心と心の繋がり・・・人、それを絆と言う!!「サヤビト」(※グフタのネタバレ)

別マガが大人気(もしくは進撃の巨人が大人気)ではあるんですが、それとライバルになる雑誌があまり見当たりません。最初はジャンプにとってのSQみたいなものかな?と思ったのですが、ちょっと違うかなという気もしてます。むしろ、同系列の雑誌としてgood!アフタヌーンがライバルに近いのでは??というのが結論です。
隔月誌ということもあり、まだまだマイナー感が否めませんがグフタは最強です。常々言っていますが、別マガは雑誌として好きです。グフタは個々の作品が好きです。どちらも素晴らしいものです。
別マガにはこのマンガがすごいで1位となった進撃の巨人があります。講談社界隈でもこれだけ飛びぬけて駆け上がった漫画も少ないこともあり、別マガにとっての進撃の巨人は最強の矛と言えます。では、グフタにとっては?・・・作品としてではないのですが、四季賞作家」という最強の盾がそれに相当するのではないかと。


グフタの中にいる四季賞作家さんでは鉄風太田モアレ先生が好きですね。1位・・・とはいきませんでしたが、このマンガがすごいでも10位以内に入っていました。




この高貴なひねくれ感がたまりません。ただのワガママ女に見えなくも無いですが、限りなく透明な邪さがなんとも・・・。
特に今月号ではG−girlという大会への意識の違いが鮮明になっていました。女子が最終目標にできる大会にしたいと思う面々に対し、自分の嫉妬だけのためなのでG−girlはちょっと興味ないと言う主人公。主人公のそれでもいいやという部分が魅力であり、(色々と)ハラハラさせられたり。
こうなった理由の1つでもある主人公の家族関係、G−girlに出場するのかどうかといった部分でもまだまだ見逃せません。ぬぬぬぬ。



また、今月のグフタの中に懐かしい(?)方が漫画を描いていました。山口甚八先生のことなんですけど、太田モアレ先生が四季賞を取った時の四季大賞の漫画家さんです。




やっぱり四季賞作家さんだけあって、読み切りのレベル高っっっ!!
トリッパーと呼ばれる少女を中心に人間模様を描いています。ちなみに、トリッパーとは急に他の次元や時間帯に跳んでしまう(元の世界から見たら消えた状態)人たちのこと。病気というよりはただの体質らしいんですが、そんなトリッパーに自分の好きな女の子がなったら?もし戻ってこなくなったら??という部分で、最後の最後にどんでん返し!!読みきりだからこそ出せる読後感が素晴らしかったです。
また読み切りでも連載でもいいので読んでみたいですねぇ。




そして、サヤビトですよ。



絆の物語「サヤビト」の4巻出ます

他作品に先駆けて4巻が出るそうです。今月のグフタが14号(○月号ではない連番)で、サヤビトは12話。どれだけ描いてるんだ!!話数以上にページ数が多いんでしょうね。自分のように文章を書いている人間もよく言っていますが、まとめる能力って大切なんですよ。それはもちろん漫画でもそうなんでしょうけど、それでもあれだけのページ数にがっつりと情報を載せるのもまた凄いと思います。しかも、それでクドくないんですよ!!すごい長文でもサックリと読めてしまう感覚に近いです。

伊咲先生は何と四季大賞、準入選、佳作を受賞されている猛者。サヤビトは準入賞作品のものですが、四季大賞を取った作品を今読んでもなかなか・・・。過去の四季賞の感想を読み返してみると・・・・・・伊咲先生のことすごく絶賛してました。「連載を持ったら面白そう」「アフタらしからぬ絵が逆に素敵」「瞳の描き方が素晴らしい」などなど。昔からトルドさんはブレない男です・・・。





ちょっと余談が過ぎましたが、これまでのサヤビトにとっても重要そうなお話が出てきました。
まず、ざっくりとサヤビトというお話を説明すると、兵器として人造された”サヤビト”とその”主人”の物語です。サヤビトは単体では行動ができず、主人の存在があってこそ行動が出来る存在です。そんなサヤビトを道具として扱う人間もいれば、家族として見つめるものもいます。
読んでいてサヤビトは兵器でも道具でもないなと思わされます。主人や大切な人のために悩み、考え、まっすぐ生きようとする姿は普通の人間と何も変わりません。動くための鍵がいること以外、完全に人間です。もう・・・読んでいると人と人の物語にしか見えません。むしろ、自分(サヤビト)が生きる価値を持つために主人に尽くすという『枷』が物語に味を持たせます。



誰かが誰かのために想い悩む姿って胸に来るんだよ・・・。


主人公コンビは世にも珍しいサヤビト同士が主従関係を結んでいます。リヴィアとクイファの2人がそうなんですが、特にリヴィアが不安定というか、心配になっちゃうというか・・・。時折見せる不安定さが非常に謎だったのですが、今月のお話で少しずつ見えてきました。
何とラスボスっぽいのが出てきました!!元々、サヤビトで悪いことばっかりしてる奴らがいたんですが、今回出てきた悪そうな奴はきっとその親玉でしょうね。・・・と思いつつ、そんな奴にリヴィアが仕えていたのかと驚き半分、やっぱりという気持ちも半分。そこがリヴィアにとっての不安定さに繋がっていたんでしょうね。もう少し過去が分かってくることを期待したい。


今回はリヴィアたちにとって重要なお話でした。1話に1度でいいから本気で笑顔になってるリヴィアが見たい。クイファとバカやってるリヴィアもいいんですが、本気の笑顔を常に見たい。そんなことを思いながら読んでいます。今回出てきた悪っぽいのを倒せば少しは笑ってくれるかなぁと祈る次第です。



まず絵で読める。そして読み応えがある。さらに、実は物語にグッとくる。そういう意味でもオススメの作品です。




ちょっと無駄話ですが、アフタでの毎月掲載でもっと話数があればアニメ化してもいいのにと思うほどです。願い叶わずの可能性の方が高いですが、そうなったらそうなったらで嬉しい。あと、実を言うとキャラの名前が全然覚えらんないっす。唯一いかんなぁと思う部分です。もちろん俺の努力不足ですが、今回の話でリヴィアの意味が分かって印象がガッツリ出てきました。そういう意味でもよかったなぁと思う次第です。