巨人世界は複雑なようです「進撃の巨人・9巻」

○表紙を見ながら思ったこと・・・



9巻表紙・・・

進撃の巨人がアニメ化します。いやぁ、すごい世の中になったものです。別冊少年マガジンで第1話を読んだ時、まさかここまで来るとは思ってもいませんでした。さらには講談社を代表する作品になるとは・・・。PVも既に公開されていますが、期待値はかなり高いです!!!
さて、9巻の表紙を見ながら色々と考えていました。何か不思議だなぁ・・・と。もちろん裏表紙からアニが消えていることは一目瞭然なわけですけどね。あ、先にアニについて書いておきますが、死んだ=裏表紙から消えるというわけではないんですよね。エレンが一度消えていますが、別にしんだわけでもなかったですし。また戻ってきたら裏表紙にも出てくるでしょう。
で、不思議だなと思った内容についてですが、いや、これ自体はずっと思ってきたことなんですけど、「表紙と本編の内容が一致しない」んですよねぇ。9巻の表紙は獣の巨人(以下、キャプテンと呼びます)+エレン+ミカサ。こんなシーンはないんですよ。もっと言えば、1巻からずっと本編に描かれていない内容が多いです。きっとどこかの並行世界ではあり得るんでしょうけども。7巻なんてとても顕著です。エレンゲリオンがオルオたちと共闘してアキ子さんに襲いかかっています。これは存在しなかった未来。
1巻だと超大型巨人を上からエレンが襲うシーンはなかったりします。2巻なら表紙の巨人をミカサが倒した形跡はありません。3巻だと中途半端なエレンゲをアルミンが見上げるという場面はありません。4巻、5巻はあり得たかもしれないですが、本編でハッキリとした描写はないです。6巻のようにアルミンたち3人が多くの巨人と対峙したわけではありません。8巻では、エレンゲとミカサは共闘していません。ここまでくるとただのイチャモンですけどね〜。
いや、7巻もそうでしたが、9巻では意図的にやってるんじゃないかと思わされたので、とりあえず列記してみました。大した話ではないと思います。




というわけで、いつもの通り毎月の感想を置いておきます。

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9巻の感想:謎が多すぎますごめんなさい・・・今回は長いです。いや、今回も・・・か?






○壁は壊れた?壊された?



事実上だと・・・!?

8巻の終わりに大変な出来事が起きてしまいました。ウォール・ローゼにいるはずのない巨人が現れた。この事実は相当の衝撃を生みました。ローゼ内に巨人がいる=ローゼが破壊されたということです。つまり、1巻での惨劇の再来になるわけで・・・。その重大事件に気付いたのは、調査兵団の数人と104期生の面々。その中には、ライナー、ベルトルト、コニー、サシャ、クリスタ、ソバカス等々。エレンやミカサといった主人公sはもちろん別行動。・・・これでジャンかアルミンが黒幕だったら面白いのに。
というわけで、調査兵団はこの緊急事態に対し、周囲への注意喚起+ローゼに開いたと思われる穴の確認を行います。穴が開いたと思われる方向には、コニーやサシャの生まれ故郷がありました。彼らからすれば親が巨人に殺されている可能性があるわけですよ。きっと気が気でないはずです。



さて、壁はどうやって壊されたのか。誰が壊したのか。また人間が関与しているのか。雑誌掲載時は相当にハラハラしました。




穴は見つからなかった???

しかし、巨人が通れるような穴はありませんでした。調査兵団のナナバとゲルガーによってそれぞれ率いられた団員が壁沿いに確認してみたものの、穴は無かったのです。確かに、過去のウォール・マリア突破時には通常の壁ではなく、壁に設置された扉部を壊すなどをして巨人は侵入してきました。もちろん扉部が通常の壁より弱いため容易く壊せたわけですけど、今回の壁破壊についてはどこを壊したのか疑問符が付いていたんですよねぇ。
結局、調査の結果・・・壁は壊れていなかった。ここで残る疑問は当然1つ。巨人はどこからやって来たのか・・・?








