弱虫ペダル感想

今週の弱虫ペダルがものすっっっっっごい熱かったです。思わずチャンピオンを3回読み直しました。


スポーツ漫画を面白くする要素って色々あると思います。
どのスポーツか?年代は?ストーリー展開は?恋愛がからむのか?必殺技とかあるの?・・・etc
挙げればキリがないそれら要素の中でも特筆して重要なのはスポーツの楽しみと友情だと思います。



まず、スポーツ漫画を読んでいてどれくらい楽しいものなのかが伝わらないとダメです。
それは、俺もやってみたいという気持ちにさせたり、主人公に感情移入できるものであったりありますが、
まずは作中のキャラクターがどれだけ楽しんでいるかが見れなければ伝わってきません。
実際のスポーツでも適度な緊張感とその時その時を楽しむ気持ちが選手から伝わってきます。
楽しむことから得られる感動、見るものを魅了する熱さ・・・。
そういったものが漫画というジャンルにおいても描かれているといいんではないかと思います。


また、チームスポーツであれば仲間との信頼関係をどれだけ輝かしく魅せるか、
個人競技であってもいいライバルと出会い、
支えてくれる人、応援してくれる人、そんな人たちとの友情がとても大切。
誰か近くの人間と感動できたり悲しみあったり・・・。より一緒にいたからこそその気持ちも倍増します。
漫画という人に色んな気持ちを与えるジャンルであるからこそ、
スポーツ漫画という媒体にとっても友情が与える感動は計り知れません。



で、今週の弱虫ペダル
冒頭での「小野田くんの強さ」についての説明で、自転車という乗り物を楽しんでいるという説明があるわけです。
苦しいはずなのに笑顔で一生懸命になってペダルをこぎ続ける小野田くん。
特に監督が語る場面での小野田くんから「楽しむ」がひしひしと伝わってきました。
それは自転車を競技として何年も走り続けてきた先輩たちが忘れた感情。
少なくとも技術的な話が先に出てきた面々が置いてきた気持ち。
だからこそ・・・、先輩達が伝えれなかったからこそ、自転車の本当の姿を小野田くんに垣間見た気がします。



普通の漫画でもここまで描ききったら良作と言われるレベルです。
しかし、今週の弱虫ペダルはそれだけではありませんでした。


鳴子の失速―。


皆で楽しい楽しい自転車に乗っているということがモチベーションの小野田くん。
そんな時に楽しみを与えてくれるはずの鳴子が失速して一緒に走れなくなるわけです。
その光景を目の当たりかなりにすれば、小野田くんが動揺するのは当たり前です。かなりオロオロしてましたしね。


そして、そこから急に友情の話になるわけです。
自分を心配してくれる小野田くんの背中を押す鳴子。
自転車は確かに楽しいけど、その先にも見える光景があるから先に行け―。俺も後から追いついてやるから・・。
どれだけ友情を醸しているのかと。どれだけいい奴なんだと。鳴子が熱すぎる・・・・っ。
二人が一緒に走ったのはこれが二回目ですが、鳴子は小野田くんのことを本当に理解していますよね。
小野田という人間を知っているからこそ、小野田の足枷になることに気付く鳴子。
そこで背中をポンと押してやれる人間がどれだけいることか・・・。
しかもただ押すだけじゃなく、お土産まで持たせてくれました。
俺は鳴子が下りで復活してくれることを期待しています。頑張れよ!!!!



上述したようにスポーツ漫画に大切な二つを今週いっぺんに見れたわけです。
しかしですね?俺が思うに二つあわせただけでこんなに面白くなるわけがありません。
今週の面白さの最大の秘密は、楽しさと友情をうまく繋ぎあわせたことにあると思います。


皆と自転車という道具を使って楽しめることを知った小野田くんが、失速する鳴子を見てオロオロしました。
楽しんでいたからこそ失速というおあずけ状態に大慌てな分けです。
この瞬間、「楽しさの話→友情の話」へと昇華したわけです。
あまりにもうまい繋ぎ目のため、最初の衝撃を保ったまま次の衝撃へと移り、より大きな衝撃を生みました。
まさか漫画を読んでいて感動の二重の極みに出会えるとは・・・・。
今週、弱虫ペダルは俺の中で良作から名作へと変わりました。


次回以降もかなり楽しみになってきました。
ちなみにですが、小野田くんの弱点はダンシングあたりじゃないかな〜と思っています。
いくらなんでも乳酸がたまりすぎている様な気がします。


とりあえず、自分で見つけた自転車の楽しさ。鳴子から教えてもらったその次のステージ。
きっと今泉くんは勝負する中での楽しさを与えてくれるんじゃないかなと思います。
小野田、鳴子、今泉、彼ら三人はきっといいチームになると思います。
彼らにとっても、漫画としても、より上の高みを目指してもらいたいです。次回以降も期待大。

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

弱虫ペダル 2 (少年チャンピオン・コミックス)

弱虫ペダル 2 (少年チャンピオン・コミックス)