幼馴染、それは約束された勝利の絆「りぶねす・第9話」



アスカ(幼馴染)「今度私とデートして」

正直、ナメてました。「りぶねす」をナメてました。第一巻を読んで、あぁ・・・・シスコン漫画なんだな〜と思ってたわけです。しかし残念なことに、俺の中に妹属性は持ちあわせていませんでした。漫画として面白い。確かに絵も可愛いし、アニキ(哲郎)の身に起きる日常ドタバタ感は漫画として面白い。しかし微妙に、本当に微妙なんですが、個人的に合っていなかった作品だったのです。ただ一つ、幼馴染のアスカを除いては・・・・。
第一巻レビュー:http://d.hatena.ne.jp/toldo13/20141118/p1

そもそも第一巻のラストで、哲郎の幼馴染であるアスカがデートしようと誘うわけです。一巻まるまる一冊の中で表現されてた“シスコン”というテーマ。そんな中にある異質な“幼馴染”という絆。一巻の中ではアスカ→哲郎→カスミ(妹)という好きの流れがあるのだろうな〜と思ってたのですが、先月・今月のマガスペで描かれた「りぶねす」では、ちょっと一筋縄ではいかない過去話が描かれていました。



中学生時代の二人

哲郎とアスカ、二人は幼馴染です。窓から部屋を行き来できる仲です。しかし、子供の頃からの二人の関係性は「相棒」。哲郎にとってのお姫様は妹のカスミでしかありませんでした。もちろんちょっと男まさりなアスカにも努力が足りなかったのかもしれません。当然哲郎が鈍感すぎたのかもしれません。二人は中3になるまで、ただの幼馴染でしかありませんでした。
ただし、アスカはずーーーーーーーーーーっと哲郎のことが好きでした。しかし、当の本人は妹にしか興味を示さないシスコン。きっと歯がゆい思いを何度もしたと思います。でも、そんな妹を大切にできる哲郎だからこそアスカも好きになったのだろうと思います。



そんなある日、二人の薄くて頑丈な壁にヒビが入ります。
二人で帰る途中、偶然アスカの胸を触ってしまう哲郎。小さい頃から友達でしかなかった幼馴染に、女性を感じる瞬間。そしてそれを逃さないアスカ。夜、二人きりになった時、さわってみる?とアプローチをかけます。





(胸を)さわってみる?

これはアスカが見せたちょっとした勇気。
小さい頃から哲郎にとっての特別になりたかったアスカの勇気。
女の子として意識してもらいたかった彼女なりの最大の勇気。




グッ・・・・

ほ、ほほほホントにさわるんだ!?
ここからのえちぃ場面はぜひぜひ雑誌を読んでもらえればと思いますが、とてもよかったです。結構さわさわしてます。中3の好奇心爆発だ!ってレベルです。マガスペにしては珍しいと思いましたが・・・・。






やっぱダメ

かなりさわさわさせてましたが、結局は途中でやめさせてしまうアスカ。アスカ的には問題なかったと思うのですが、たった一点だけ確認をしたかったわけでして。
哲郎はアスカのことが“好き”なのかどうか。当たり前のことですが、これを確認してからではないとその先は・・・・。


その“好き”ではない

アスカの哲郎への質問。大切な大切な質問。好きかどうか。そんな単純で大切な質問。しかし残念ながら、哲郎は「好き」と言うわけです。その好きがアスカのほしい好きではないことに気付き、怒ってしまうアスカ。
カスミとアスカのどちらが好きなのか。これってこの作品の根幹をなす重要なテーマとなりそうな気がしてます。まさかこんな流れになろうとは思ってもいませんでしたが、とてもとても良い展開だと思います。何気に満更でもなかった哲郎とそれだけでは足りないアスカの恋心。なーんにも気付いていないカスミ。幼馴染は妹を超えられるか。某妹ラノベでもあったテーマだったように思いますけど、あちらは妹が勝利していますし、ここでは幼馴染に勝ってほしいと思ってます。もちろん個人的に・・・・ね?←カスミ派の皆さんごめんなさい





彼女のその覚悟

女の子として意識され、胸を触られ、その先へと進むために聞いた質問の中に彼女の欲しい答えはありませんでした。彼女が小さい頃から想い続けた男の子に、もっと気持ちを伝えたい、もっと自分を見てもらいたい。胸を触ってもらうことでは足りなかった彼女は、好きな男の子の唇を奪い・・・・髪を切ります。
ちょっと長い髪は哲郎の好みです。しかし、それはアスカらしさではない。アスカという女の子を振り向かせるため、もう一度本当の自分に戻ります。泣きながら伸ばした髪を自分で切ります。


それは彼女なりの覚悟。


今の“好き”ではない本当の“好き”を得るための一途な覚悟。





りぶねすの過去編。哲郎とアスカはキスをしました。男女のソレのマネ事もしました。アスカは哲郎を男の子として見ていることを精一杯表現し、そのままズルズルと・・・・二人の関係は微妙なまま、第一巻の話に繋がっていきます。そして第一巻ラストの「デートしよう」に繋がっていきます。



哲郎が好き

ガサツな幼馴染が、好きな人のために精一杯のオシャレをしたりするのが好きです。らしくないかもしれないけど、「好き」って言ってもらうために、一番になるための努力をする幼馴染が好きです。第一巻ではまだアスカの気持ちを伝えていなかったのかと思っていたのですが、全くそんなことはなく、ずーっとアスカのターンだったようです。逆に何もない素振りをしていた哲郎の気持ちが正直知りたい。来月号の話は本当に重要なものとなる・・・・はず。もしかしてカスミの邪魔とか入ったら、それはそれで面白いですが。




こんなにも上質な恋愛を見せてもらえるとは・・・・。伝統でもある“恋愛漫画マガスペ”はここからまた始まるのかもしれません。それだけの価値ある覚悟を見せてもらいました。「りぶねす」がまだよくわからないって思うこともあるかもしれませんが、ぜひ今月号のマガスペを読んでもらいたい。幼馴染、最強です・・・・。