○穴を塞ぐ方法がある・・・!?



アニの肉が消えない・・・!?

一方、アニを捕まえるために行動していたエレンたちのお話も興味をそそる内容でした。テーマは“壁”について。先にアニについてですが、8巻でアニが女型巨人であることが発覚し、捕獲寸前までいきました。しかし、アニは透明な結晶のようなものに閉じこもってしまいます。決して普通の武器では壊せない決勝の中で眠り続けるアニ。そんなアニが変身を解除した後、何故か肉片が残っていたそうです。
巨人は基本的に気体となって消えていきます。しかし、アニの肉片は消えずに残っていた・・・。しかもハンジさんの調査により、壁を構成する物質に類似したものだと分かります。壁は大型の巨人によって構成されている。そして、アニの肉片は壁に似ていた。これはつまり・・・意図的に壁を作り出せるということに他なりません。というわけで、エレンにもその能力に開花してもらって、壁の穴を塞ごうという計画が実行されます。えっ、壁補完計画とかって名前付けていいですか・・・?
結構リスクが大きですが、成功した場合のリターンも相当大きい計画だと思います。一つ気になるのは、エレンが壁を構成したとして無事なのかどうなのか。あと、そもそもできるのかってこと。あわせて壁まで行けるのかどうかってことですかねぇ。夜中に行けば大丈夫じゃね?という計画なんですけど、9巻に出てくる巨人たちって・・・夜間行動しまくりなんですよねぇ。不安です。


まぁ、このハンジさんたちの話で一番の謎は、壁と肉片の構成をあの顕微鏡で調べられるのかってことなんですけどね。ちょっと難しいと思うわ・・・。








○世界の謎を知る権利を持つ少女



壁の秘密を知ってるんやで

壁の中に巨人がいる。これは8巻の中でも相当の衝撃を与えた出来事です。壁が壊れることが世界の絶望だと思っていたこれまでの概念を覆すものでした。そもそも、巨人が壁の中にいる。見方によっては巨人=壁が守ってくれていた。しかも、それをニック司祭は隠していたわけです。
胡散臭いなぁと思っていましたが、まさか宗教家が世界の謎を知っているだなんて思っていませんでしたわ。8巻では全てを吐かせようと、ハンジさんが壁の上から突き落とそうとしてみたり。しかし、ニック司祭は全く喋ろうともしませんで・・・。まぁ、そんなニック司祭でしたが、逃げ惑う人々、不安そうな子どもたちの顔を見てちょっとだけ心変わりしてくれました。その妥協案が「権利のある者に伝えること」。世界の謎、例えばここでは壁の中の巨人になるわけですけど、それらを知ることができる人間がいるわけです。言い換えれば責任を押し付けている(=唯一人々に世界の秘密を話せるという重大任務)わけです。壁の中の巨人だけでも相当な秘密だと思いますが、それ以上のことを知ることができる。ヘタをすると世界が混乱どころか・・・滅びたり??



・・・そして、その権利のある者とは






大天使クリスタちゃんでしたー^^

進撃のペロペロ率No.1のクリスタちゃんが実は“選ばれた血族”の人間らしいです。唯一まともなキャラだと思っていたら、そんなことが・・・。他には巨人化できそうな奴とか、ストーカーやバカばっかりなんですけど。数少ないまともな人間が、重要なキャラだったとは・・・。そうそう、クリスタちゃんといえば、ランキング10位だったんですよね。それは後述するソバカスさんが一役買っていたそうです。この二人の関係は9巻ではそれほど描ききっていないようなので、10巻以降に期待かもしれませんね。
さて、クリスタ・レンズという名前は偽名だったらしいです。血族の争いに巻き込まれ、偽名を使って今の生活に至っているようです。宗教家関連の家なのかな〜と思いつつ、地味に王家の血筋だったらどうしましょうね。意外とありえるかも??何にせよ、これまで全く注目されていなかったクリスタが話の中心となるのか・・・。まさかとは思うけど、諫山先生・・・秘密を知る前にクリスタを殺したりしないでよ>□<








