最上級の大好きを君に「四月は君の嘘・最終話」#ネタバレ #君嘘



四月は君の嘘」最終話

原作最終話のネタバレあります。興味がある人だけ読んでください。















↓↓↓以下、ネタバレ↓↓↓





























さよなら、かをちゃん・・・・

えっ!?









さよなら、かをちゃん・・・・

えええっ!?


かをちゃん、亡くなってしまいました。
全44話で紡いできた主人公・有馬公生とヒロイン・宮園かをりの物語は、かをりちゃんの死をもって終わりを迎えました。正直、ビックリしました。でも、前話の内容を考えると、少し予想していた・・・・のかもしれません。四月は君の嘘の最終話、かをりちゃんから貰った手紙を元に、彼女が何を思っていたかが描かれます。その手紙は、お墓の前でかをりちゃんのご両親が公生に渡したものです。


『遺言』


かをりちゃんが死んで残されることになる公生。そんな彼に宛てた最初で最後の手紙。








○かをちゃんの思い出



かをちゃんの願い

いきなりですが、公生を追いかける絵美が好きなんですよ。なので、ずーっとアニメの8話(「響け」)を見ています。あんなに一途な気持ちをぶつける彼女に胸が熱くなるわけで。そんな絵美は、子供の頃に見た公生のピアノ演奏が忘れられず、自らもピアニストを目指しました。

どうやらあの日、かをりちゃんもいたようです。絵美が泣いたあの少年公生の最初の演奏。あの演奏を、かをりちゃんも聴いていたようです。そして、そんな彼女が選んだのはヴァイオリニスト。
「公生にピアノを弾いてほしい」。
ピアノ道を追いかける者ではなく、一緒に、同じ舞台で―。
彼女が選んだ道は、ただただ恋する女の子の、公生に恋焦がれた結論だったように思えます。絵見が選んだ道とはまた違った道。ただ、そのおかげで公生はピアノを始めたわけです。ちょっと変わったヴァイオリニスト、いや、公生のことが好きな女の子と出会い、公生は音楽を取り戻していったわけです。そして、それこそが四月は君の嘘でした。
残念なことに、公生との共演は一度きりとなったわけですが、それでもかをりちゃんの願いは叶い、公生は空を見上げることができたわけで。死ぬのだろうと覚悟していた彼女を思うと、“アゲイン!”と言ったあの時の気持ちを思うと、一途すぎるかをりちゃんに・・・・何と言ってよいやら。





○君の嘘



四月は君の嘘という物語

「君」という単語は非常に有効的に使われていたように思います。決してお互いのことを苗字や名前で呼ばない。かをりちゃんが数回、「有馬公生君」と公生を呼んだことはあります。お互いがいないときは、苗字で呼んだりしていました。そんな関係性が二人にはあったわけで。
一方、「嘘」という単語は謎めいていました。何の嘘なのか。何が嘘なのか。まぁ、大方の予想通り「本当は渡ではなく公生が好き」という嘘だったわけですが・・・・。知ってた!と読者全員が言いそうですね。
個人的に好きなのは、かをりちゃんが椿に公生をどう思うかと聞いた時、「弟みたいなもの」と言った展開。この時、かをりちゃんは椿が公生のことを好きだって知ってたんですよ。でも返ってきた回答は「弟」。逆に椿がかをちゃんに同じ質問をした時「弟みたいなもの」と回答するわけですよ。いやいや、それって好きってことじゃないか。宣戦布告じゃないか。ちょっと微笑ましくて好きな場面です。

余談ですが、かをりちゃんが渡について語っていた場面で出てくる“クレープ”は小説版での物語です。気になる方は読んでみてはいかがでしょうか。





○君を見ていた



中学も一緒でした

昔のかをりちゃんはメガネをしていたようです。しかも同じ中学だったわけです。でも、公生の周囲は椿や渡がいました。そんなところに入り込めるわけもなく。でも、でも、憧れは強くなるばかり。
かをりちゃんは身体が弱く、いつも入退院していました。自らの死期を悟った時、彼女は走りだします。メガネをやめ、公生に近付くわけです。渡が好きだと嘘をついてまで、椿に遠慮してまで、公生に近づきます。その後、彼女の願いが叶うわけですが、その物語はとても愛おしいものだったと思います。かをりちゃんの真意を知った今では、彼女の一途な物語がとてもとても愛おしい。


