少女×少女+少年の答え「彼女とカメラと彼女の季節」



犯すぞ(ボソッ)

少女が少女に「犯すぞ」と言うこの場面。積極的に百合系を読まない人間ですが、この一言にやられました。そしてメッチャ好きになりました。この作品は「彼女とカメラと彼女の季節」モーニング・ツーで連載している月子先生の作品です。
もちろん本当にいやらしい展開になるわけではありません。しかし、自身が惹かれた少女にこっそりと欲望を口にするわけです。この”ちょっとした欲望の開放”がとてもとても素敵で、俺の心を持っていきました。




あかり「私・・・ユキが、ユキの時間を私にくれるだけで幸せなの」

この人と一緒にいたい。この人の時間と共有したい。そんな感情ってあるじゃないですか。これまで無かったとしても、そんな相手が欲しいじゃないですか。それがたまたま女性だったというだけ。この作品は女性が女性に惹かれていく姿を描いていきます。
主人公の深山あかり、ユキに出会う前までは誰かと”とりあえず”群れていた時間を過ごしていました。もう1人の主人公・仙堂ユキ、あかりに出会うまでは孤高の少女として誰とも群れない生活をしていました。ただ、ユキはカメラのことになるとそれはもう夢中の夢中な性格をしています。普段は物静かな少女、カメラをかまえると無邪気な少女、まじまじと見ればそれはもう肌の白い同姓から見てもきれいな少女です。最初は興味本位にユキの後を追いかけたあかりを、ユキがパシャリとした瞬間から二人の関係が始まります。


1人の少女が1人の少女に夢中になっていく。決して背徳的なものではなく、純粋に純粋に深みにはまっていく姿に胸がドキドキしてしまいます。



らぶらぶちゅっちゅ

もしかすると自分にないものに惹かれているのかもしれません。群れに属していた時代から見ると、自分というものがしっかりしている当時のユキに見とれたのでしょう。ユキと話せればいい。ユキのカメラの中に自分がいればいい。どこかちょっとした程度の望みながら、自分にとっては大きな望み。そこからまさかちゅっちゅするとは・・・。おじさん、ちょっと羨ましくなっちゃうなぁ、あはは。
しかし、最初の頃のあかりからすればユキと一緒にいる方が明るく見えますし、イキイキしているようにも見えます。もちろん女子間の群れから離れるということで、いや〜な部分も見させられはしますが、あかりにとっては何でもないことへと変わっていきます。何故ならユキと一緒だから。




香川凛太郎という存在

一方で、ユキの幼馴染であり、あかりのことが好きだと大声で話す凛太郎という男性の存在も出てきます。正直言うと、ユキとあかりの関係ってよく分からないんですよね。確かにあかりはユキのことを恋愛的・・・とまで行かないまでも、好きなはずです。いや、ラヴ的に近いもののはず。しかし、ユキから見たあかりはラヴ的なのか??と少し考えてしまうんですよね。そんな中で凛太郎という存在が、ひっじょーに面白いことをしてくれています。


凛太郎はあかりが好き。そんなあかりはユキにホの字。さらにユキは凛太郎のことを・・・?という三角関係!!!!!!!!


・・・なんやこれ。
凛太郎のあかりへのアタックの仕方がものすごく好感が持てるんですよね。純粋に好きだって気持ちがでているんですよ。ユキがいなければ素敵な男女の恋愛漫画だってできたはず。しかし、この作品にはユキという存在がいるわけです。え、これどうなるんだろう・・・。気になる!気になる!気になる!!!!・・・そんな作品になっています。超オススメ。



誰か誰かを好きになるって当然のことなんですが、それが複雑であればあるほど・・・面白いですよね。当人たちには申し訳ないですけどw あと、この作品では青春としての恋愛の他にも、あかりが将来に悩んだり、家庭について悩んだり、ユキの家庭と比較してみたりしています。これからあかりが精神的に成長していくであろう過程も楽しみな作品です。
あ、月子先生といえばグフタで新連載が開始していますね。「つるつるとザラザラの間」という作品で、そちらも面白い恋愛をしています。そちらもあわせて楽しんでみてはいかがでしょう。何にせよ続きが気になる作品ですよ。グフタの2話以降も、カノカメ2巻以降も楽しみです。




そういや公式でも「カノカメ」って略しているんですけど、最初の頃からの勝手な省略で「カカカ」って呼んでました。もうカノカメとしか呼べない・・・。