○謎の巨人がいっぱいいっぱい



ズズズ・・・

9巻は語るべきことが多すぎますね。何と謎の巨人が登場しています。この表紙にも登場している謎の巨人についてですが、35話のタイトルの中で「獣の巨人」という名前が付けられています。彼についてはずっとキャプテンと呼んできたので、今後もキャプテンと言い続けますw あと、雑誌掲載時の35話タイトルって「光り輝く少年の瞳」だったんですよね。あえてタイトルを変えてきています。そもそも少年が誰を指しているのか?*1という点もありますが、それ以上に獣の巨人という存在が大きくて・・・。
ちなみに喋ります。あと、体毛があるのも特徴です。そして、巨人に命令が出せます。特に最後の命令を出せるというのは凄いですね!!もしかすると今までの巨人も命令で動いていたのかもしれませんね。ただの群れではなく、統率のとれたグループだったかもしれないというのは驚きです。


そんなキャプテンですが、他の巨人を使ってミケを殺しています。あと、ミケの立体機動装置を奪い消えて行きました。もう何がなんだか分かりません・・・。





コニーの村にて

キャプテン以外にも謎の巨人がワラワラと発生しています。先の壁の穴についても書いていますが、結局は今回の巨人たちがどこから来たのか分からないんです。で、コニーの生家で見つけた不思議な巨人。どこから来たのか分からない。というか手足が細すぎて歩けない巨人なんです。しかも、コニーに対して「オアエリ(おかえり?)」という言葉を発しました。
巨人に襲われたのに、血の跡一つない状況。そして、人が逃げた形跡もない。あと、よくよく見ると・・・家の中から壊れたんじゃないか?と思わされる瓦礫の数々(壊れた壁が家の内側じゃなく、外側に広がっている)。これは・・・人間が巨人化してしまったのか・・・?そうとしか考えられないんですけど(オロオロ)。
何度も言いますが、壁は壊れてないんです。壊れていないのに巨人が大量発生した。そしてコニーの故郷の状況を踏まえると・・・そう考えるしかないですよね。その原因を考えると、たどり着くのはやはりキャプテンか・・・。キャプテンが何らかの方法で普通の人間を巨人化させた。命令可能な理由は不明ですけどねぇ。あと、今までの巨人と違い、“夜も活動が可能”という特徴を持っています。これにより、先述していますが、エレンたちの夜間行動も怖いものとなってしまいました。あと、アニも暗闇で動けるんだなぁとか、壁の中の巨人は夜間行動できないのか?とか思ってみたり。色々と不思議なことばかりです。








○あなたが・・・ユミルか・・・
ここまでの気になった事項を書いておくと、壁の破壊の有無、壁補完計画、世界の謎を知ることができる少女、謎の巨人たち。こんなところでしょうか。ただ、これだけ盛りだくさんの9巻の中にあって、最も驚いた事項は「ユミル」です。このユミルとは、あのイルゼ・ラングナーが出会った巨人が喋った言葉です。ユミルという存在に平伏し、ユミルを敬うような行動をとりました。9巻ではそんなユミルについても描かれます。




そもそもユミルとは―







お前がユミルか!!