公生という少年

覚悟を決めたかをりちゃんが出会った男の子は、理想とちょっと違い、でも思ったとおりの男の子だったようです。一途な彼女のことを思うと、それがちょっと・・・・嬉しいですね。







カラフルに色付く

四月は君の嘘という作品は、きっと公生がかをりちゃんを好きだって物語なんだろうな〜なんて思ってました。違います。この作品は、かをりちゃんの公生に対する大好きが溢れた作品です。初めて出会った(と公生が思ってる)時、第1話のあの時、かをりちゃんの景色がカラフルになりました。

死ぬことを覚悟した彼女が、嘘をつき、公生と演奏をしたいという願いが叶うところまできました。彼女は泣いていました。彼女は・・・・泣いていたんです。








くじけそうになる私を支えてください

この場面、アニメ監督のイシグロさんも好きな場面だと言っていました。自分もこの場面が本当に好き。この一コマで漫画の面白さに対する説得力があると信じています。
彼女は伴奏を泣きながら頼みました。くじけそうになる自分を支えてほしいと懇願しました。それは、死期を悟った彼女の叶えたい願いへの涙だったのでしょうね。そうか、彼女は・・・・本当にくじけそうになっていたのかもしれない。あれが彼女なりの“ありったけの自分”だったのかもしれない。そうか、そうなんだな・・・・。







○かをりちゃんの気持ち



最初で最後のプロポーズ

お互いがお互いのことを好きだなんて、みーんな知ってました。かをりちゃんが嘘をつかなければ、また違った恋の形があったかもしれません。でもきっと、二人が出会うこともなかったかもしれませんね。


『ラブレター』


最終話では、かをりちゃんが公生に宛てた手紙で物語が進みます。死を覚悟した彼女が残した手紙は、最初で最後のラブレターだったのだろうと思います。どう読んでも遺言めいたものではありません。これはラブレターです。好きな気持ちが届いてほしいと、そんな気持ちをありったけ詰め込んだラブレター。
そのラブレターは公生との思い出がたくさん詰まってました。自分を忘れないでほしいという願いが込められていました。たくさんのごめんなさいが書かれていました。そして、大きな大きな「大好き」がありました。








○かをりちゃんの宝物



たまたま

ラブレターにはかをりちゃんの宝物が同封されていました。その宝物は、かをりちゃんが公生を想い続けた大切な証拠です。公生とたまたま一緒になった写真をずーっと見ながら、公生との演奏を楽しみにしていたのでしょうかね。なんだろう、すんごく切ない。







有馬公生は二度目の大切な人の死を迎えました。でも、最終話の彼は前を向いてました。東日本コンクールで共演できたこと、舞台の上でお別れできたことが大きかったかもしれません。ちょっとまだ俺は立ち直れませんが(笑)。
中学三年生の四月にかをりちゃんと出会った公生が恋をし、ピアノを取り戻す物語。公生のかをりちゃんへの恋を描き、かをりちゃんの公生への一途な想いを描いた作品でした。とても良い作品でしたよ。まぁ、まだまだあーだこーだ言えますけど、もう全てが蛇足ですね。もうすぐ最終巻も出ますし、ぜひぜひ色んな人に読んでもらいたいなぁ。誰かが誰かのことを好きだって物語が好きなら、オススメですよね。アニメも楽しみです。布教しなきゃ!
とりあえず、今はもう“ありがとう”という言葉以外思い浮かびません。何にありがとうと言っているのかもよくわかっていません。でも、とりあえずありがとうと言わせてください。本当に本当にありがとう。素敵な物語をありがとう。どこかで続きめいたものが読めるのなら、それも楽しみだなぁ。まずは最終巻を楽しみに待ちたいと思います。