そして、そんな世界で働く主人公のセンパイ、コウハイ、ドーラクといった面々、さらに家を探す人たちとの関わりあいを描いたものとなっています。
さすがに上で紹介した「吉祥寺〜」ほど地域感は醸し出せませんが、というか出せませんが(宇宙での地域感ってなんだ?)。ただし、少し変わったお客さんと、そのお客さんが望む部屋を結びつける過程での物語性・意外性はSF要素もあってなかなか面白いです。


自分の家を思い出せるかも?

さて、主人公のセンパイ。何でセンパイという名前かは置いといてですね。身体はほぼ作りもの。脳だけが本物といういわばサイボーグ的な存在。さらに脳だけが本物・・・・と言いつつも記憶がないという状況。もちろん物語として、記憶のキーが出てきてますが、そのあたりは後々といったところでしょうか。
そんなセンパイがなぜ不動産をやっているかというと、無くした記憶を取り戻すためだそうです。色んな星を巡ることでもしかしたら記憶が戻るかも?そんな動機を持って不動産屋をやっています。



家には人の繋がりがあるんですよ

1巻では4人に家を紹介しています。特殊な事情の少女(またの名を母親)、家族を奪われた女性、新興宗教から逃げ出した少女、妄想に苛まれるおじいさん。それぞれに事情があり、支えてくれる人がいて、家族が友人がいる。作品的に、部屋さがしと書いて人生と読む!ってレベルだと思います。それだけ繋がりというものを大切にしているわけで。
それを過去を無くしてしまったセンパイが紡ぐというのがなんとも・・・・。センパイの記憶が戻るといいですね。設定的には地球関連かな?とか思ってますが。


客と家とセンパイ

不動産屋さんにも当たり外れがあるような気がします。吉祥寺〜も、このアポロもいい不動産屋さんだなあと思いました。特にアポロではセンパイがお客さんのために、文字どおり体を張った仕事をしてくれます。さすがに今の現実世界ではあり得ませんが、それくらいの気概を持って不動産屋さんをやってほしいものです←
別マガという雑誌の色的に、戦ったりする展開や日常系の物語が多いような気がします。そのため、この作品がSFというなかなか無いジャンルなので、ちょっと目立つ作品だな〜と思ってました。それでいて、人のつながりを大切にする作品。帯文でも言っているとおり、泣いてしまうタイプの作品です。シリウスっぽいと書きましたが、だからこそ意義ある作品だなぁと思いますよ。オススメです。







・・・・部屋探すよりも彼女探すほうが先かも。