面白さを限界まで「ALL OUT!!・第5巻」



格闘球技です

秘蔵っ子です。
いままで紹介してきませんでしたが、月刊モーニングtwoで連載中のALL OUT!!が好きです。大好きです。スポーツ漫画というジャンル自体好きですが、この作品に限っては格別大好きです。スポーツ漫画の持つかっこよさとか、戦略性とか、すんごい必殺技とかとかとか。面白さとして色んな要素があると思うんですが、この作品は兎にも角にも“熱量”がすごいです。物語にもキャラにも、ものすごい量の“熱”があります。


ゴリゴリのラグビー漫画

ジャンルはラグビー。全く知らないジャンルです。似てるようでぜんぜん違いますけど、アメフト漫画はジャンプでありましたっけ。ラグビー漫画というと、なかなか最近では見なくなりましたが、まさかここまで面白いとは。
なお、かなり筋肉ガッチリで描かれてる作品なんですけど・・・・。結構女性人気があるっぽいですよ。いやまぁ、気持ちはわかる。←読んで確認をお願いします(参考:http://www.moae.jp/comic/allout






悔しいです

舞台は県立神奈川高校、通称ジンコーのラグビー部。万年弱小感のあるチームですが、作品の始まった年度はちょっと違います。↑のキャプテン・赤山は負け続ける2年間を過ごしてきた、いや正確には負けに慣れた上級生しかいなかったチームで過ごしてきました。それでも花園を目指しずーっと、ずーっと、ラグビーに打ち込んでいたわけです。
そこに一癖も二癖もある新入生(主人公を含む)が入り、自分たちを強くしてくれるコーチも入り、強いチームと戦って善戦もする。そんな王道中の王道を進んでいます。特にコーチ話は最高に素晴らしかったです。キャプテンたちはずっとコーチのいない独学で学んできたんですけど、本当のコーチが出来たことにめっちゃ喜ぶわけです。まだまだ強くなれる・・・・と。そんなキャプテン&三年生がいるから、後輩達もついてくる。文字どおり死ぬほど辛い練習でも頑張れる。そんなチームの和も感じることが出来ます。



主人公は天然のたらし

さて、主人公の話となりますが、名前は祇園健次(身長159cm)。とにかくでっかい奴をぶっ飛ばしたいという理由でラグビーやってます。当然自分の身長にコンプレックスを持ってますし、当然シロウトでラグビーを始めます。若干、考えなしというか、暴走気味というか、主人公らしい部分があったりなかったりですが、やる気だけはとにかくすごいです。
スポーツ漫画によくあるやつですが、シロウト主人公という利点をいかしてルール等々の説明もあります。それと、とにかく“言葉が素直”なので、彼の言葉がかなり響くことが多いです。というかドキッとさせられることが多いです・・・・。彼の言葉に動かされる仲間、彼の言葉にニヤリとさせられる読者のなんと多いことでしょうか。


一番との出会い

そんな主人公ですが、5巻で大イベントを迎えています。自分の適正ポジションに悩み、チームメイトに聞いたりしながら(←この話もかなり良い)、県で一番の同ポジの人に憧れていきます。


一番の人の動機

まぁ、彼はアニオタなんですけども・・・・。
好きなアニメキャラが「強い人が好き」と言ったから始めたラグビー。その中で、とにかく動き回ることが必要なポジション、本人曰く「なんでもしなきゃいけない」ポジションであるフランカーを選んでおります。ちなみにこのフランカー、FW陣の花形だそうです←その分大変
いやまぁ、確かに好きなアニメキャラのためとはいえ、というかアニメキャラのために血みどろになりながら努力するオタクってのもすごい話ですよ。俺には無理だなぁ、あははは。なお、そのアニメがまた面白い設定をしているんですよ。魔法ステッキで撲殺する魔法少女(リリンちゃん)を妖精が更生しようと頑張る話とのことです。巻末にオマケ漫画があったのですが、ロクでもない話でしたw
でまぁ、その作品を祇園も視聴しており、一番の人に気に入られていきます・・・・。



憧れたから

「どうしてフランカーをやりたいの?」
「人に向いてるって言われたのもあるけど、今はアンタに憧れたから」
一番の人・霧島関人の身長も祇園と同じように低いですし、ラガーマンで想像するようなムキムキマッチョというわけでもないです。でも、小さな身体を使って動き回る姿は、シロウトの祇園にとっても衝撃だったようです。ただデカい人間をぶっ倒す!という目標だけじゃなく、ラグビーを上手くなりたいという欲求の芽生え。
その芽生えを「憧れた」と本人にぶつける主人公。この素直さに胸を熱くさせられます。





試合してください!

祇園が願ったとおり、試合できる日が来るのでしょうか。フランカーとして独り立ちした祇園を見せることができるのでしょうか・・・・。






個人的にはね、何度も言うけどね、



コーチの籠さんを連れてきた話とかすんごい好き。





チームにコーチがいればなぁという話になって、祇園が元日本代表の籠さんにメールをしたら本当に来たって話がすんごい好き。それでいて、キャプテンたち上級生が超喜んで、教えてもらえる喜びに打ち震えたり(当然キャプテンたちが)、まだまだ上手くなれることを実感できて喜んだり(主にキャプテンたちが)する話がとても好き。籠さんが超ツンデレなのも好き。
その流れで、今回の5巻ではラグビー部に見向きもしてなかった顧問に情熱再点火になる話も超好き。頑張る人間が人を動かすという、熱血スポコンのお手本のような物語がここにはあります。チームを引っ張るキャプテンたちが頑張るとさぁ、辛い練習に下級生もついてくるわけですよ。シロウトの祇園が頑張れば頑張るほど、上級生たちも刺激されるわけですよ。


読んでて唸るほどの熱量のある作品です。オススメ〜。