憎らしいほどに悪、清々しいほどに悪「鉄風」

いやもうgood!アフタヌーンどうにかなんないかなぁ・・・。隔月じゃなくて毎月発売になってほしいんですけど。無理なんでしょうかね。例えば四季賞新人作家を大量につぎ込んで偶数月組と奇数月組にわけるという実質隔月雑誌とかダメでしょうか。まぁ、大人の世界はよく分かりませんな。

そんなgood!アフタヌーンことグフタで連載中の鉄風が面白いです。作者の太田モアレ先生については、今さら語ることがないんですが、もちろん四季賞作家さんです。名作「囚われクローン」「魔女が飛んだり飛ばなかったり」で四季賞を受賞し、読み切りをアフタヌーンに載せた後に満を持してグフタに連載しています。すぐに連載が持てると編集部に太鼓判を押されながら、四季賞受賞後に自分の絵をもっと上手くしたいとアシ修行をしていたそうです。そんな漫画家さんです。



こうやってボコボコにできたら素敵だと思う

芯のあるキャラクターを描きながら、どこかずれたような部分を残す作品が多いように思います。読んでてクセになります。不思議です。もちろん「鉄風」も例にもれず・・・主人公が変です。
主人公・石堂夏央は戦うという部分の才能に溢れていますが、それ故に充実している人間が憎いらしいです。天才は何でもできるから努力してる奴らが口惜しい。そんなよく分からない理論に縛られています。逆に言えば、そんなダークな人間が主人公をやっています。

現在は充実している人間代表の馬渡ゆず子をボッコボコにするべく練習に励んでいます。舞台はG-girl(女性のみの格闘大会)の新人トーナメント。ただ、総合を始めて日の浅い夏央にその資格があるかは不明。そんなわけで、通っているジムの師匠でもある紺谷に認めてもらうために小さい大会に出場します。



あいつ(夏央)才能ありますかね?

相手は同門の桐戸ハルカ。才能あるの〜?なんて言ってくれちゃってます。確かに経験値という点ではかなり分が悪い相手です。練習中もわりとハルカには苦戦していましたから・・・。






夏央が勝っちゃった・・・

才能の前に経験なんて関係なかったです^^
何でしょうね。やっぱり”試合”と”練習”は違うということでしょうか。夏央の目が日常や練習とは違ったように見えました。楽しんでる?本気で潰そうとしてる?よく分かりませんが、一味違ったのは事実です。帯文にもありましたが、まさに「石堂夏央、開花」って感じです。



まぁ、そんなこんなで紺谷さんが認めてくれます。認めてくれました・・・が、その時の”やり取り”がもう何て言うんでしょうね。嬉しくなっちゃうんですよ。何言ってるんだろうと思いつつ、悦れます。



ボコボコにされてこい





やだ、嬉しい(満面の笑み)

何だこの会話(´・ω・`)
いや、このわけの分からないやり取りが鉄風の魅力ですよ。
夏央をまともに舞台に上げてはいけない、格闘家として何かが欠落していると分かりつつも、その才能を見てみたいと思わせてしまう。強い弱いじゃなく、純粋にその才能がどうやって伸びるのかを見たい。そう思った桐谷。少なくともボコボコにされろという言葉に嘘はないはずです。一方の夏央は夏央で、自分が苦戦できる舞台を用意されたことに喜びを感じています。この師弟・・・おかしい??


そんな変な性格をしている夏央ですが、唯一と言ってもいい良心たる親友がいることが救いかもしれません。



ケイ「才能無いからやめろと・・・?」

普通の友達に当たり前の注意をされる。そんな部分が残っていて安心してしまいます。少なからず暴走を止めてくれるというのは、夏央にとっても良い傾向だと思います。もちろん普通の性格として生きるための・・・ではありますが。



夏央の兄との因縁、続々と登場してくるライバルたち、それと可哀想な我如古さん(←お気に入りです)が気になるところ。特に兄がきっと今の夏央の性格を作ったんだと思うんですが、何があったのかは後々という感じでしょうか。楽しみです。




ちょっと冒頭の話に戻りますが、今のペースで新人トーナメント、G-girlをやるとした場合に何年かかるのかってのが心配で心配で。やっとスタートラインだと思うんですけど、大丈夫??