大好きは死なない、絶対に死なない「不死身ラヴァーズ・第3巻」



両想いになると、あの子は消える

別マガで連載していた不死身ラヴァーズの最終巻が出ました。納得いってないんですが、この作品が打ち切られているんですよね(打ち切りじゃないにしても円満終了ではなさそうですよね、一部完だし)。まだまだ続けられたのでは?と思ってます。いやぁ、編集部は何を考えているんだろう。面白ければそれでいいと思うんですが、何か色々あるんですかね?作者最後の抵抗か、とりあえず一部完と銘打ってますがどうなることやら。うーん、納得できない!!!
別マガ第1話の衝撃を今でも忘れることができません。男の子が女の子を好きになる。たったこれだけ、本当にこれだけのことなんですが、好きが圧倒的な作品なんですよ。両想いで即終了。主人公・甲野がヒロイン・長谷部りのと両想いになると長谷部りのは消えます。そしてまた別の長谷部りのが現れる。同じキャラでずっとBOYS BE…をやるようなものです。だからこそ“好き”が終わらないし、止まらない。むしろ積み重なっていきます。
第1話試し読み:http://kc.kodansha.co.jp/content/top.php/1000006408


人妻の長谷部りの(逆向きに意味は無い)

小学生、中学生、高校生、大学生と色んな長谷部が登場しました。さすがにもう別の長谷部は無理だろうと思っていたら、2巻のラストで“人妻(未亡人)”の長谷部が登場します。当然、甲野はアタックを仕掛けます。だって大好きだから。
甲野の魅力か、好きと言い続けられることで相手が折れるのか、そういう運命なのか、基本的に甲野と長谷部は両想いになります。人妻(未亡人)の長谷部もまた・・・・と思いきや、なかなか消えない長谷部。「消えない=両想いじゃない」という図式がわかっているので、長谷部に好きになってもらえてないというジレンマに甲野は陥ります。面白い話です。好きになってもらえないことを消えないことで知りつつ、それ以上踏み込むと消えてしまう・・・・。


甲野の嘘

長谷部消えないなーと思ってたら、どうやら歳の差を気にしていたようで。そんなことは甲野にとってはどうでもいいことなので、結局は・・・・消えちゃいます。
この時、長谷部に嘘をつきます。「嫌い」だと嘘をつきます。この嘘がねぇ・・・・切ないんですよ。甲野にとって、人間の三大欲求の上に来る欲求でもある「長谷部」。その長谷部に「好き」以外の言葉を伝えることは無かったのに、消えてほしくないからついた嘘。好きが伝わることよりも、居てもらいたいという欲求を優先させた甲野。
ジェットコースターのような展開ばかりの中で、暴走機関車のような甲野がついた、きれいな嘘。こういうのに弱いんですよ・・・・。誰だよ!甲野と長谷部にこんな酷い仕打ちをするのは!(←作者です







さて、結局は長谷部がまた消えてしまいますが、当然のことながら次の長谷部が登場。もとい最後の長谷部が登場。












次のターゲットは男!

エェッ!?(* □ )       ゚ ゚
いつかはこの日が来るかと思っていました。男です、男の長谷部です。“長谷部りの”がギリギリ男性の名前として使えるかも?と思っていましたが、この作品のヒロインがギリギリ中性的な名前でよかったなぁと思ってみたり。ん?りのって中性的ですよ・・・・ね?
読者も驚くまさかの男・長谷部。これに対し、甲野は・・・・








勃った、甲野(のアレ)が勃った

これだもんね。甲野さん、性別関係なく“長谷部りの”ならいけるんだもんね。同姓同名とか出てきたらどうするんだろう。いやーそうかー、いけちゃうのかー。俺の記憶が確かなら、別マガ誌上初のおホモ様だと思います。まぁ、甲野も色々と悩んだようですけどねw
男・長谷部が最後のシリーズになりますが、男相手というのを差し引いてもとても印象に残るシリーズだったと思います。これまで好きになったら終了を繰返し、一筋縄ではいかない人妻を相手にし、今回は性別を超える必要のある相手。ハードルがどんどん上がっていってますが、まどマギのように繰り返していくほど業が深くなっていってるような気も・・・・。
そもそも相手が甲野を好きになるという前提・・・・同性相手に通用するのかって話ですよ。







好きにならなきゃいいんですよね!

例えば、“好きになると消える”という話を甲野から聞いた結論が、好きにならなければいいというものになります。このちょっとサバサバしている感じ、男っぽいですよね。いや、これ当然だなぁと思いますよね。そもそも(女性だとしても)消えたくないですし、男(甲野)を好きになるというのも意味分からないし。仮に俺が長谷部♂だったとしても、同じことを言うと思います。女性だともうちょっと親身になってくれるかもしれませんね。


長谷部が好きだから

でも、甲野の場合は違います。長谷部が好きという理念の下、考え行動します。そこに「好きになってもらわない」というルートはありません。男だろうが女だろうが年齢だって何だって関係なく、長谷部りのと両想いになりたいというのが甲野ですからね。





さてさて、どんな終わり方をするのかは読んだ方が絶対的に面白いと思うのですが、とりあえずネタバレ。まず、最終話を迎える前に、甲野・・・・空を飛んでます。これは要チェックです。どう飛んだかは見てやってください。









別の甲野が待っていた

でまぁ、ぶっちゃけると攻守交代をしています。これが何気に一番の驚きですよね。甲野が消え、別の甲野が長谷部を待ち受ける展開になります。そんな入れ替わりが発生した上で、どんな締めをしているかは是非是非確認してほしいな〜と思います。
で、ちょっとこの入れ替わりについてなんですけど、何が起きたんでしょうね。いくつか理由を考えたのですが、例えば消えることで別の世界(片方がいる世界×2)が分岐しまくっているとか?同性が出た時点で消える側が入れ替わる仕組みとか?甲野以外にも消えられ系のキャラも出てきてますし、この呪いにも似た設定は、うつる可能性もあるのかも??
あと・・・・女となった甲野と田中が一緒に暮らしてるってことはやっぱり?仮にそうだとしたら、残された長谷部的には辛いだろうなぁ。残された方は思い出と好きだという気持ちが残ってるし、消えた方は思い出を全く持っていない。そもそも最後の長谷部にとっては、自分を好きだと言ってくれてた男の甲野が大切だったのに。誰だよこんな切ない設定にしたのは(←作者です)。冷酷な鬼やで、ホンマ・・・・(←作者です)。








まさに超特急な恋愛漫画だったなぁと最終巻を読みながらしみじみしています。終わってしまったということについては、最初に書いたのが全ての気持ちですかね。
でも、一つ言わせてもらいたい。作者の高木先生がこの作品に情熱を注ぎ込んだのがよく分かるんですよ。それだけの熱量を持った作品でしたからね。だからこそ!だからこそ、不死身ラヴァーズ」を読んだ読者も「不死身ラヴァーズ」だということを忘れてもらっては困る!!高木先生がこの作品を“第1部完”としたことを信じて、甲野と長谷部の不思議な純愛物語を待ちたいと思います。もしかしたら別作品に登場するかもしれませんし、同名の作品をどこかで続けるかもしれませんし。高木先生の描く次の作品を待とうという気持ち、甲野と長谷部の再登場を期待したいという気持ち。
これぞまさに・・・・不死身ラヴァーズ( ・`ω・´)