応援が変える未来「アゲイン!!」

もう1度自分の人生をやり直すことができるとしたら、どこからやってみたいですか?俺は中学あたりからですかねぇ。中学からなら、もっといい青春が送れたに違いない。きっとそうに違いない(必死)。
週刊少年マガジンで連載中のアゲイン!!は、高校卒業を迎えた日に高校入学した日へとタイムスリップしてしまった二人の男女を描いた作品です。まぁ、全くといっていいほど二人に恋愛的な要素は見込めませんが・・・。というのも、主人公の今村金一郎が驚くほどにおかしい存在だからです。高校3年間で友人を作ることをせず、金髪の髪も伸ばしっぱなし。一緒にタイムスリップしてしまった藤枝暁がクラスの人気者であったため、ほとんど交わることがありませんでした。むしろ金一郎を怖がってた・・・?



まぁ、そんな金一郎たちですが、タイムスリップ(アゲイン)した先で高校の応援団に関わることになります。



ご乱心の応援団長・宇佐美先輩

さて、この作品のキモは実を言うと応援団長の宇佐美だったりします。金一郎がアゲインする前に思い出に残っていたのが宇佐美でした。たった一人の応援団として活動していた宇佐美のところに金一郎が加わることで未来が変わっていきます。この作品はそういうお話です。
とりあえず話の流れは置いといてですね、俺はこの宇佐美団長が超好きなんですよ。長い髪を結び、ちょっと太目の眉毛。ちょっと某ももクロに昔いた少女を思い出させてくれます。自分の実力不足を多少痛感しながらも、強がっては皆にワーワー言っています。まぁ、団長としての資質に欠ける部分も見て取れますが、可愛いのでOKです!




応援なんて楽しくない

そもそも根暗というか、人付き合いが全くできない男・金一郎にとって応援という行為は無理なものでした。しかも、その肝心な応援団は・・・崩壊寸前。さらにチアリーダー、野球部、吹奏楽といった面々との合同練習で宇佐美が風邪でダウンという状況。
そんな中でたった一人の応援団として面前に立たされた金一郎はキレだします。応援は楽しいって宇佐美から聞いていた。でも、今やらされている応援は全然楽しくない。挙句の果てには”俺を助けろ”と言い出すぶっ飛びぶり。ただ、”一人で応援していた団長の方が100倍かっこいい”という言葉にはグッと来ました。実際のところ、応援団なんて潰れていいと考えていた金一郎がまさかの団長を褒める言葉を発してビックリでした。



アゲイン前はその合同練習に金一郎がいなかった・・・ということだけ事実としてあります。そして、そのまま消えてしまったという事実もあります。そんな本当の未来の中、イレギュラーな存在として入った金一郎。彼がもたらしたものは、決して逆ギレという部分だけじゃなく、宇佐美の意固地な心を溶かし、宇佐美の周りに仲間という存在をもたらしました。



ずっと一緒に応援したかった(土下座)

1巻からずっと自分の意見を変えない人でした。自分の意見を聞けない人間がどんどんいなくなり、たった一人の応援団として活動していました。それが最後の最後、土下座しながら応援団に戻ってきてほしいと仲間に懇願しました。これは金一郎がもたらしたアゲインの結果です。それもこれも金一郎の叫びがもたらした結果です。




・・・で、合同練習は失敗に終わります。





入団おめでとう

まぁ、合同練習は失敗でしたが、応援団は大成功でした。宇佐美が皆を許容できたこと。重要なメンバーが戻ってきたこと。そして、金一郎が本当の団員として迎えられたこと。全てひっくるめて宇佐美団長がいい笑顔をしています。


消えてった応援団の中にいる

宇佐美をはじめとする旧来の応援団が金一郎の入団を祝してエールを送り、金一郎はそれに涙します。寂しい未来ではなく、本当の仲間を得られたからか。自分が動いて良い方向へと導くことができたからか。色んな感情が混じった大泣きでしたが、金一郎はここで未来を変えてしまったわけです。
その日無くなるはずの応援団はアゲインしてきた金一郎によって無くならなかった。そして、金一郎もそこにいる。金一郎がクラスに友達ができた〜とか、そういう小さなことではなく、もしかすると学校にとっても大きなものを残した可能性があります。応援は誰かを助けることができる。数ある応援団漫画はそう教えてくれました。本当の応援団がそろった今、ようやくアゲイン!!という作品が始まるのかもしれません。



いや〜、久保先生・・・モテキで燃え尽きてませんでしたよ!!アゲイン!!いいよ、すごくいい。最初のほうにも書いてますが宇佐美ちゃんが可愛くて素敵。そして、応援ものという久保先生の真骨頂が出ています。もちろんこれからが本番なんですけど、まだまだ楽しめそうで嬉しいです。
少し気になるのは、アゲインしたままでいくのかどうか。元の時代に戻るのか?もしかして行き来できちゃったりするのか?そのあたりは気になってます。あとは恋の行方とかも???そのあたりはこれからでしょうか。はたしてどうなるやら・・・。