「ソバカス=ユミル」でしたああああああああああああああああ。まさかまさかの展開に少々動悸が激しくなりそうです。おいおいおい、ソバカスさんがまさかユミルだとは思ってもいませんでしたよ。えっ、逆に言いたいんだけど、何で今まで気付かなかったん???もっと早く気付いていれば、色々と変わったかもしれないというのに・・・。
先に余談ですが、ではどうして平伏した巨人はユミルではないイルゼに反応したんでしょう。ちょっとじっくり見たところ、イルゼも確かにちょびっとソバカスがあるんですけど、何か関係するのでしょうかね??あと黒髪ショートってところも似てますけど・・・。本当にそんなことで反応するの??不思議だわぁ・・・。


さて、ソバカスがユミルであることが発覚し、色々とボロが出てきます。





ニシンとは・・・

とある場面ですが、ユミルが“ニシンの缶詰”に言及しています。なお、ライナーは“ニシン”という文字が読めませんでした。あと、仮にあの鰊と同じものであるならば・・・鰊は海洋魚なんですよねぇ。何で外の世界でしか出合えなさそうなものにユミルさんは気付いたんでしょう。まさか・・・彼女は外から来た・・・?ははは、まさかね〜。





もちろんユミルについても気になるところですが、あわせてライナーについても書いておきたいと思います。



アホだと思っていたコニーが地味に今回の騒動の原因について気付きはじめているようにも見えます。それは、人間が巨人化したのでは?というもの。しかし、そんなコニーの発言に対し、ライナーとユミルが真っ向から否定しています。エレンという存在がいることを考えると、そんなにおかしくないと思うんですけどねぇ。それなのに、ユミルとライナーは馬鹿にした発言、もとい誤魔化そうとしていました。不思議な事に、二人共口裏をあわせたわけではないんです・・・。



唖然とする三人・・・

何故かキャプテンを見た時の反応もリンクしていました。不思議ですねぇ。こんなに同じ行動をするでしょうか?しかも巨人関連で。ユミル、ライナー、あと加えてベルトルトも何か知っているのかもしれませんね。ただ、ユミルとライナーたちは同じ連合ではない。そう見るのが妥当でしょうかね・・・。








○時間について修正があったようです
巨人○○より0時間後:巨人がミケたちの近くへ。(明るい)

巨人○○より1時間以内:ミケ死亡。(明るい)

巨人発見より5時間後:サシャが村に到着。(明るい)

巨人出現より7時間後:クリスタとユミルが会話。西班から離れたいという提案の却下。(明るい)

巨人発見より8時間後:エルミハ区、トロスト区に伝令到達。(明るい)

巨人出現より9時間後:コニーが自分の村に到着。(夕方)
巨人出現より9時間後:リコさんたちが巨人を細々と倒す。(夕方)
巨人出現より9時間後:ハンネスさんが壁周辺を警備。(夕方)
巨人○○より9時間後?:ハンジさんが壁の上でたそがれる。(夕方)

巨人出現より11時間後:ライナーたちがユミルたちと合流。壁に異常なし。(暗い)

巨人○○より12時間後:ストヘス区(エルヴィン)に伝令到達。(?)

巨人発見より16時間後:馬車内会議。夜間行動によるエレンの壁塞ぎ作戦決定。(暗い)

巨人発見より17時間後:エレンたちがウトガルド城を目指す。(暗い)



赤文字は雑誌掲載時からの変更になっています。以前にも書きましたが、ちょっと時間がおかしかったので、雑誌掲載時のものからは大きく変わっています。そのおかげか、矛盾のないものとなったように感じます。少し気になるのは「出現」「発見」の違いですかね。○○と書いたのは、特に出現・発見の明記がなかっただけです。
パッと見ですが、巨人発見〜と書いている場合、エレンたちの中央寄りの班が中心となっているように見えます。そうなると、サシャが関係ないのか。あ、逆にキャプテンやウトガルド城に関係しない班が発見になってるのかも??それほど大きな違いになるとは思いませんけどねぇ。








9巻は本当にすごかったですね。終始、謎しか無いです。あと、サシャはネーム段階では死ぬ予定だったそうです。彼女が生きていてホッとしています。ここから誰が死んでしまうのか・・・。死亡フラグとか関係なしに死んでいくので、怖いです。超怖いです。・・・そして次は記念すべき10巻目。アニメ化とほぼ同時に出そうな予感?非常に楽しみです。



*1:ミケを食べようとした巨人のことだったのか?