世界を救うのはスライムさんだ「スライムさんと勇者研究部・第4巻」



大好きスライムさん

別マガで連載していたスライムさんと勇者研究部の最終巻が出ました。正直、いまだにこの作品を切った判断については納得がいってません。確かに進撃のような看板作品にまではなっていませんが、こういう中堅作品が雑誌には常に大切なのでは?と思うわけで。今のやり方だと、4巻まで出てくる自前の新人を育てられるのか心配です。まぁ、編集部なりの考え方もあるんでしょうけどね。難しいものです。
さて、最終巻の表紙は主人公の仏子(スライムさん)と翠恋先輩(ゴーレムさん)がメインになっています。この翠恋先輩がめっちゃ可愛いなと思いました。過去の翠恋先輩の中で一番可愛いと思いました。やはりゴーレムさんが最強か・・・・。ここに来てこの可愛さはズルい!!


部活を作ろう

最終巻ということで、仏子と翠恋先輩の馴れ初め、勇者研究部立ち上げ話が収録されたりしています。この作品では、モンスターに縁のあるキャラ、勇者に縁のあるキャラたちが多数出てきますが、基本はこの二人なんですよね。しっかり者と癒し系の二人のコンビがいて、この作品は成り立ちます。いや、翠恋先輩が必要以上に世話焼きなのかもしれませんけどねw


勇者研究部に入る!

作品の途中から登場していますが、生徒会長が勇者研究部に入部しています。個人的にはラブライブ矢澤にこっぽいなーと思っているキャラです。元気はいいし、しっかりしようとするところも見える、だけどアホっぽい。この作品でもネタ要員となってます。
生徒会長を語る前に、この作品の世界感について。この作品の世界は、「勇者ではなく魔王が勝利した世界」になっています。しかし、子孫たちの見た目は普通の人間だらけ。生活も我々の生活風景と変わりません。少し違うとすれば、人類の中にモンスターの素養を持つ人類が現れ、それが仏子や翠恋先輩といった“能力持ち”として生活していること。残念ながら能力持ちが世間に認められているわけでもないんですけどね。
で、翠恋先輩たちはそんなモンスターたちの部活動を作り、それが「勇者研究部」となります。一方、生徒会は勇者側の子孫たちが集まっています。そして、生徒会長は勇者の子孫(の一人)となります。つまり、敵対するはずのモンスターvs勇者ご一行が、モンスターの群れにいる勇者見習い状態になってしまいました。
・・・・どうなるんだろうね?


例えばドラゴンさん

日本中の注目を浴びるアイドル・木龍栞。彼女の能力はドラゴンです。ドラゴンといえば勇者も苦戦する強力なモンスターです。もちろん勇者復活に怯えるモンスター陣営の切り札です。なお、中身はただのダウナー少女。おっと、BL同人誌も描いてますね。本当はアイドルなんだけども・・・・。
そんな彼女が「勇者研究部」でメンバーと触れ合うことで、仕事(アイドル業、世界平和の切り札)にもやる気が出ているようで。やっぱり友達がいるというのは重要です。ましてや、仲間が仏子や翠恋先輩という“日常派”ですからね。作中、嬉しそうにしているドラゴンさんが印象的です。あと、一番好きなキャラが彼女だったりもします。


アレの近くに

ドラゴンさんの伏線めいたところで、政府のお偉いさんが意図的に“アレ”とドラゴンさんを近付けたようです。この“アレ”ってどれ?と思ってるんですが、個人的には勇者かスライムさんだと思っています。最後まで読んだ感想で言えば、スライムさんだったかな?




BLもアリだよね

ちなみに、この作品の本当の勇者は生徒会長ではありません。もちろん血筋を引いていますが、より色濃く受け継いだのが弟の山田勇作です。彼は・・・・仏子が好きなんですよねぇ。勇者loveスライム。なんつー展開だ・・・・と思ってたんですが、最終巻で仏子が勇作をホモ認定しているという。あれ?もしかして勇作が一番可哀想な存在だったか??
まぁ、残念ながら、彼の恋が実ったのかどうかは不明なまま最終回を迎えています。後々、うまくいってたらいいね。生徒会長が邪魔してくる可能性は否定出来ないけど(←生徒会長はブラコン
あ、仏子はドラゴンさんのBL漫画を手伝ってます。ところでドラゴンさんが指示出ししている乳首の62番トーてどんなやつなんだろうね??




みんなの中にスライムを!

最終話はスライムさんという存在について翠恋先輩が語っています。この最終話は考えていたのか気になるレベルで、いい終わり方だったと思います。
多分ね、本当に多分の話ですけど、現状は勇者とモンスターは争いになるだろうと言われていますが、スライムさんという存在は全てを繋ぎとめるのではないかと思うわけです。翠恋先輩もそれを感じている可能性があります。翠恋先輩はスライムさんがいることで、皆の仲がよくなっていると感じているのではないか?現実に生徒会長や勇作(勇者)もスライムさんと仲良くなっています。これが示唆するものは・・・・。
ドラ○エなんかでもそうですが、スライムはいなくちゃいけない存在だと思うわけで。それは、この作品のスライムさんも一緒。ちょっと違うのは、平和の架け橋になるかもしれない・・・・ほどプニプニしているってことですかねw

たくさんのキャラが出てきて、結局はスライムさんが丸く収める。だけどそれが心地よい作品だったと思っております。うーむ、面白かった。キャラクターたちが大好きだったんですが、途中途中で差し込まれる裸体描写もわりと・・・・。やっぱり、あと1巻、2巻くらいは出せたのかな〜とは思いましたが、作者の我孫子先生にはまた講談社に帰ってきてもらいたいですね。4巻完結、オススメ!