風俗王に俺はなる!!!「匿名の彼女たち・最終話」
ついに終わってしまった・・・・。
ヤンマガが誇る風俗叙情詩「匿名の彼女たち」、またの名を「風俗版孤独のグルメ」。2011年から続く風俗ぶらり旅が終わってしまいました。66話、全6巻、よく続いたなと割と本気で思います。
いくらヤンマガとはいえ、テーマが風俗ってのはなかなか攻めいてましたね。不定期連載ながらヤンマガでもかなり人気が高かったと思うのですが、突然最終回を月刊ヤンマガでやると告知し、6月~8月の3か月で最終シリーズをやることに。長く続いたとも言えますが、まだまだ続けられたとも言えますし、時代が時代だから終わったのだとも取れます。まぁ、もっとエロいことをやっているヤンマガ作品とかたくさんあるんですけどね。
内示はいつも、突然に
山下貴大33歳、趣味・風俗。そんな彼が、月刊ヤンマガに飛ばされると共に、エチオピアへと飛ばされることになります(出世コースとのことですが)。
なお、最後のヤンマガのお話が「ヤク中の女」という社会派のお話でした。それがヤンマガ連載の最後でいいのかな?とも思ったのですが、いつかはやりたかった内容なのでしょう。なんせ、社会派漫画ですから。
ゲソから始まる物語・第64話
さて、社会派漫画としての階段をのぼりつめた作品として、最後の3話で何をみせてくれるのか。そんな期待を込めて始まったのが、まさかの「郷田さん物語」でした。しかも3か月連続。※郷田さんは山下の後輩でサブレギュラーです。
わざわざ説明しなくても知ってるぞと言われそうですが、「匿名の彼女たち」では単発話じゃなかったお話がこれまで2回しかありません。1つは2巻収録の第21話、第22話。もう1つは第43話、第44話。そして3回目となる今回が第64話~第66話(3話連続は初!)。ちょうど20話あたりで続き物を描いています。常識でしたね。
ここで重要なのが、実はこれまでの2回で郷田さんが出てきていたということ。そして、最終シリーズも郷田さんが出てくると序盤で分かるのですが、それがゲソを食った場面だったりします。この店へは、第43話にて郷田さんとゲソを食べてます。優秀な匿名の彼女たちファンは思ったはずです。
ゲソから始まる物語・第43話
ああ・・・・最終シリーズはやはり郷田さんだな、と。
最初はちょっとした話
郷田さんの初登場は第21話。山下が後輩として指導した女の子だと紹介され、山下の同期と付き合い始めたという流れ。まぁ、第43話で別れたことが明らかにされていますが。
ここでは山下が他人と深く付き合うことを避けてきたことが示唆され、それが後々の郷田さんとの恋物語?に深くかかわっていくことに。風俗が大好きな山下だからこそ、女性とは割り切った考えで生きてきたというわけで。彼女や家族を持つことに、どこか及び腰な主人公がそこにはいました。
君が好きだから
そこから、第43話で郷田さんのデリヘル堕ちが発覚します。普通のOLだって風俗やるんやで、君の隣の女の子も?・・・・なんてことを問うた社会派物語。その流れからまさか山下の告白イベントが発生するとは思いませんでしたね。
ここでは残念ながら付き合うことはなく、もちろん突きあうこともなく。むしろ、色々とお互いに思わせぶりな雰囲気なまま、郷田さんは彼女は会社を辞めていきます。話は本筋からずれますが、自分の知り合いがそういうお店に出てたらどう思いますかね?意外と興奮するかもしれませんが・・・・。
郷田さんがデリった理由
ちなみに、第44話では彼女が会社を辞めた理由が噂されていました。弟が事故っただの、父親が倒れただの。会社の噂なんて適当なもので、本当に裏取りしたのかさえ分かりません。山下も思ったはずです。こういう真偽不明な理由が噂話になるところが会社の嫌なところだなって。
倒れた父親
本当でしたけど。
会社の噂すげー!!!第65話で明らかになった郷田さんちの家庭事情。本当に父親が倒れていました。もっと言っておくべきことは、山下が過去の経歴書を使って郷田さんの実家へ行ったという犯罪まがいの手法をとったこと(※やってはいけません)。それほど会いたかった女性だったということ。郷田パパが巨根だったということ。
抱きつ抱かれつ
まぁ、なんやかんやあって、二人は結ばれることに(身体のみ)。ここから本当のテーマの?好きだ嫌いだという深い深い話になりますが、その辺は割愛。とりあえず、愛が恥丘を救うのって難しいことなんだね(しみじみ)。
エチオピアに風俗はあるかな?
複雑な心情もあって、ぶっちゃけ結婚するようなことにはなってません。そこから衝撃的な展開を迎えますが、わりと衝撃的な展開となりますが、とりあえず山下は単身エチオピアへ行くことに(4年ほど)。風俗王になるために、海外の風俗を見に行った・・・・わけではなく、普通に転勤で行きました。
最終巻となる第6巻では、描き下ろしがあるようなので、エチオピア風俗とかやったら面白いなとは思ってますが・・・・。
これも一つのサラリーマン物語
そして、最後の最後。山下の背中で終わるこの風俗叙情詩。ああ、山下の風俗物語はまだまだ続くんだな、孤独のグルメでありそうだなと思わせた最後の一コマ。
続けてほしいな~と思うんですけど、終わってしまうこの作品。この先は君たちの番だぞと言って、言って・・・・・・・・・・・るかは分かりませんが、風情のある最後でした。このまま結婚もせずに風俗王にでもなってほしいものですね。まぁ、俺が風俗王だって奴、この世にめっちゃいると思いますが。
衝撃的告白
あと、雑誌のコメントでしか近況などは知ることはできませんが、何気に最後の方でとんでもない事実が発覚しています。
「取材費でタダで風俗いけますよ」と騙されて始まったこの漫画も、次号最終回です。(2017年8月号巻末コメントより)
取材費が出てなかった!!
絶対に編集さんと取材費で風俗に行ってると思ってました。誤解していたこと、この場でお詫びします。
逆に、話を描くときに取材していたのかが気になりますね。取材費が出ないからと言って取材しないとは思えませんが。まぁ、それって取材じゃなくてただただ遊んでるだけとも言えますが。取材費が出ないとはいえ、五十嵐健三先生と一緒に行ってみたいという欲求はあるので、今度連れて行ってください(私信)。
今思うと、よく6巻も続いたなと思います(良い意味で)。野球と政治と宗教の話はするなとサラリーマンはよく言われますが、とりあえずゴルフか風俗の話をしておけば何とかなる職業でもあります。だからこそヤンマガのオアシスとして、この作品は続いてきたのかなと思います。
まぁ、ヤンマガにはまだ、ハアハア言う長期連載もありますし、セックスして女性の命を救うびゅるびゅる漫画もあります。最近は若手漫画家さんによる手品パンツ漫画、女教師になぜか変態行為をする漫画もあります。女性読者層とかどうなってるんだろう?と本気で思う雑誌ですが、そこに「匿名の彼女たち」という一つの風が吹いていたことを忘れてはいけません。
そして、ヤンマガの生きる伝説がここに幕を閉じました。まぁ、風俗漫画だったのでマクがなかった可能性もありますが。ガハハハハハ!!!