When You Wish Upon a Star「ベイビー・ワールドエンド・1巻」



ベイビー・ワールドエンド

別マガでは“別マガクリスマスフェア”http://kc.kodansha.co.jp/SEP/04783/02/betsumaga-xmasfair/)と題して色々とやっているようです。12月に発売する単行本のラインナップを見ると、これは力入れてしまうな〜と思うものばかり。進撃はもちろんのこと、他にも別マガプッシュ作品ばかり。そんな中、あえて推したい作品として「ベイビー・ワールドエンド」を挙げたいと思います。
この作品、かなり肝入りの作品だったりします。ツイッター等で連載開始前から編集さんからの絶賛の嵐。今までも連載前から話題にする作品は多々ありましたけど、別マガの編集部がここまで盛り上がるか!と思ったのはベイビーが初めてです。




世界が終わった日

ええ、ベイビー・ワールドエンドという作品は確かに凄い。本当に凄いものを感じます。基本的には“絶望”を感じさせるものではあるんですけど、その根幹には“切なさ”が漂っています。世界を呪った少女。その少女を憎む人々。そして、その少女を助けたいと思い続ける・・・犬。
少し話は変わりますが、皆さんは流れ星に願い事をしたことはあるでしょうか?一筋の流れ星では心許ないかもしれませんね。流星群が来た時には夜空を見上げて何か願ったりしましたか?自分は願い事がたくさんありすぎて、最後まで決めきれませんでした(笑)。





もし本当に願い事が叶う流れ星だったとしたら・・・。





そこで“世界の滅亡”を願ったとしたら・・・。






お前が死ねよ

少女は願います。みんな死ね・・・と。すると、叶えなくてもいい願いほど叶ってしまうもので・・・世界は滅んでしまいました。彼女は飯島ゆー子。普通の、いや、ちょっと根暗な(笑)、16歳の少女。そして、滅んだ世界の後に“魔女”と呼ばれる少女です。
ベイビー・ワールドエンドの世界ではゆー子ちゃんの願いが聞き入れられ、世界が滅んでしまいました。これが前提。そして、ゆー子ちゃんは普通の女の子だったということが大前提。ちょっと周囲の人間から裏切られる出来事に遭遇し、世界を呪ったら流れ星の奇跡で偶然叶ってしまった。それがベイビー・ワールドエンド。


山田が悪い

ゆー子ちゃんは友達がいません。唯一の友達は犬のポチくらい。ゆー子ちゃんはポチが大好きで、ポチもゆー子ちゃんが大好き。そんな関係。
ゆー子ちゃんは好きな人がいます。歌唱力はないけどバンドを組んでリンダリンダを歌う少年・山田。彼に恋して裏切られます。


山田は高いギターを買うためのお金を悪い先輩から借ります。もちろん返す手段もなく、自分に好意を持っていたゆー子ちゃんを売ります。自分の好きな人が優しくしてくれたな〜と思ったら、そのまま売り飛ばされた。この意味が分かりますか?単純な話、山田はクズってことです。俺のことが好きなら助けてくれよ・・・なんて普通言えますかね?挙句の果てにはポチをギターで殴りつけます。
これに絶望したゆー子ちゃんは魔女へと生まれ変わってしまうわけで・・・。いや、確かに山田が1話目でやったことを考えると、ソウルジェムも濁りますよ。ちょっと信じられませんわ。特にポチを殴るあたりは狂気を感じます。軽いノリなのかもしれませんけど、山田に優しくされたゆー子ちゃんの気持ちを考えると・・・切ない。





でまぁ、世界を呪いたくなることなんて、俺も日常茶飯事です。ただ、その願いが叶うとは思っていませんからねぇ。ベイビーはその願いを叶えてしまったというのがミソ。あと、ちょくちょく出てきてますけど、ポチは生きています。世界が滅びた後も生きています。ただし、人間になっていますが・・・。







ポチ「僕は山田くんが嫌いだよ」

星に願いを―。実は願った夢が叶ったのはゆー子ちゃんだけではありませんでした。あともう一人、もとい・・・もう一匹。犬のポチは「人間になってゆー子ちゃんを助けたい」と偶然願っていました。その夢が叶い、起きた時には人間になっていたという・・・。
この作品は、人間になったポチが、魔女と成り果てたゆー子ちゃんを助ける物語です。第1話でその世界が滅びるまでを描き、第2話以降でポチの奮闘記が描かれています。もちろん奮闘記というには生易しいほどの苦労が描かれていますけども・・・。







世界はどう変わったのか?








世界は狂ってしまいました(〃´・ω・`)ゞ

正確には東京だけ・・・ですかね。東京でゆー子ちゃんの王国?が築かれ、統治・・・とはちょっと違う、支配、洗脳されたゆー子ちゃんの世界が出来上がっていました。もちろん、その東京の一部を除いて、世界はボロボロになっています。
東京では今の暮らしと変わらない世界があり、まるで幸せそうな世界があります。もちろん人々は狂ってましたけど。逆に、東京の外では瓦礫の山の中で細々と生活する人たちがいるだけ。










東京は不気味な人たちばかりです・・・







ゆー子ちゃん、魔女、星の女王。すべて同一人物を指していますが、彼女は世界を呪い、世界を滅ぼしました。ポチは彼女を助けるべく東京へと足を向けますが、その世界もまた狂っていたわけでして・・・。その世界もゆー子ちゃんが望んだものなのか。もしくは何か違う願いがあったのか。色々と興味は尽きません。
どうしてもゆー子ちゃんがやってしまった事を思うと、ゆー子ちゃんがおかしいように見えてしまいます。ただ、何度でも言いたいのは、ゆー子ちゃんは至って普通の女の子だったということ。酷い目にあったということ。そして、偶然願いが叶ったということ。世界が不幸なのか、彼女が不幸なのか・・・。現状ではとてもハッキリ言えません。あとは、同じく願いを叶えてもらったポチが世界を救えるかどうか。・・・続きが、続きがとても気になります。




東京の外で人間のポチが出会った眼帯の少女の話がまた・・・泣かせます。東京にいる両親に会ったらやっぱり狂ってたとか・・・。切なすぎる。やっぱりこれも・・・ゆー子ちゃんが悪いのかなぁ。